社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
冷房28度と暖房28度って何が違うの?
夏が近づいて暑さを感じて久々にエアコンをつけたら、全然涼しくならない…確認してみたら、冬に使った暖房の設定になっていたままだった、という経験をお持ちの方もいるでしょう。冷房であれ暖房であれ、エアコンで温度を設定したらその室温にしてくれるのでは?と思いたいですが、そういうわけではありませんよね。
たとえば、夏場で室内の気温が30度だった場合、冷房と暖房それぞれで28度設定したらどうなるのでしょうか? エアコンの仕組みとともに説明していきましょう。
このように、同じ28度設定で運転した場合でも冷房か暖房かによって運転しないことがあります。暖房に冷やす機能はないのと同じく、冷房にも暖める機能はないためです。その理由を説明するために、エアコンがどういった仕組みで動いているのかを理解しておきましょう。
冷房の場合、室内機にある熱交換器が室内の熱を集め、冷媒がその熱を室外機に送ります。その途中で室外機にあるコンプレッサーで圧縮され、冷媒はさらに高温になり、室外機の熱交換器で熱は外に排出されます。熱が放出された冷媒は、室外機にある膨張弁を通って圧力を下げることでさらに温度が下がります。低音になった冷媒がパイプを通って室内機に送られ、熱交換器を通して冷たい空気が室内に届けられる、という仕組みになっているのです。
暖房の場合には、これと逆の流れで冷媒が動きます。室外の熱を取り込んでコンプレッサーで圧縮して高温になり、室内に暖かい空気を供給するのです。室内に暖かさを供給して熱を失って冷やされた冷媒は膨張弁を通ってさらに冷やされ、外の熱を取り込んで、再び圧縮され高温になる…という、冷房とは逆の仕組みで動くことになります。
つまり、エアコン一台の中でも、冷房運転か暖房運転かではエアコン内部では全く真逆の仕組みになっていることが分かります。
エアコンは冷房と暖房で全く真逆の仕組みで動いていること、そのために冷房と暖房で同じ温度で設定しても同じような動きをしないことをご理解いただけたかと思います。暑い夏も、寒い冬もエアコンをうまく使って、部屋の中で快適に過ごせるようにしましょう。
たとえば、夏場で室内の気温が30度だった場合、冷房と暖房それぞれで28度設定したらどうなるのでしょうか? エアコンの仕組みとともに説明していきましょう。
冷房と暖房で28度設定した場合
室内が30度の時、冷房の28度設定で運転した場合、冷房は部屋の室温が28度になるように運転します。当たり前といえば、当たり前ですよね。しかし、室内が30度のときに暖房の28度設定で運転した場合、エアコンは運転をやめてしまうことがあります。暖房は部屋を冷やす機能はなく、暖める機能しかないので、これ以上暖める必要はないと判断して運転をやめてしまうのです。このように、同じ28度設定で運転した場合でも冷房か暖房かによって運転しないことがあります。暖房に冷やす機能はないのと同じく、冷房にも暖める機能はないためです。その理由を説明するために、エアコンがどういった仕組みで動いているのかを理解しておきましょう。
部屋を冷やす、暖めるエアコンの仕組み
エアコンの冷暖房は、熱を外に排出するのか、外から熱を取り込むかで室内の温度をコントロールしています。熱を運ぶ役割をしているのが、室内機と室外機をつなぐ2本のパイプを循環している「冷媒」です。この冷媒は常温では気体ですが、圧縮すると液体に変化します。物質は気体から液体になる時には熱を放出し、液体から気体になる時には周囲の熱を奪う性質があるため、冷媒はパイプの中を循環しながら、圧力をかけられたり下げられたりして、液体になったり気体になったりしながら熱を運んでいるのです。冷房の場合、室内機にある熱交換器が室内の熱を集め、冷媒がその熱を室外機に送ります。その途中で室外機にあるコンプレッサーで圧縮され、冷媒はさらに高温になり、室外機の熱交換器で熱は外に排出されます。熱が放出された冷媒は、室外機にある膨張弁を通って圧力を下げることでさらに温度が下がります。低音になった冷媒がパイプを通って室内機に送られ、熱交換器を通して冷たい空気が室内に届けられる、という仕組みになっているのです。
暖房の場合には、これと逆の流れで冷媒が動きます。室外の熱を取り込んでコンプレッサーで圧縮して高温になり、室内に暖かい空気を供給するのです。室内に暖かさを供給して熱を失って冷やされた冷媒は膨張弁を通ってさらに冷やされ、外の熱を取り込んで、再び圧縮され高温になる…という、冷房とは逆の仕組みで動くことになります。
つまり、エアコン一台の中でも、冷房運転か暖房運転かではエアコン内部では全く真逆の仕組みになっていることが分かります。
冷房と除湿はどう違うの?
エアコンには除湿機能がついている場合もありますが、除湿とは室内の温度ではなく、湿度を下げることを目的とした機能です。湿度が高いと私たちは暑く感じるため、湿度を下げることで体感温度も下げることができます。エアコンには除湿だけを行う機能もあれば、冷房と除湿を同時に行う弱冷房除湿機能など、さまざまなものがあります。冷房だけで室内を冷やすのではなく、湿度もコントロールすることでより快適に室内の温度を下げて快適に過ごすことができるので活用するのが良いでしょう。エアコンは冷房と暖房で全く真逆の仕組みで動いていること、そのために冷房と暖房で同じ温度で設定しても同じような動きをしないことをご理解いただけたかと思います。暑い夏も、寒い冬もエアコンをうまく使って、部屋の中で快適に過ごせるようにしましょう。
<参考サイト>
・冷房の25℃と暖房の25℃、なぜ同じ室温にならないのか - ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/201906/280315/
・冷房と暖房の温度が同じでも感じ方が違うのはなぜ? | 名古屋の業務用エアコン施工なら株式会社ミナミテクノ
https://plant.e-mtec.co.jp/archives/5712
・エアコンのしくみを知りたいです。:日立の家電品
https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/ra/q_a/a19.html
・冷房と暖房のしくみ|ビルソリューションジャーナル
https://www.meltec.co.jp/useful/technology/air.html
・エアコンの冷房と除湿の違いを解説!使い分け方法や電気代の差は? | 家電 | TagTagエコライフのすすめ|北ガスマイページTagTag
https://tagtag.hokkaido-gas.co.jp/portal/ecolife/appliance/5076
・冷房の25℃と暖房の25℃、なぜ同じ室温にならないのか - ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/201906/280315/
・冷房と暖房の温度が同じでも感じ方が違うのはなぜ? | 名古屋の業務用エアコン施工なら株式会社ミナミテクノ
https://plant.e-mtec.co.jp/archives/5712
・エアコンのしくみを知りたいです。:日立の家電品
https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/ra/q_a/a19.html
・冷房と暖房のしくみ|ビルソリューションジャーナル
https://www.meltec.co.jp/useful/technology/air.html
・エアコンの冷房と除湿の違いを解説!使い分け方法や電気代の差は? | 家電 | TagTagエコライフのすすめ|北ガスマイページTagTag
https://tagtag.hokkaido-gas.co.jp/portal/ecolife/appliance/5076
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
実は「コンテンツ世界収益ベストテン」に日本勢が5つも!
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(2)日本人が知らない世界エンタメ市場
「エンタテインメントビジネス」とは何か。例えば日本では、株式欄での業種区分に「エンタテインメント」はない。そもそも日本は、経済産業としてエンタテインメントを理解していない。あえて定義するなら「コンテンツによって...
収録日:2025/05/08
追加日:2025/10/21
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
サヘル地域をはじめとして、近年、世界各地で多発しているクーデター。その背景や、クーデターとはそもそもどのような政治行為なのかを掘り下げることで国際政治を捉え直す本シリーズ。まず、未来の“if”として台湾でのクーデタ...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/04
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
改革開放当時の中国には技術も資本もなく、工場を建てる土地があるだけだった。経済成長とともに市民が不動産を複数所有する時代となり、地価は高騰し続けた。だが、習近平政権による総量規制は不動産価格を低下させ、消費低迷...
収録日:2025/07/01
追加日:2025/10/16
学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く
編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?
今井むつみ先生が2024年秋に発刊された岩波新書『学力喪失――認知科学による回復への道筋』は、とても話題になった一冊です。今回、テンミニッツ・アカデミーでは、本書の内容について著者の今井先生にわかりやすくお話しいただ...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/16