テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.04.10

女性に広がる「落語」ブーム!今聞くべきオススメの落語家4人

 ここ数年、ジワジワと落語の人気が高まっています。最近では『落語心中』という落語を題材にした漫画が評判になったり、ジャニーズのタレントが落語家を演じるドラマが放送されたり。また、お手頃な値段で落語が聴けるカフェなども登場し、女性の間でも「落語が好き」「一度聴きに行きたい」という声をよく聞くようになりました。

 でも、落語といったら笑点に出ている噺家さんしか知らないという方も多いはず。今回は初めての落語でも思いきり楽しませてくれる、落語デビューにうってつけの、女性に人気の噺家さんたちをご紹介します。

力の抜け感がたまらない、若手ナンバーワン 春風亭一之輔

 まだ30代後半、若くしてその頭角をあらわし、若手の噺家さんの中でも多くのファンがいる実力派です。ほどよいユルさと肩の力の抜けた軽やかな語り口ので、聴いている方も自然体にしてくれるような不思議な魅力を持っている一之輔さん。ときどき出る自虐的なギャグセンスも抜群で、どこか現代的なのも人気の秘訣。落語を聞き慣れてない人も、リラックスして楽しめること間違いなしです。小さいお子さんが2人いるそうで、「初天神」など子どもが出てくる演目が特におもしろいと評判です。

爆笑御免。落語界のアイドルはこの人 柳家喬太郎

 「キョンキョン」という愛称で呼ばれる、大人気の噺家さん。真ん丸の目とお腹に、よく響く大きな声。全身を使って、お客さんを夢中にさせ大爆笑の渦に巻き込むエンターテイナー。「時そば」など、食べたり飲んだりを表現する演目では、見ている人のお腹が鳴ってしまうほどの巧みの技を持っています。味わい深い古典落語だけでなく、「新作落語」と呼ばれるオリジナルの創作落語も得意とし、ナンセンスでちょっとエッチな噺などもイヤミなく聴かせます。とにかく大笑いしたいなら、喬太郎師匠が一番のオススメです。

笑って泣ける。「聴かせる落語」を堪能 立川談春

 あの立川談志師匠との師弟愛を描いた自著『赤めだか』がドラマ化され、談春さんの役を嵐の二宮くんが演じています。ドラマ『下町ロケット』にも出演、テレビでも大活躍。とはいえ落語も、チケットを手に入れるのが一番難しいと言われるほどの人気で、その古典落語は「聴かせる落語」。鯔背で勢いのある噺も巧いのですが、聴く人をストーリーに引き込み、感情移入させる芸は極上。花魁と職人の一途な恋を描く「紺屋高尾」など、しっとり聴かせる人情物では涙を流す人も。落語は笑いだけではないということを、教えてくれます。

うまいなぁ…とシミジミ、落語の王道 柳家三三

 見た目も語り口も端正な、正統派の落語家といったら三三さん。滑らかな話しぶりで、落語が流れるように聴く人の耳に気持ちよく入ってきます。ちょっと辛口でシニカルなところも魅力。落語らしい落語、その技と伝統を体感したいなら、まずこの人がオススメ。「笑わせてやろう」と気負ったところがまるでないのに、おもしろいのは巧さの証。その喋りのスマートさが光る怪談物などは、息を飲んで聴き入ってしまいます。古典落語のおもしろさを、この人の落語で再確認したというお客さんも多く、本格派として注目されています。

 いかがでしたか?

 落語は、同じ演目でも演じる人によってまるで違う物語に聞こえるもの。そのおもしろさは、噺家次第とも言えます。歌舞伎や能といった他の伝統芸能よりも、「笑う」ことが目的の落語は敷居が低く、チケット代がお手頃なのも魅力。気軽に楽しめる新しい趣味として、落語デビューをしてみてはいかがでしょうか。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌

契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌

「集権と分権」から考える日本の核心(2)非常時対応の中央集権と東アジア情勢

律令国家は中国の先進性に倣おうと始まったといわれるが、実際はどうだろうか。当時の日本は白村江の戦いの後、唐と新羅が日本に攻め込むのではないかという危機感から「防人」という徴兵制をつくった。徴兵には戸籍を充実させ...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/25
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
2

「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機

「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機

「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機

混迷を極める現代社会にあって、「学び」の意義はどこにあるのだろうか。次世代にどのような望みをわれわれが与えることができるのか。社会全体の運営を、いかに正しい知識と方針で進めていけるのか。一人ひとりの人生において...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/08/13
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授
3

カーボンニュートラル達成へ、エネルギー政策の変革は必須

カーボンニュートラル達成へ、エネルギー政策の変革は必須

日本のエネルギー政策大転換は可能か?(3)エネルギー政策大転換への提言

洋上や太陽光を活用した発電の素地がありながらその普及が遅れている日本。その遅れにはどのような要因があるのだろうか。最終話では、送電網の強化など喫緊の課題を取り上げるとともに、エネルギー政策を根本的に変換させる必...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/08/24
鈴木達治郎
長崎大学客員教授 NPO法人「ピースデポ」代表
4

同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」

同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性

トランプ大統領は同盟国の役割を軽視し、むしろ「もっと使うべき手段だ」と考えているようである。そのようななかで、ヨーロッパ諸国も大きく軍事費を増やし、「負担のシフト」ともいうべき事態が起きている。そのなかでアジア...
収録日:2025/06/23
追加日:2025/08/21
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授
5

ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下

ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(4)社会的時差ボケとメンタルヘルス

社会的時差ボケは、特に若年層にその影響が大きい。それはメンタルヘルスの悪化にもつながり、彼らの幸福度を低下させるため、ウェルビーイングの危機ともいうべき事態を招くことになる。ではどうすればいいのか。欧米で注目さ...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/23
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長