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DATE/ 2016.08.07

泥沼化する「嫁姑問題」を防ぐ3つのポイント


 結婚して家族を営むと、なかなか気がつかなかった問題が浮上してくるもの。その代表格が嫁姑問題といってよいでしょう。婿舅関係以上に問題が表面化するのは、多くの家庭において、そのスタイルや文化のベースを担っているのが女性だからです。子どもが生まれると、特にしつけや教育方針をめぐり、嫁姑が対立することが少なからず起こります。

帰省のときにトラブル発生の可能性が高まる!?

 同居していない場合、考えられる局面としては、たとえば夏休みや正月、ゴールデンウィークの帰省などが挙げられます。帰省するかしないかという問題もありますが、帰省すればしたなりに、嫁姑それぞれの感性・ルールがぶつかり合い、なにかしらトラブル発生の可能性が高まります。

 嫁姑問題は、殴り合い、つかみ合いなどフィジカルなバトルというよりは、どちらかがストレスをためて爆発するというケースが多く、離婚のトリガーにもなりかねません。

 知り合いの女性の話ですが、その方は同級生で一人っ子つまり長男の男性と結婚し、二人で暮らし始めました。30代後半になっても、まだ子どもがいないため、夫の実家に帰省するたびに、実際に言われたわけではないですが姑からの「いつ孫の顔が見られるのかな」という無言のプレッシャーを感じているそうです。ただ直接言われない分、余計につらいのかもしれません。

 そこで重要なのは、双方の気持ちをくみ取り、バランスをとるべき夫のふるまいになってきます。嫁姑問題のリスクを減らすため、夫がやるべきことは、まず当事者意識をもつことが大事なポイントとなります。

妻の立場を理解!

 夫の実家は嫁にとって完全にアウェイであることをまず理解しましょう。鬼のような嫁もいますが、多くは気を遣い弱い立場であること。夫の実家において味方は夫だけです。夫としては、実家だけについノンビリとしてしまいがちですが、妻を放置し孤立させないような配慮が必要となります。

妻の話相手になる!

 嫁から聞かされる姑の不満など、耳を塞ぎたくなることもありますが、キチンと話相手になることが重要です。情報収集だけでなく、ストレス軽減にも貢献するでしょう。嫁としては、話を聞いてもらうだけで、すっきりすることもあるのです。問題がちょっとした行き違いであることに気がつくこともできるでしょう。

つきあいのルールを決める!

 夫婦であらかじめ、姑や実家に介入されたくないルールを決めておくことも大事なポイントです。よくあるケースとしては、子育てへの介入があげられます。食べ物やおもちゃの与え方など、決めたルールを超えた場合は、夫から姑に話をするようにしましょう。その際、「嫁が」ではなく「自分たちが」というように2人の意見として伝えることがポイントです。姑も息子の意向を確認できるだけで安心でき、トラブルのリスクを下げることができます。

嫁姑問題が深刻化したら!

 少なからず嫁姑問題がこじれることも想定しましょう。問題がこじれると夫婦間の亀裂が少なからず発生します。その場合、実家としばらく距離を置くということもオススメします。夫のふるまい次第では離婚に至ることも少なからずあります。そんな事態を避けるために、お互いに冷静になれる距離と時間を確保する決断が必要になります。

 嫁姑間の問題は解決するというよりは未然に防ぐべきもの。間に立つ夫であり息子である立場のふるまいが何より必要となります。結婚とは異文化コミュニケーションと心得、夫婦関係と親子関係を両立させ、家族をより強固なものにする夫の不断の努力が重要となります。
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授