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日本にある「エレベーターで上陸する島」とは?
知る人ぞ知る、「エレベーターで上陸する島」をご存じですか。エレベーターで上陸……だなんて、まるでSF世界のできごとのような話ですが、事実、そのような島は日本に存在します。
その島の名は、瀬戸内海に浮かぶ「岩黒島(いわくろじま)」。船のみ、あるいは飛行機のみと、上陸手段の乏しい離島は日本各地にありますが、エレベーターでしか上陸できないというのはほとんど聞いたことがありませんよね。
さてこの「岩黒島」とは、いったいどんな島なのでしょうか。
「岩黒島」という島の名は、閃緑岩(せんりょくがん)という黒っぽい岩が島の半分を占めていることが由来だそうです。島の北には、この閃緑岩がごろごろと落ちている黒っぽい砂浜、その名も「黒浜」があります。
主な産業は漁業。島民の多くが漁師で、島外からも釣り人がたくさん訪れます。そのため小さな島ながら民宿が3軒もあり、瀬戸内の豊かな海の幸を堪能できるということです。
島内には島の守護神である「田子神社」や、珍しい陶器製の狛犬がいる「大天狗神社」などの名所がありますが、中でもひときわ目立つのが、中学校の体育館に描かれた巨大な「クマゼミの壁画」。かつて島内にたくさん生息していたクマゼミを島のシンボルにしようと、島内の中学生らが中心となって描いたものです。瀬戸大橋からもよく見え、“クマゼミの島”を強く印象づけるものとなっています。
しかし、橋から車で入島できる道『岩黒島ランプウェイ』を使えるのは、島民のみ。一般観光客は、坂出駅または児島駅から路線バスで瀬戸大橋を進み「岩黒島」バス停に下車後、島へとつながるエレベーターを使う必要があります。上陸手段は、このエレベーターのみなのです。
エレベーターはガラス張りで、ガラス越しに見える美しい島と海の景色は抜群の眺め。島に降り立つと、島民専用道路のランプウェイを見上げることができます。ぐるぐると渦巻くコンクリートのらせん道路と豊かな自然、青い空の対比は、過去と未来の世界が融合したかのような圧巻の光景といえるでしょう。
島まで行くのに、船も飛行機も車も使えない。エレベーターでしか上陸手段がないが、ひとたび島に降り立てば、ほかにはない絶景が待っている――――……そんな物珍しさから、岩黒島は人気テレビ番組『ナニコレ珍百景』で取り上げられ(しっかり“珍百景”に登録)、全国的にその名が知られるようになりました。
馬島は、人気サイクリングスポット「しまなみ海道」に含まれる、来島海峡大橋の通り道にあります。面積は0.5平方キロメートルと岩黒島よりも広いですが、島民はわずか10名ほど(2022年)。島の名は、江戸時代に今治藩がこの島で馬の放牧をしていたことに由来しています。
島までは路線バスを利用して「馬島」バス停で下車するか、本数は少ないですが定期船の運行があります。一般観光客は特別な許可がない限り、自家用車で入島することはできません。
岩黒島と同じく橋脚の下に島があるため、エレベーターで降りて上陸します。サイクリスト憧れの地とも言われるだけあって、エレベーターは自転車も乗り入れ可能。ゆうゆう入れる大きさです。
降り立った先の景色は、まさに別世界。特に海岸から目の前に広がる来島海峡の潮流はすさまじく、その迫力から自然の雄大さを感じられるでしょう。
目立った観光名所はありませんが、近年、グランピングが楽しめる高級リゾートホテルが開業し、注目を集めています。観光客は増えつつあるものの、島民の居住エリアへの立ち入りは厳禁。また海域の潮流は非常に激しく危険なため、遊泳も禁止されています。
馬島に限りませんが、入島の際はしっかりとルールを確認しましょう。
その島の名は、瀬戸内海に浮かぶ「岩黒島(いわくろじま)」。船のみ、あるいは飛行機のみと、上陸手段の乏しい離島は日本各地にありますが、エレベーターでしか上陸できないというのはほとんど聞いたことがありませんよね。
さてこの「岩黒島」とは、いったいどんな島なのでしょうか。
瀬戸大橋の通り道に浮かぶ、漁業とクマゼミの島
岩黒島は、香川県の坂出港から北へ13kmに位置し、面積は0.17平方キロメートル。上野動物園ほどの大きさで、島民の人口も75名(2022年)という非常に小さな島です。「岩黒島」という島の名は、閃緑岩(せんりょくがん)という黒っぽい岩が島の半分を占めていることが由来だそうです。島の北には、この閃緑岩がごろごろと落ちている黒っぽい砂浜、その名も「黒浜」があります。
主な産業は漁業。島民の多くが漁師で、島外からも釣り人がたくさん訪れます。そのため小さな島ながら民宿が3軒もあり、瀬戸内の豊かな海の幸を堪能できるということです。
島内には島の守護神である「田子神社」や、珍しい陶器製の狛犬がいる「大天狗神社」などの名所がありますが、中でもひときわ目立つのが、中学校の体育館に描かれた巨大な「クマゼミの壁画」。かつて島内にたくさん生息していたクマゼミを島のシンボルにしようと、島内の中学生らが中心となって描いたものです。瀬戸大橋からもよく見え、“クマゼミの島”を強く印象づけるものとなっています。
「岩黒島」へのアクセス方法
さて肝心のアクセス方法ですが、島への定期船はなく、瀬戸大橋から入島するしかありません。島には瀬戸大橋の橋脚が立っており、直接車で入れるように感じられるでしょう。しかし、橋から車で入島できる道『岩黒島ランプウェイ』を使えるのは、島民のみ。一般観光客は、坂出駅または児島駅から路線バスで瀬戸大橋を進み「岩黒島」バス停に下車後、島へとつながるエレベーターを使う必要があります。上陸手段は、このエレベーターのみなのです。
エレベーターはガラス張りで、ガラス越しに見える美しい島と海の景色は抜群の眺め。島に降り立つと、島民専用道路のランプウェイを見上げることができます。ぐるぐると渦巻くコンクリートのらせん道路と豊かな自然、青い空の対比は、過去と未来の世界が融合したかのような圧巻の光景といえるでしょう。
島まで行くのに、船も飛行機も車も使えない。エレベーターでしか上陸手段がないが、ひとたび島に降り立てば、ほかにはない絶景が待っている――――……そんな物珍しさから、岩黒島は人気テレビ番組『ナニコレ珍百景』で取り上げられ(しっかり“珍百景”に登録)、全国的にその名が知られるようになりました。
エレベーターで上陸する島、実はもうひとつある!
実はエレベーターで上陸できる島は、岩黒島だけではありません。愛媛県今治市、岩黒島と同じく瀬戸内海に浮かぶ島「馬島(うましま)」です。馬島は、人気サイクリングスポット「しまなみ海道」に含まれる、来島海峡大橋の通り道にあります。面積は0.5平方キロメートルと岩黒島よりも広いですが、島民はわずか10名ほど(2022年)。島の名は、江戸時代に今治藩がこの島で馬の放牧をしていたことに由来しています。
島までは路線バスを利用して「馬島」バス停で下車するか、本数は少ないですが定期船の運行があります。一般観光客は特別な許可がない限り、自家用車で入島することはできません。
岩黒島と同じく橋脚の下に島があるため、エレベーターで降りて上陸します。サイクリスト憧れの地とも言われるだけあって、エレベーターは自転車も乗り入れ可能。ゆうゆう入れる大きさです。
降り立った先の景色は、まさに別世界。特に海岸から目の前に広がる来島海峡の潮流はすさまじく、その迫力から自然の雄大さを感じられるでしょう。
目立った観光名所はありませんが、近年、グランピングが楽しめる高級リゾートホテルが開業し、注目を集めています。観光客は増えつつあるものの、島民の居住エリアへの立ち入りは厳禁。また海域の潮流は非常に激しく危険なため、遊泳も禁止されています。
馬島に限りませんが、入島の際はしっかりとルールを確認しましょう。
非日常の体験だらけの別天地へ
いかがでしたか。いずれの島も、上陸する瞬間から非日常感あふれる秘境の地です。忙しい毎日に疲れたら、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。<参考サイト>
・エレベーターで行く島(岩黒島)(香川県HP)
https://www.pref.kagawa.lg.jp/chiiki/seto-island/detail/iwakurojima.html
・「クマゼミの島」よもう一度…岩黒島の中学校に巨大壁画が完成 香川・坂出市(KSBニュース)
https://news.ksb.co.jp/article/13848251
・「エレベーターで上陸する島」は、うねる渦潮を目の前で見ることができる激レアスポットだった!(ローカリティ)
https://thelocality.net/umashima-shimanamikaido/
・馬島(いよ観ネット)
https://www.iyokannet.jp/spot/3321
・エレベーターで行く島(岩黒島)(香川県HP)
https://www.pref.kagawa.lg.jp/chiiki/seto-island/detail/iwakurojima.html
・「クマゼミの島」よもう一度…岩黒島の中学校に巨大壁画が完成 香川・坂出市(KSBニュース)
https://news.ksb.co.jp/article/13848251
・「エレベーターで上陸する島」は、うねる渦潮を目の前で見ることができる激レアスポットだった!(ローカリティ)
https://thelocality.net/umashima-shimanamikaido/
・馬島(いよ観ネット)
https://www.iyokannet.jp/spot/3321
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