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海外で人気な「日本酒銘柄」7選
今、海外では「日本酒」が大人気なのをご存じですか? 日本酒の日本国内の消費量は減少傾向なものの、海外への輸出額は右肩上がりで、2021年の輸出総額は401億円と過去最高となったそうです。
今回は、世界各国で人気を博す日本酒の銘柄を7つ、ご紹介します!
料理、器とも美しく盛り付けられ、しかもヘルシーなイメージのある和食は欧米を中心に人気が高まり、和食を提供するレストランが次々と開店しました。それにともない、和食の味に合う「日本酒」の存在の認知度も高まってきたのです。アルコール度数もさほど高くないため初心者でも飲みやすく、チャレンジしやすい敷居の低さも、受けいれられたポイントでしょう。
今や海外で日本酒は「SAKE」と呼ばれて親しまれ、日本酒に関するイベントが毎年のように開催されるようになりました。代表的なものとして、アメリカで行われる世界最大の日本酒イベント『The Joy of Sake』や、フランスの権威ある日本酒品評会『Kura Master』などがあります。
地理的表示指定とは「ある特定の産地に特徴的な原料や製法などによって作られた商品だけが、その産地名を独占的に名乗ることができる制度(国税庁HPより)」。つまり、きちんと決められた原料、製法でつくられたものでなければ、その名称を名乗ることができないというもので、日本酒の場合「原料の米に国内産米のみを使い、かつ、日本国内で製造された清酒」だけが「日本酒」と名乗ることができます。
この地理的表示指定によって、本来の日本酒と「日本酒のように造られたもの」を区別することができ、かつ日本伝統の食文化としてのブランド価値を高められます。「日本酒」という地理的表示指定を得た結果、より日本酒ファンの支持が高まり、高品質な日本酒の輸出促進につながったといえます。
近年は新型コロナウィルスやロシア・ウクライナ戦争により、運送コストが大幅に上がった影響で輸出量自体は減少しつつあるものの、輸出額は堅調な伸びをみせています。これは、海外の消費者が「量より質」を求めるようになったためではないかと考えられています。
【北米(アメリカ)】
日本酒最大の輸出国がアメリカです。健康への意識が高いアメリカではもともと和食は人気で、日本酒の存在もよく知られていました。近年は「日本酒のサブスク」も登場し、利用者は年々増加傾向にあるとか。
そんなアメリカで特に人気の銘柄が『獺祭』『男山』です。
・『獺祭』
お米の雑味が抑えられた透明感のある味、スッキリした口当たりとフルーティな香りが人気です。『獺祭』のようなさっぱりタイプの日本酒は、肉料理が中心のアメリカの食事に合いやすいため、多くの人に受けいれられています。
・『男山』
辛口で、米の旨みが強め。力強い風味ですが、お寿司や刺身といった純和食にピッタリのため、SAKE愛好家から根強い支持があります。
ほかにも『八海山』『菊水』『月桂冠』といった日本でもポピュラーな銘柄が、アメリカで人気を博しています。
【ヨーロッパ】
ヨーロッパといえばワイン文化。ワインと同じく日本酒も“食中酒”としての立ち位置が期待されています。西欧料理は油や香辛料をふんだんに使うため、それに合うまろやかな風味の日本酒や、酸味、甘みがしっかりと感じられる日本酒が好まれる傾向のようです。
北米と比べるとまだまだ日本酒のシェアはこれからといったところですが、毎年優れた日本酒を決める品評会が行われており、日本酒の存在感は増してきています。
・『澤姫 吟醸酒 真・地酒宣言』
2022年イギリスのロンドンで行われた世界最大のワイン品評会、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の「SAKE部門」において、最高賞である「チャンピオン・サケ」を受賞した日本酒です。爽やかでソフトな口当たり、バナナのような芳醇な甘い香りが特徴。
・『燦爛 純米大吟醸 夢ささら』
前述したフランスの日本酒コンテスト『Kura Master』で2022年に最高賞のプレジデント賞を受賞した日本酒です。ふくらみのある優しい味わい、洋梨のような吟醸香、ほどよい酸味が特徴となっています。
【アジア】
アジアの中でも日本酒の輸出量が多いのが、中国と韓国です。アメリカと同じく比較的早い段階で日本酒が定着しつつあった中国では高級志向が高まっており、自分で飲むのはもちろん、接待や贈答用として購入するケースが増えています。
いっぽう、韓国では屋台や居酒屋が多く、日常的にお酒を飲む習慣が根付いているため、リーズナブルなお酒が好まれる傾向です。実は韓国は、アメリカに次いで日本酒の輸出量第2位となっています。
・『梵』
醸造アルコール無添加の純米を使った、清涼でスッキリした味わいが特徴。欧米圏では「BORN」と表記され、品評会で数々の受賞歴を誇ります。中でも『梵・ゴールド』は2019年『SAKE-China(サケ・チャイナ)』日本清酒品評会において最高賞のゴールデンドラゴン賞を受賞しており、名実ともに日本酒の代表銘柄になっています。
・『白龍』
瑞々しくキレのある味わいが特徴の大吟醸、奥深くフルーティで食中酒としても飲みやすい吟醸酒など、さまざまなラインナップがあります。1994年に『モンドセレクション』で金賞を受賞して以来人気が高まり、特に台湾や香港、韓国で広く愛飲されています。縁起のよい「龍」の字が使われているところも人気の秘密だとか。
・『がんばれ父ちゃん』
日本では聞きなじみがないですが、韓国で日本酒といえばコレ!というほど高い知名度を誇るパック酒です。国内では蔵元のある新潟県内くらいでしか流通しておらず、ほとんどが韓国向けに出荷されています。一説によると、韓国で「日式居酒屋」がブームとなった際に、日本酒の輸入業者が安価でかつインパクトのあるパッケージを気に入り、積極的に輸入したことで、韓国で爆発的に広がったのだとか。大衆酒らしく、晩酌向けの少し甘めで飲みやすい味です。
ここで、今注目の海外の醸造所をご紹介します。
・「Brooklyn Kura」(アメリカ)
元金融マンと科学者、という異色の経歴を持つアメリカ人2人が日本酒に魅せられ、2018年ニューヨーク市にオープン。カリフォルニアで育てた酒用の米・山田錦や、ブルックリンの水を使うなど、本格的なSAKE造りに挑んでいます。タップルームと呼ばれるバーも併設され、気軽に日本酒を楽しめる場となっています。
2021年末に『八海山』で知られる八海醸造と長期パートナーシップを締結。本場日本の酒造りのノウハウをもとに、今後はビールや蒸留酒、発酵食品なども手がけていくそうです。
・「WAKAZE」(フランス)
2016年に東京の三軒茶屋、2019年にフランスのパリに醸造所を置く、今注目の酒蔵。パリでは機械も現地調達、原料もすべてフランス産を使用するなど、フランス産に徹底してこだわっています。2020年の『Kura Master』で、海外醸造蔵で初となるプラチナ賞を受賞しました。
・「DOJIMA SAKE BREWERY」(イギリス)
大阪の堂島麦酒醸造所が設立した、ヨーロッパ初の酒蔵です。原料である米や麹、酵母は日本産のもので、仕込み用の水は氷河期の地層からくみ上げたものを軟水化して使用しています。美食家の多いヨーロッパの人に「SAKE」の本質と価値を知ってもらうべく、価格は1本約15万円と高めに設定されています。
食に華を添えるだけでなく、国を超えて人と人をつなぐ役目をも担う日本酒。日本酒ブームは今後ますます盛り上がりを見せること、間違いなしですね!
今回は、世界各国で人気を博す日本酒の銘柄を7つ、ご紹介します!
今、海外で日本酒が人気の理由
日本酒が海外に注目されるようになったのは、2013年に「和食」がユネスコの無形文化遺産登録されたことがきっかけです。料理、器とも美しく盛り付けられ、しかもヘルシーなイメージのある和食は欧米を中心に人気が高まり、和食を提供するレストランが次々と開店しました。それにともない、和食の味に合う「日本酒」の存在の認知度も高まってきたのです。アルコール度数もさほど高くないため初心者でも飲みやすく、チャレンジしやすい敷居の低さも、受けいれられたポイントでしょう。
今や海外で日本酒は「SAKE」と呼ばれて親しまれ、日本酒に関するイベントが毎年のように開催されるようになりました。代表的なものとして、アメリカで行われる世界最大の日本酒イベント『The Joy of Sake』や、フランスの権威ある日本酒品評会『Kura Master』などがあります。
条件をクリアした「SAKE」だけが「日本酒」と名乗れる
日本酒が海外で広まりを見せたのは「日本酒の地理的表示指定」も要因のひとつと考えられています。地理的表示指定とは「ある特定の産地に特徴的な原料や製法などによって作られた商品だけが、その産地名を独占的に名乗ることができる制度(国税庁HPより)」。つまり、きちんと決められた原料、製法でつくられたものでなければ、その名称を名乗ることができないというもので、日本酒の場合「原料の米に国内産米のみを使い、かつ、日本国内で製造された清酒」だけが「日本酒」と名乗ることができます。
この地理的表示指定によって、本来の日本酒と「日本酒のように造られたもの」を区別することができ、かつ日本伝統の食文化としてのブランド価値を高められます。「日本酒」という地理的表示指定を得た結果、より日本酒ファンの支持が高まり、高品質な日本酒の輸出促進につながったといえます。
近年は新型コロナウィルスやロシア・ウクライナ戦争により、運送コストが大幅に上がった影響で輸出量自体は減少しつつあるものの、輸出額は堅調な伸びをみせています。これは、海外の消費者が「量より質」を求めるようになったためではないかと考えられています。
各国で人気の日本酒銘柄
それではここで、世界の各地域で人気の銘柄をご紹介していきましょう。【北米(アメリカ)】
日本酒最大の輸出国がアメリカです。健康への意識が高いアメリカではもともと和食は人気で、日本酒の存在もよく知られていました。近年は「日本酒のサブスク」も登場し、利用者は年々増加傾向にあるとか。
そんなアメリカで特に人気の銘柄が『獺祭』『男山』です。
・『獺祭』
お米の雑味が抑えられた透明感のある味、スッキリした口当たりとフルーティな香りが人気です。『獺祭』のようなさっぱりタイプの日本酒は、肉料理が中心のアメリカの食事に合いやすいため、多くの人に受けいれられています。
・『男山』
辛口で、米の旨みが強め。力強い風味ですが、お寿司や刺身といった純和食にピッタリのため、SAKE愛好家から根強い支持があります。
ほかにも『八海山』『菊水』『月桂冠』といった日本でもポピュラーな銘柄が、アメリカで人気を博しています。
【ヨーロッパ】
ヨーロッパといえばワイン文化。ワインと同じく日本酒も“食中酒”としての立ち位置が期待されています。西欧料理は油や香辛料をふんだんに使うため、それに合うまろやかな風味の日本酒や、酸味、甘みがしっかりと感じられる日本酒が好まれる傾向のようです。
北米と比べるとまだまだ日本酒のシェアはこれからといったところですが、毎年優れた日本酒を決める品評会が行われており、日本酒の存在感は増してきています。
・『澤姫 吟醸酒 真・地酒宣言』
2022年イギリスのロンドンで行われた世界最大のワイン品評会、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の「SAKE部門」において、最高賞である「チャンピオン・サケ」を受賞した日本酒です。爽やかでソフトな口当たり、バナナのような芳醇な甘い香りが特徴。
・『燦爛 純米大吟醸 夢ささら』
前述したフランスの日本酒コンテスト『Kura Master』で2022年に最高賞のプレジデント賞を受賞した日本酒です。ふくらみのある優しい味わい、洋梨のような吟醸香、ほどよい酸味が特徴となっています。
【アジア】
アジアの中でも日本酒の輸出量が多いのが、中国と韓国です。アメリカと同じく比較的早い段階で日本酒が定着しつつあった中国では高級志向が高まっており、自分で飲むのはもちろん、接待や贈答用として購入するケースが増えています。
いっぽう、韓国では屋台や居酒屋が多く、日常的にお酒を飲む習慣が根付いているため、リーズナブルなお酒が好まれる傾向です。実は韓国は、アメリカに次いで日本酒の輸出量第2位となっています。
・『梵』
醸造アルコール無添加の純米を使った、清涼でスッキリした味わいが特徴。欧米圏では「BORN」と表記され、品評会で数々の受賞歴を誇ります。中でも『梵・ゴールド』は2019年『SAKE-China(サケ・チャイナ)』日本清酒品評会において最高賞のゴールデンドラゴン賞を受賞しており、名実ともに日本酒の代表銘柄になっています。
・『白龍』
瑞々しくキレのある味わいが特徴の大吟醸、奥深くフルーティで食中酒としても飲みやすい吟醸酒など、さまざまなラインナップがあります。1994年に『モンドセレクション』で金賞を受賞して以来人気が高まり、特に台湾や香港、韓国で広く愛飲されています。縁起のよい「龍」の字が使われているところも人気の秘密だとか。
・『がんばれ父ちゃん』
日本では聞きなじみがないですが、韓国で日本酒といえばコレ!というほど高い知名度を誇るパック酒です。国内では蔵元のある新潟県内くらいでしか流通しておらず、ほとんどが韓国向けに出荷されています。一説によると、韓国で「日式居酒屋」がブームとなった際に、日本酒の輸入業者が安価でかつインパクトのあるパッケージを気に入り、積極的に輸入したことで、韓国で爆発的に広がったのだとか。大衆酒らしく、晩酌向けの少し甘めで飲みやすい味です。
海外にもある日本酒の醸造所
海外ファン増加の背景から、実は海外にも「SAKE」をつくる醸造所が増えています。2022年現在では、世界で60か所以上もの醸造所が設立されているとか。ここで、今注目の海外の醸造所をご紹介します。
・「Brooklyn Kura」(アメリカ)
元金融マンと科学者、という異色の経歴を持つアメリカ人2人が日本酒に魅せられ、2018年ニューヨーク市にオープン。カリフォルニアで育てた酒用の米・山田錦や、ブルックリンの水を使うなど、本格的なSAKE造りに挑んでいます。タップルームと呼ばれるバーも併設され、気軽に日本酒を楽しめる場となっています。
2021年末に『八海山』で知られる八海醸造と長期パートナーシップを締結。本場日本の酒造りのノウハウをもとに、今後はビールや蒸留酒、発酵食品なども手がけていくそうです。
・「WAKAZE」(フランス)
2016年に東京の三軒茶屋、2019年にフランスのパリに醸造所を置く、今注目の酒蔵。パリでは機械も現地調達、原料もすべてフランス産を使用するなど、フランス産に徹底してこだわっています。2020年の『Kura Master』で、海外醸造蔵で初となるプラチナ賞を受賞しました。
・「DOJIMA SAKE BREWERY」(イギリス)
大阪の堂島麦酒醸造所が設立した、ヨーロッパ初の酒蔵です。原料である米や麹、酵母は日本産のもので、仕込み用の水は氷河期の地層からくみ上げたものを軟水化して使用しています。美食家の多いヨーロッパの人に「SAKE」の本質と価値を知ってもらうべく、価格は1本約15万円と高めに設定されています。
食に華を添えるだけでなく、国を超えて人と人をつなぐ役目をも担う日本酒。日本酒ブームは今後ますます盛り上がりを見せること、間違いなしですね!
<参考サイト>
・海外で続く「日本酒」人気...輸出したくてもできない理由<WBS>(テレ東プラス)
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2022/025464.html
・地理的表示「日本酒」の指定について (国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/minaoshi/pdf/chiritekihyoji.pdf
・仏ソムリエら約100名が選ぶ日本酒コンクール「Kura Master 2019」受賞酒決まる!(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000035460.html
・【速報】第22回全米日本酒歓評会の受賞結果が発表!(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000020593.html
・海外の蔵で作った日本酒「SAKE」が世界中で大ブームを巻き起こしている理由(@DIME)
https://dime.jp/genre/1370672/
・イギリスで新たに生まれた酒蔵「堂島酒醸造所」の挑戦 ーSAKEの市場活性化に必要な戦略(SAKETIMES)
https://jp.sake-times.com/knowledge/international/sake_dojimasakebrewery_open
・海外で続く「日本酒」人気...輸出したくてもできない理由<WBS>(テレ東プラス)
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2022/025464.html
・地理的表示「日本酒」の指定について (国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/minaoshi/pdf/chiritekihyoji.pdf
・仏ソムリエら約100名が選ぶ日本酒コンクール「Kura Master 2019」受賞酒決まる!(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000035460.html
・【速報】第22回全米日本酒歓評会の受賞結果が発表!(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000020593.html
・海外の蔵で作った日本酒「SAKE」が世界中で大ブームを巻き起こしている理由(@DIME)
https://dime.jp/genre/1370672/
・イギリスで新たに生まれた酒蔵「堂島酒醸造所」の挑戦 ーSAKEの市場活性化に必要な戦略(SAKETIMES)
https://jp.sake-times.com/knowledge/international/sake_dojimasakebrewery_open
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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