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DATE/ 2016.03.14

利回り8.3%!マイナス金利で注目される百貨店「友の会」

 1月下旬、「マイナス金利」導入が日銀政策決定会合より発表されました。日本では初の事態とあって、そもそもマイナス金利って何? という方も多いと思います。今回は身近なことに的を絞り、マイナス金利が家計にどう影響するのかを見ていきましょう。

預金は目減りする?

 金利がマイナスになるとは、今のお金の価値より将来のお金の価値が下がること。ですから今回の決定は、事業を経営されている方に対して「今は借りてでも設備投資や事業拡大に務める時期ですよ」と、景気回復に向けて国が背中を押しているということになります。

 今回導入されたマイナス金利は、日銀と民間銀行との間の話。黒田総裁も「一般の人が普通の銀行に預金した場合にはマイナス金利が適用されることはない」と明言しています。

 しかし、マイナスになる分を銀行が放置するはずがありません。その分を手数料で回収しようと、手数料値上げを決める銀行も早速出はじめています。銀行は金利より手数料で選ぶ時代がやってきたと言えるでしょう。

住宅ローンは借り換えた方がいい?

 住宅ローンの金利低下は、うれしいニュースです。新たにローンを組む人にとっては、月々の返済額が従来より抑えられるというメリットが。ただし、そのために予定以上の高額物件に手を出してしまい、返済に困ることがないよう注意する必要があります。

 ローン返済中の人にとっても、より低い金利の商品に借り換えるチャンス到来。たとえば日本国債の長期金利を指標にする「フラット35」では、2月の最低金利は1.48%を記録しました。3月にはさらに下がると予想されています。

 ただし、借り換えにはローン事務手数料、保証料、登記手数料などの諸費用が必要になります。十分にシュミレートして判断するのが得策です。

 一般に、借り換えメリットが活かせるのは「残りの債務が1000万円以上」「残りの返済期間が10年以上」「借り換え先の金利と今の金利の差が1%以上」ある人と言われます。
 無料スマートフォンアプリを活用して、借り換えメリットを比較してみましょう。

保険金利はどうなる?

 現在払い込んでいる最中の保険について、満期返戻金などが下がることはありません。これから発売される積立型などの商品に関しては、注意が必要です。貯蓄型保険のヒット商品である一時払い終身保険については、複数の生命保険会社が販売停止を検討しています。

タンス預金より注目される「友の会」

 「銀行に預けてもメリットがないのなら、タンス預金の方が良いのでは」と思われる方も多いでしょう。しかし、自宅に現金を置くだけでは決して増えるあてはありません。

 今、人気を集めているのは、毎月の積み立てで「ボーナス分」の買い物券をもらえる、百貨店の「友の会」です。たとえば1口1万円を1年間積み立てると、ボーナス分1万円を加えた計13万円分の買い物券がもらえます。

 銀行利息に見立てると、利回り8.3%にものぼるお得なサービスのうえ、グループ内ホテルやレストランでの割引優待など、プラスアルファのメリットもあります。

 ただし、満期まで積み立てないとボーナスはつきません。満期時に受け取るのもあくまで、その百貨店でしか利用できない商品券ですので、お中元やお歳暮、セールなど、毎年一定のお買物がある方の利用が望ましいと思われます。

 なぜ今マイナス金利なのか、マイナス金利を導入したことで、今後の日本経済の見通しはどうなっていくのかについては、10MTVレギュラー講師の講話をご視聴ください。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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