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かなり高給?大学教授の年収を調べてみた
京大の現役教授が年収をブログで公開したことが話題になっています。
基本給約660万円に賞与約279万円で、年収は940万円(2013年分)。これが果たして少ないのか多いのかが論点となっているのです。
ちなみに公開に踏み切った法学部の高山佳奈子教授は2005年に36歳で教授に昇任された、いわばエリート中のエリート。ネット上で公開された給与明細への反響について、「講演や原稿料などの副収入もあるが、資料費などでしばしば赤字」「研究費は年間12万5000円」などの補足も行っています。
東京医科歯科大学(137人) 1178万円
東京大学(1217人) 1159万円
東京海洋大学(77人) 1141万円
大阪大学 (717人) 1104万円
総合研究大学院大学(4人) 1098万円
これらと比べると京都大学(802人)の1068万円はやや低いとはいえ、全体の中では決して低過ぎる数字ではありません。同じ近畿圏にあっても大阪教育大学の教授の平均年収は896万円(141人)、京都教育大学は939万円(62人)と公表されているからです。
男性:1089万円(57.1歳)
女性:1005万円(56.4歳)
労働時間や業務内容に男女差のない教授職としては、差があるのが不思議な気がしますね。
ちなみに国公立大学と比較すると有名私立大学の方が待遇は良いとされており、今回の年収公開も「社会一般の情勢に適合したものとなるよう」行われたものでした。私学のなかで、公開に踏み切っている数少ない大学が法政大学です。
専任教員 1357万円(54.3歳、693名)
専任職員 989万円(41.6歳、402名)
27歳(助教、博士修了初任給) 438万円
35歳(助教、配偶者・子1人) 633万円
45歳(准教授、配偶者・子2人) 884万円
なるほど、配偶者や家族にもきめ細かな設定。高山教授の不満の奥には、「年収が低い」ということ自体よりも「業績より年齢・家族構成で定められる」ことがあったのかもしれません。
法人化によって、現在ではその差は相当縮まっています。平成27年度のデータを平均すると、国公立大学の授業料は53万7千円、私立は文系74万6千円、理系104万8千円、医歯学系273万7千円の数字が出ています。親にとっては、大学教員の給与は自分たちのサラリーから出るもの。まだまだ目がくらむ高みにある、とも言えるのではないでしょうか。
基本給約660万円に賞与約279万円で、年収は940万円(2013年分)。これが果たして少ないのか多いのかが論点となっているのです。
ちなみに公開に踏み切った法学部の高山佳奈子教授は2005年に36歳で教授に昇任された、いわばエリート中のエリート。ネット上で公開された給与明細への反響について、「講演や原稿料などの副収入もあるが、資料費などでしばしば赤字」「研究費は年間12万5000円」などの補足も行っています。
国公立大学の教授といえども年収格差は存在する
そこで、国立大学教授の平均年間給与額を調べてみることにしました。これらはすべてガイドラインに従って公開されることになっています。トップ5は東京医科歯科大学(137人) 1178万円
東京大学(1217人) 1159万円
東京海洋大学(77人) 1141万円
大阪大学 (717人) 1104万円
総合研究大学院大学(4人) 1098万円
これらと比べると京都大学(802人)の1068万円はやや低いとはいえ、全体の中では決して低過ぎる数字ではありません。同じ近畿圏にあっても大阪教育大学の教授の平均年収は896万円(141人)、京都教育大学は939万円(62人)と公表されているからです。
私学と国公立では、どのぐらい差があるのか
一方、私立大学も国公立大学も平均すると、大学教授はいったいどのぐらいの平均年収かを調べたサイトもあります(いずれも平成26年度)。男性:1089万円(57.1歳)
女性:1005万円(56.4歳)
労働時間や業務内容に男女差のない教授職としては、差があるのが不思議な気がしますね。
ちなみに国公立大学と比較すると有名私立大学の方が待遇は良いとされており、今回の年収公開も「社会一般の情勢に適合したものとなるよう」行われたものでした。私学のなかで、公開に踏み切っている数少ない大学が法政大学です。
専任教員 1357万円(54.3歳、693名)
専任職員 989万円(41.6歳、402名)
大学教授になるまでの年収は?
それにしても、大学教授になるには博士課程を終えた後、助教→常勤講師→准教授→教授とステップを踏んでいく必要があります。この点、京大の公開情報を見てみると「モデル給与」という欄がありました。27歳(助教、博士修了初任給) 438万円
35歳(助教、配偶者・子1人) 633万円
45歳(准教授、配偶者・子2人) 884万円
なるほど、配偶者や家族にもきめ細かな設定。高山教授の不満の奥には、「年収が低い」ということ自体よりも「業績より年齢・家族構成で定められる」ことがあったのかもしれません。
払う側にしてみると
長年の間、国公立大学と私立大学との学費には、笑ってしまうような格差がありました。1975年の授業料を比較すると、国立大は3万6千円、私立大学平均が18万円強だったのです。この頃までは「自分で学費を稼いだ」と威張る学生が多かったのもうなずけますね。法人化によって、現在ではその差は相当縮まっています。平成27年度のデータを平均すると、国公立大学の授業料は53万7千円、私立は文系74万6千円、理系104万8千円、医歯学系273万7千円の数字が出ています。親にとっては、大学教員の給与は自分たちのサラリーから出るもの。まだまだ目がくらむ高みにある、とも言えるのではないでしょうか。
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