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DATE/ 2022.12.22

道路の「制限速度」のしらべ方

 車の運転をする場合、必ず注意しなければならない走行速度。制限速度を超えれば違反になるだけでなく、重大な事故を引き起こしてしまう危険性もあります。標識のある道ではその制限速度を守れば良いのですが、標識のない道の制限速度は、実は一律で同じというわけではありません。今回は車を運転する際の制限速度について、改めて紹介しましょう。

法律で定められた法定速度

 道路交通法(以下道公法)で定められた上限速度のことを「法定速度」と呼び、一般道では自動車が60km/h、原動機付き自転車が30km/h、緊急自動車は80km/h、高速道路では、大型貨物やトレーラーを除く自動車が100km/h、大型貨物やトレーラーは80km/hと、車両ごとに定められています。なお、一般道に関する最低速度制限はありませんが、高速道路については本線では最低速度が50km/hと決められています。制限速度としてはこれらが原則になりますが、いくつかの例外があるのでひとつずつ説明していきます。

法定速度に該当しないケース

・速度制限標識がある道

 例外のひとつが「制限速度」です。道公法には登場しない言葉ですが、言い換えれば「速度制限標識が示す速度」となります。その道路の事情を考慮して最高速度が定められていて、私たちがよく目にする速度制限の標識に書かれている数字が最高速度になります。もし制限速度が50km/hの道で法定速度の60km/hで走ったらスピード違反になってしまうので注意が必要です。

 また、標識には最低速度が書かれていることもあります。速度標識の数字の下に青線が引かれている場合には、やむを得ない理由がない限りその速度以下での運転が許されていません。高速道路や自動車専用道路で見ることがあるので、こちらも覚えておきましょう。

・中央線のない一般道

 標識のない一般道では法定速度の60km/hが上限となりますが、中央線のない一般道の場合には上限速度が50km/hとなるので注意が必要です。標識がないからと60km/hで走っているとスピード違反になってしまうので気を付けるようにしましょう。

・生活道路

 一般道には交通量の多い幹線道路だけでなく、住宅街を通る道も含まれています。そのうち、生活道路と呼ばれるゾーンについては30km/hで走行しなければなりませんので気をつけましょう。

そもそも生活道路という言葉は、まだ画一的に定義されているものではありません。住宅街や商店街などの自転車や歩行者が多い道、その地域の住民の車やその地域に用事がある人のみが使うような道などをイメージすると分かりやすいでしょう。

 生活道路での速度制限に関しては、最近では「ゾーン30」という取り組みが進められています。これは、個々の道路ではなくある一定のエリアの道は全て生活道路とみなし、制限速度を30km/hにするというもの。実は生活道路での事故は後を絶たず、その事故件数を減らす効果が期待されているのです。渋滞回避や裏道に生活道路を使うとゾーン30に入ることもあるので、きちんと確認するようにしましょう。

常に意識する必要のある運転速度

 法定速度は一般道が60km/h、高速道路は100km/hですが、標識がある場合などそれに当てはまらない場合があることも紹介しました。車を安全に運転するために速度を守るのは大前提のルールとなります。標識などで速度制限がないかを見落とさないよう、気を付けるようにしましょう。

<参考サイト>
・速度標識がない道路では何キロまでスピード出していいの? by 車選びドットコム
https://car-me.jp/articles/14135
・ゾーン30とは? 警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/doro/zone30/about_zone30.html
・法定速度の最高速度違反・最低速度違反|チューリッヒ
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-speed-limit/
・【意外と知らない】生活道路の定義とは?制限速度などの規制についても! | MOBY [モビー]
https://car-moby.jp/article/car-life/useful-information/living-road/
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