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DATE/ 2023.09.07

車のカーテン、違法になるって本当?

 夏の行楽シーズン、アウトドアに帰省などクルマを活用する機会が増えます。年々厳しくなる日差しの対策として、また、遮光だけでなくキャンプ場や高速道路のパーキングエリアやサービスエリアで車中休憩する場合など、プライバシー保護のためにも、クルマにカーテンを付けている方も少なくないのではないでしょうか。そんなクルマにカーテンを使用するためにはいくつか覚えていた方がよいことがあります。

車カーテン、違法性は?

 当然ではありますが、オートキャンプ場や駐車場などで、遮光やプライバシー保護のために車中カーテンを使用することについて違法性はありません。

 注意したいのは、走行するときの状態です。

 道路交通法第55条(乗車又は積載の方法)2項では、

 「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、(中略)、又は積載をして車両を運転してはならない。」と定められています。

 あまりないと思いますが、不注意でカーテンをしたままの走行は、ドライバーの運転阻害とみなされ、違法となり違反の対象、罰金の対象となります。運転席や助手席のサイドは、カーテンが広がらない対策をすれば問題ないです。運転席の正面ウインドは、何か物を貼ることは禁止されており違法となるので注意しましょう。運転席の正面遮光は、取り付け方法の問題もありますが、カーテンではなく一般的なサンシェードを使用したほうがよいでしょう。

 ちなみに、遮光効果などで使われる偏光・遮光フィルムがありますが、透過率の状態によっては違反となるので注意しましょう。

 道路運送車両の保安基準を定めた告示第39条3項の7号では、

 「装着され、貼り付けられ、又は塗装された状態において、透明であるもの。この場合において、運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分にあっては可視光線透過率が70%以上であることが確保できるもの」

 と定められています。

車カーテン、罰金は?

 運転席や助手席のサイドにカーテンをしたままで走行した場合の違反名は、乗車積載法違反となります。罰金は、大型車・中型車は7000円、軽・普通車の罰金は6000円です。違反による減点は1点です。

 カーテンを設置している場合は、ちょっとした不注意で、違反・罰金・減点となりかねないので、走行中カーテンがひろがり運転者の視野をふさがないよう注意しましょう。

 ちなみに運転席の正面やサイドウィンドウに装着された遮光フィルムの透過率が70%未満であった場合、整備不良となり、罰金は、大型車・中型車は9000円、軽・普通車は7000円となり、減点は1点です。

 ちなみに、車検を通す場合、運転席や助手席のサイドにつけられたカーテン自体は、きちんと縛ってあれば車検通過に問題はありません。

<参考サイト>
・国土交通省:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示
https://www.mlit.go.jp/common/001056351.pdf
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