社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
彼氏も友だちもできない…三重苦から学んだ幸せの意味
軽井沢の山の中にISAKという全寮制の高校があるのを知っていますか?世界からおよそ100~150名ほどの生徒が集まるインターナショナルスクールで、2年前の2014年に開校した新しい学校です。その代表理事を務めるのが、小林りんという若き女性リーダーなのです。
彼女はなぜこのような学校をつくったのでしょう。そこには学生時代、単身で海外留学したときのつらい体験と、そこで強烈に実感した「幸福」への想いがありました。
でも、りんさん、英語がまったくできませんでした。そのため、授業はもちろん、友だちとの会話の輪にも入っていけず、彼氏をつくるなんてどんでもないという、まさに三重苦の生活が3カ月ほど続いたそうです。
でも、幸いなことに、同じ三重苦の生活を送っている子と知り合うことができたりんさん。その子はメキシコ人の女の子で、たまたま部屋が隣だったことで仲良くなります。ある日、その子からメキシコシティの実家に遊びに来るよう誘いを受けます。その時の体験が、小林氏の学校づくりの原体験となりました。
「私はなんて恵まれているの。今までいろいろとラッキーが続いてきたけど、それは自分のために授かったものではなく、何かをするために頂いた幸運なんだ」
そう感じたりんさん、その後、大学や大学院で開発経済や国際教育政策などを学びます。そして、国連児童基金(UNICEF)のプログラムオフィサーなどを歴任したあと、2014年、ISAKの代表理事に就任しました。
りんさんの挑戦はまさに始まったばかりです。これから世界の子どもたちにどんな「幸福」をプレゼントしてくれるのか、見守っていきたいですね。
彼女はなぜこのような学校をつくったのでしょう。そこには学生時代、単身で海外留学したときのつらい体験と、そこで強烈に実感した「幸福」への想いがありました。
3カ月続いた三重苦の生活
りんさんは高校1年生まで日本の公立学校に通っていたのですが、進学校だったため、受験勉強というプレッシャーがあったそうです。そこに疑問を覚えたりんさんは、高1の時に中退し、2年間留学できる奨学金制度を使ってカナダの全寮制高校に留学します。でも、りんさん、英語がまったくできませんでした。そのため、授業はもちろん、友だちとの会話の輪にも入っていけず、彼氏をつくるなんてどんでもないという、まさに三重苦の生活が3カ月ほど続いたそうです。
でも、幸いなことに、同じ三重苦の生活を送っている子と知り合うことができたりんさん。その子はメキシコ人の女の子で、たまたま部屋が隣だったことで仲良くなります。ある日、その子からメキシコシティの実家に遊びに来るよう誘いを受けます。その時の体験が、小林氏の学校づくりの原体験となりました。
世界には大きな格差があることを痛感
その子の実家は、ブロック塀を積み上げてつくった小さな会議室程度のものでした。しかもその子のお兄さんたちは、お金がなくて学校に行けませんでした。その後、近くのスラムにも連れて行ってもらったそうですが、そこには学校にも行かず走り回る子どもたちや、仕事もなくうつろな目をした大人たちがいました。そうした現実を目の当たりにしたりんさん、世界には大きな格差があることを痛感したそうです。「私はなんて恵まれているの。今までいろいろとラッキーが続いてきたけど、それは自分のために授かったものではなく、何かをするために頂いた幸運なんだ」
そう感じたりんさん、その後、大学や大学院で開発経済や国際教育政策などを学びます。そして、国連児童基金(UNICEF)のプログラムオフィサーなどを歴任したあと、2014年、ISAKの代表理事に就任しました。
りんさんの挑戦はまさに始まったばかりです。これから世界の子どもたちにどんな「幸福」をプレゼントしてくれるのか、見守っていきたいですね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運
運と歴史~人は運で決まるか(2)運に恵まれるにはどうすればいいか
普通の人間の「運」については、どう考えればいいのだろうか。例えば、日本において消費文化が花開いた江戸時代、11代将軍・徳川家斉の治世には、庶民が「運がめぐってこない」ことを皮肉った狂詩があった。運には「めぐりあわ...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/25
陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景
グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感
中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助
編集部ラジオ2024:4月24日(水)
ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。
そんなアルトマンが...
そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう
民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために
ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景
ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か
ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31