社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
市場規模は2兆円超!空前の猫ブームが招いた「ネコノミクス」
一般社団法人ペットフード協会の犬と猫の全国の推計飼育数調査によると、2014年の調査では、犬は1,035万匹、猫は996万匹。同じ2014年で見ると、15歳未満の子どもの数が1,632万人(総務省統計局)なので、一概に比較はできないが、犬と猫を合わせた飼育頭数のほうが子どもの数を上回っていることになる。
ペットを飼ったきっかけは「生活に癒し・安らぎが欲しかったから」が犬では33.1%、猫では33.5%と約1/3の人がペットに「癒し」を求めているようだ。犬と猫で比べてみると、過去5年で犬は12.8%減少する一方、猫は3.6%増えており、このままいけば猫の飼育頭数が犬を上回ることになるだろう。
それゆえか、今は空前の猫ブーム。関西大学の宮本勝浩名誉教授は、猫ブームがもたらした経済効果「ネコノミクス」は2015年1年間で年間およそ2兆3162億円に上るとする試算が発表している。
2月22日は「ニャンニャン」で猫の日とされており、全国各地で猫に関するイベントが開かれた。2011年から「飼い主のいない猫の殺処分ゼロ」を4年連続で実現した東京都千代田区では、2月20日、21日に「ちよだ猫まつり」が開かれ、猫グッズを販売したり、保護猫の飼い主を探すコーナーが設けられ、2日間の来場者は1万5000人と大盛況だった。
ブームの勢いはメディアの世界でも顕著で、猫の写真とその写真のキャッチコピー、さらには人生の役に立つ偉人の格言などをまとめた文響社刊行の『人生はニャンとかなる 明日に幸福をまねく68の方法』(水野敬也・長沼直樹著、2013年10月)は49万部を売り上げる大ベストセラーとなった。
またNHKのBSプレミアムの番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』は動物写真家の岩合光昭氏が世界の街角にいる猫を猫の目線で切り取って撮影するドキュメンタリー番組で、2013年からはレギュラー放送されている。
猫に限らず、ペットを飼いたいと考えている人には、そういった保護された動物を選ぶ、命を救うという手段も選択肢にぜひ入れて欲しい。そして迎え入れた動物は、そのペットが生涯を終えるまで責任を持って愛情をかけ、慈しみながら、ペットとの生活を楽しんでいただきたいものだ。
ペットを飼ったきっかけは「生活に癒し・安らぎが欲しかったから」が犬では33.1%、猫では33.5%と約1/3の人がペットに「癒し」を求めているようだ。犬と猫で比べてみると、過去5年で犬は12.8%減少する一方、猫は3.6%増えており、このままいけば猫の飼育頭数が犬を上回ることになるだろう。
今や空前の猫ブーム。
猫が人気の理由は、まず飼いやすさがひとつある。犬は散歩の必要があるため単身者には飼いにくく、またしつけの手間などもかかるため、家族で飼う場合も協力が必要になるだろう。それに比べて猫は散歩の必要がないため、単身者や高齢者でも飼いやすいのだ。それゆえか、今は空前の猫ブーム。関西大学の宮本勝浩名誉教授は、猫ブームがもたらした経済効果「ネコノミクス」は2015年1年間で年間およそ2兆3162億円に上るとする試算が発表している。
2月22日は「ニャンニャン」で猫の日とされており、全国各地で猫に関するイベントが開かれた。2011年から「飼い主のいない猫の殺処分ゼロ」を4年連続で実現した東京都千代田区では、2月20日、21日に「ちよだ猫まつり」が開かれ、猫グッズを販売したり、保護猫の飼い主を探すコーナーが設けられ、2日間の来場者は1万5000人と大盛況だった。
ブームの勢いはメディアの世界でも顕著で、猫の写真とその写真のキャッチコピー、さらには人生の役に立つ偉人の格言などをまとめた文響社刊行の『人生はニャンとかなる 明日に幸福をまねく68の方法』(水野敬也・長沼直樹著、2013年10月)は49万部を売り上げる大ベストセラーとなった。
またNHKのBSプレミアムの番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』は動物写真家の岩合光昭氏が世界の街角にいる猫を猫の目線で切り取って撮影するドキュメンタリー番組で、2013年からはレギュラー放送されている。
責任を持って愛情をかけ、ペットとの生活を楽しむ
猫ブームもネコノミクスもいいだろう。だが、忘れてはいけないことがある。猫も犬も当然ながら動物であり、生き物。ペットとして飼いやすいとはいえ、「癒し」「かわいさ」だけではすまされない。食事を与え、健康を管理し、病気になれば病院へ連れて行かなければいけない。生涯を全うするまで寄り添う覚悟が必要なのだ。その場の感情で安易にペットショップなどで買うのはやめるべきだろう。ブームの裏では97,922匹もの猫が施設へ持ち込まれ、79,745匹もの数の猫が殺処分されている。そのうち飼い主からの持ち込みが12,197匹もいるという悲惨な現実もあるのだ (環境省・平成26年度の統計)。猫に限らず、ペットを飼いたいと考えている人には、そういった保護された動物を選ぶ、命を救うという手段も選択肢にぜひ入れて欲しい。そして迎え入れた動物は、そのペットが生涯を終えるまで責任を持って愛情をかけ、慈しみながら、ペットとの生活を楽しんでいただきたいものだ。
<参考サイト>
・環境省:「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
・関西大学:「ネコノミクスの経済効果」
http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/pressrelease/2015/No44.pdf
・総務省:我が国のこどもの数(平成27年)
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi891.htm#aI-1
・平成26年 全国犬猫飼育実態調査 http://www.petfood.or.jp/data/chart2014/
・環境省:「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
・関西大学:「ネコノミクスの経済効果」
http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/pressrelease/2015/No44.pdf
・総務省:我が国のこどもの数(平成27年)
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi891.htm#aI-1
・平成26年 全国犬猫飼育実態調査 http://www.petfood.or.jp/data/chart2014/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた主な要因として、二つのオウンゴールを挙げる島田氏。その一つとして台湾のモリス・チャン氏によるTSMC立ち上げの話を取り上げるが、日本はその動きに興味を示さず、かつて世界を席巻して...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/25
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/14
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
全ては光だと説く空海が、なぜその著書『秘蔵宝鑰』で、「死に死に死に死んで死の終りに冥(くら)し」と書いたのか。『秘蔵宝鑰』については、以前のテンミニッツ・アカデミー講義でも解説したが、そこから半年かけてこの書を...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/26
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02


