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DATE/ 2018.04.18

平均年収データからだけではわからない40代の年収事情

 国税庁の「民間給与実態等計調査」(平成28年度)によると、40代前半(40歳~44歳)の年間平均給与は460万円、40代後半(45歳~49歳)は494万円となっています。全世代男女合計の平均年収422万円から少し伸びて一息つけるのが40代というところなのでしょうか。

収入面の男女格差は国辱もの?ウーマノミクスはどうなっている?

 男女の内訳をみると、40代前半男性は563万円、女性は302万円と倍近く差がついています。40代後半になると男性633万円、女性299万円とさらに差は開いていく傾向になります。

 日本における男女の賃金格差はOECD諸国の中で、韓国についで2番目に大きく、その是正については、すでに2012年の段階で「日本再生のための政策」とうたったOECDの提言にも盛り込まれています。

 安倍首相が「一億総活躍」を本気で取り組むつもりならば、その要となるのは女性の活躍にほかならない。ぜひ「すべての女性が輝く社会づくり」実現に貢献してもらいたいものです。

40代で年収1000万は夢じゃない!?

 ホワイトカラーの転職希望者が集う転職サイトDODAの調査結果(2016年9月~2017年8月)をみると、平均だけではない様子もうかがえます。

≪40歳代の年収分布≫
 300万円未満:10.1%
 300万円~400万円:18.0%
 400万円~500万円:22.2%
 500万円~600万円:16.4%
 600万円~700万円:12.6%
 700万円~800万円: 8.3%
 800万円~900万円:5.5%
 900万円~1000万円: 3.3%
 1000万円以上: 5.6%

 1000万円プレイヤーが1割いれば、平均年収は100万円上がる計算なので、実感値は平均値より低い数字なります。また、分布については400万円~500万円がボリュームゾーンになっています。

 また、同じような職種なら、転職で一発逆転をねらいたくなるのも無理はないでしょう。

ずらり1000万円超の高年収企業

 高年収といえば、「40歳年収が高い」500社ランキングを毎年Web上で公開しているのは、東洋経済オンライン。

 トップ35位までには、平均年収が1000万円を超える企業がずらりと並ぶ。

 1位M&Aキャピタルパートナーズは2271万円、2位GCAは2247万円、3位キーエンスは2023万円(いずれも40歳推計年収)と、平均値を上げている会社の顔が見えてきます。

 ただし、収入目当ての転職希望者には、同じ東洋経済が母体となる「就職四季報」とのあわせ読みを、老婆心からオススメいたします。
※2018年4月更新

<参考サイト>
・国税庁:平成28年分 民間給与実態統計調査
http://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2016/pdf/000.pdf
・DODA:平均年収ランキング2017
https://doda.jp/guide/heikin/age/
・東洋経済ONLINE:40歳年収「全国トップ500社」ランキング
https://toyokeizai.net/articles/-/194676
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