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DATE/ 2016.03.27

テレビ局別・役職別の「年収」を徹底調査!

「テレビ業界は年収が高い」

 一般的な常識ですが、厳密には大手テレビ局の社員に言えること。制作会社などでテレビの現場を支える側はその恩恵に預かっていないことが、大きな格差問題ととらえられていますね。

 一口に言うと「電波法」という法律のもと、CMの1コマを企業が買うのに高額の出稿料を取れるのが、テレビ局のもうかるカラクリです。出稿料は視聴率と連動するので、局の人たちがヤキモキする理由もわかります。

テレビ離れはどこ吹く風。1500万円超の平均年収って?

 では早速、大手テレビ局の数字を見ていきましょう。年収ラボの調べでは、平成26-27年度の数字は、以下の通り。

1位 朝日放送       1518万円
2位 TBSホールディングス 1509万円
3位 日本テレビHD     1469万円
4位 フジ・メディア・HD  1447万円
5位 テレビ朝日HD     1433万円
6位 テレビ東京HD     1330万円
7位 毎日放送       1326万円
 テレビよりインターネットがメディアの主流になる時代と言っても、テレビで社名・製品名を連呼する効果はまだまだ企業に認められているようです。

NHKの年収事情はどうなっているのか

 一方、受信料が屋台骨であるNHK(日本放送協会)はどうなのでしょうか。NHK ONLINEでは、「よくある質問集」の中で「大卒モデル年収では、30歳で547万円、35歳で685万円(27年度)」と答えています。

 しかし、協会全体の人件費を職員数で単純に割った額は1160万2859円。平均年齢41.1歳・平均勤続年17.8年という一般職員の像に重なるようです。

 年収設定の理由は、「公共放送の使命達成のために必要な人材を確保するうえでの競争力を考慮する」と、さすがにお硬い言いまわしですが、要は良い人材を民放に独占されては困るということ。「よくある質問」への答えは、事務職などの一般職を含めた数字と解釈できます。

管理職からトップへ NHKの年収階段

 NHKの管理職は、年俸制に切り替わります。課長クラスで954.4万円、部長クラスで1230.4万円、局長クラスが1491万円というのがONLINEの答え。案外高くないと感じるかもしれませんが、住宅補助や単身赴任などの各種手当が上積みされます。

 最後に、暴言・珍言で巷を賑わせてくれる会長など、トップ幹部の年収状況は、どうなっているのでしょうか。

 理事  :2206万円
 専務理事:2306万円
 副会長 :2690万円
 会長  :3092万円

 退職金の額は、「会長の在任月数に、退任時の報酬月額の100分の28に相当する額を乗じて得た額」ということも、お忘れなく(試算では3月現在1875万円、毎月73万円ずつアップ)。「公共放送の使命達成」のために必要な額なのかどうか、視聴者の意見を集めたいところですね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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