テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2015.12.09

あなたの会社は大丈夫?「ブラック企業」かどうかを見分ける6つのチェックポイント

 ニュースで毎日のように目にし、すっかり市民権を得た単語「ブラック企業」。残業代が出ない、労働時間が長い、有給が取れない、ノルマが厳しい、セクハラやパワハラがあるなど、人によって「ブラック企業」に対する印象は様々だと思うが、まずはその定義から見てみよう。

 2012年からブラック企業の頂点を選出し「表彰」しているブラック企業大賞では、以下の2項目でブラック企業を定義している。

 ① 労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業

 ② パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)

 また、ブラック企業を見極める指標として具体的には、長時間労働、セクハラ・パワハラ、いじめ、長時間過密労働、低賃金、コンプライアンス違反、育休・産休などの制度の不備、労組への敵対度、派遣差別、派遣依存度、残業代未払い(求人票でウソ)なども例示している。

 ②の条件に当てはまる会社は疑いようもなくブラックだが、①の条件について、自分が勤務している会社が100%労働法を順守していると自信を持って言える人はどれだけいるだろうか?例えば、労働時間は8時間を超えているのにちゃんと1時間休むことができない、パート社員に有給休暇を与えていない、残業の上限が設定されておりそれを超えて働いても残業代が支払われないなど。こうしたケースに当てはまる場合、労働法に抵触していることになる。

 2013年に厚生労働省が発表したレポート「若者の『使い捨て』が疑われる企業等への重点監督の実施状況」によると、重点監督を実施した5111事業場のうちなんと82%となる4189事業場に何らかの労働基準関係法令違反があったという。無作為に選んだ企業ではなくあくまでも「若者の『使い捨て』が疑われる企業等」が対象ではあるが、それにしても80%超とは衝撃的な数字だ。

 パワハラ、セクハラが横行し、ノルマを達成できなければ自腹で商品買い取り、サービス残業が当たり前のように行われている…そんな明白にブラックな企業と同列にしては失礼かもしれないが、ごく普通に思える身近な会社が実はブラック企業予備軍かもしれない。自分の身を守るために、まずは自分の会社が労働法を守っているかどうか、チェックしてみよう。

 そうは言っても労働法を完璧に読み込むのは大変なので、ここでは、つい会社がやりがちな労働法違反6項目に絞ってみた。

(1)就業規則は定められているか?また、労働者がいつでも見られる場所に置いてあるか?

(2)会社は労働者の労働時間をタイムカード等で適正に把握しているか?

(3)労働時間が8時間を超える場合、休憩時間は1時間取れているか?

(4)残業代の上限が設定されていないか?

(5)日々の労働時間の端数(5分単位、15分単位など)を切り捨てていないか?

(6)アルバイトやパートにも有給休暇があるか?労働者から有給休暇の取得請求があった際に拒否をしていないか?

 ケースにもよるので上記の6項目に該当したら即労働法違反とは言い切れないが、当てはまるようなら違反を疑ってみても良いだろう。さて、あなたの会社は大丈夫?

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」

歴史における「運」とはどういうものだろうか。例えば、富裕と貧困という問題について、「運」で決まるのか、あるいは「運」とは異なる努力、教養、道徳などの要素で決まるのかという点でも、思想家たちの考え方は分かれる。第1...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/18
山内昌之
東京大学名誉教授
2

多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を

多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を

民主主義の本質(4)日本の民主主義をいかに強化するか

民主主義の発展において、キリスト教のような一神教的な宗教の営みがその礎にあった。では、そうした宗教的背景をもたない日本で、民主主義を育てるにはどうしたらいいのか。人数が多ければ正しいというのは「ポピュリズム」の...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/16
橋爪大三郎
社会学者
3

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力

グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性と...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
4

ロシアによるウクライナ侵略で国際政治はどう変わったのか

ロシアによるウクライナ侵略で国際政治はどう変わったのか

ウクライナ侵略で一変した国際政治(1)歴史的経緯とNATOの存在

ロシアによるウクライナ侵略によって、国際政治は一変したといわれる。だが、具体的には何がどう変化したのか。この問題について大事なのは、両国のみならずヨーロッパとロシア、さらにアメリカも含めた各国の関係、その歴史的...
収録日:2022/05/10
追加日:2022/05/27
小原雅博
東京大学名誉教授
5

なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る

なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る

チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由

「心理的安全性」は近年もっとも注目されるビジネスバズワードの一つともいわれている。その背景には、コロナ禍におけるリモートワークの増大、社会全体が未来予測の難しい「VUCAの時代」に入ったことがある。職場環境が多様に...
収録日:2022/04/26
追加日:2022/07/23
青島未佳
一般社団法人チーム力開発研究所 理事