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DATE/ 2023.09.04

自動ドアが反応しない理由とは

 自動ドアのはずが手前に立っても開いてくれない、そんな経験をしたことはありませんか。また。逆に、人がいないのに突然開くなど、自動ドアについてのエピソードを耳にすることは少なくありません。今回は、影が薄くて存在感がないと開かない、など都市伝説化している自動ドアの不思議についてせまってみましょう。

自動ドアの仕組み

 多くの自動ドアは、センサーによって起動します。自動ドアが認識しない原因は、センサー感度による誤動作ということができそうです。だいたい、ドアの上部にセンサーが取り付けられていて、下を通過する人に反応して扉が自動的に開く仕組みです。

 センサーの種類もいくつかあり、温度で反応する熱線式や、光の反射によって反応する光線式などがよく使われているようです。

 熱センサー式の自動ドアは、人の体温と周囲の温度を比較して反応して作動する仕組みです。環境による温度変化に左右されやすく、体温の判別に差し障り、反応が鈍くなることもあるようです。

 現在主流となっているのが光線式センサーです。光の反射を検知して作動します。判別する要因が光の反射なので、気温や天候に左右されにくく、様々な場所での設置が可能です。難点としては、着衣の色や素材で光を反射しにくいものの場合、反応が鈍くなるケースもあるようです。

 かつて、体重が軽い人や子どもによっては、自動ドアが開かない、踏み込みや体重で判別する仕組みのセンサーもありました。自動ドアの前にマットがあり、そのマットの下にセンサースイッチ組み込まれているタイプですね。このタイプは、物理的な故障も多く、誤作動やセンサー反応の問題から、今では光線式が主流になっています。

光線式 自動ドアに認識してもらうコツ

 ドアの前に立っても開かないということがないよう、センサーのタイプ毎、誤動作を避けて認識してもらうコツがありますが、主流である光線式センサーでの誤動作をさけるにはどうしたらよいでしょう?

 光線式センサーの認識判定は光の反射の多さを計測します。着衣によって光を反射させるもの、また光をカットするものもあります。黒色の服や光を吸収するような素材の服だと、センサーに認識されにくくなります。光が反射しやすいものを身に着けることで認識しやすくできるのですが、黒色の服や光を吸収するような素材の服の場合は、センサーの位置を確認して、光の反射を意識して動いてみるとよいでしょう。

自動ドアのトラブルを避けるために

 自動で開くはずのドアが開かないとぶつかってケガをすることがあります。そんなトラブルを避けるためには、センサー感知の問題を意識した動きが求められます。

・センサーが検知しやすいよう、斜めに入らず、真ん中から入る
・ながらスマホで自動ドアを通行しない
・駆け込みを避け、ドアが開くのを確認する

 センサー認識と行動タイプによって起こりやすい自動ドアの事故を防ぐためスイッチ式の自動ドアに置き換えることもあるようですが、開くことを自明とせず、確認して通過することを心がけましょう。
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