社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
出会い系サイトのプロフィールはどれだけ本当?
最近の主流はSNS出会い系
「出会い系サイト」と聞くとあまり良い印象をもたないかもしれません。実際に出会い系サイトから事件に発展するケースもありますし、悪質サイトや迷惑メールを連想する方も少なくないと思います。その一方で、恋人を探すために出会い系サイトを利用する人は一向に絶えません。事前に顔写真やプロフィールを知ることができることから、合コンや友人の紹介よりも自分の好みの人を探しやすく、婚活として利用する人もたくさんいます。
出会い系サイトは、インターネット上で最も成功している会員制ビジネスのひとつでもあります。最近では、Facebookアカウントを使って登録する「pairs(ペアーズ)」などSNS出会い系が若い世代を中心に支持を集めています。
出会い系サイトの登録プロフィールはどのくらい正確なのか
仮に利用するとしたら、気になるのは「出会い系サイトの登録プロフィールがどのくらい正確なのか」、あるいは「どのくらい嘘があるのか」という点でしょう。こうした疑問に答えるべく学術的に探求したレポートが存在します。アメリカの経済学者のアリ・ホルタッチュとギュンター・J・ヒッチ、心理学者のダン・アライエリーの3人のレポートです。170万部のベストセラーとなった話題の書『ヤバい経済学』(東洋経済新報社)でも取り上げられています。
主な出会い系サイトの1つを取り上げ、ボストンとサンディエゴの利用者約2万3000人のデータを分析しました。利用者の57パーセントは男性で、全利用者の中央値は26歳から35歳でした。
ルックスが「人並み」と答えた人は30%、「人並み以下」は1%
「出会い系サイトの登録プロフィールはどのくらい正確なのか」ー結論からいうと、プロフィールにはかなりデタラメが多いということでした。たとえば、高給取りだと自称する人たちの4人に3人はサバを読んでいることが分かりました。また、典型的な利用者の身長の平均値を算出したところ、全国平均より3センチも高かったのです。
さらに印象的なのは、女性の70パーセントがルックスは「人並み以上」、そのうちの24パーセントの人がルックスは「とてもいい」と主張していることです。男性もほぼ同様の結果が出ているそうで、「人並み」と答えた人は30パーセント、「人並み以下」は1パーセントでした。
知っている情報と公表している情報のズレ
レポートでは、以上のような出会い系サイトのプロフィールのデタラメさを証明するエビデンスがその他いくつも紹介されています。ちなみに出会い系サイトに登録した男性のうち57パーセント、女性の23パーセントはひとつもレスがなかったということです。この点については、現在ではもっと出会える精度が高まっているように思えます。なお、こちらの出会い系に関するレポートは2004年に発表されたものなので、10年以上経過した現在の状況にどれほど当てはまるかは分かりません。それでも、私たち人間がとても見栄っ張りで、知っている情報と公表している情報とのあいだには大きなズレがあるという点はいつの時代も変わらないのではないでしょうか。
<参考文献>
『ヤバい経済学』(スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー著、東洋経済新報社)
『ヤバい経済学』(スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー著、東洋経済新報社)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
民族自決原則とは?多民族国家が抱える難題と矛盾
地政学入門 ヨーロッパ編(6)「ロシア世界」と民族自決原則
「ルスキー・ミール」という言葉で代表される「ロシア世界」――それは、実際の国境にとどまらず、自国語を話す周辺領域の市民をも包括した概念。プーチンはそれを使ってウクライナ侵攻を正当化するが、国家外の自民族の保護を優...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/06/09
米国史で最も「主権主義者」を体現しているのはトランプか
トランプ2.0と中東(2)保守主義者から主権主義者へ
トランプ2.0の政治手法や姿勢からは、支持者が信じる保守主義の影が薄れている。「自国第一主義」を守るためなら、桁外れの関税も議事堂襲撃も恐れない。むしろ大国仲間としてロシアに接近する風すらうかがえる。見えてくるのは...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/06/08
問題だらけの閣僚たち…トランプ政権の真の公約とは?
第2次トランプ政権の危険性と本質(5)トランプの政治手法の問題とは?
トランプの経済政策は、文化戦争の手段としての反グローバリズムという軸で理解するしかないが、そのような政策を進めるトランプ政権の政治手法の問題点はなにか。その背景には、陰謀論者が全部入ってしまったような閣僚の問題...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/07
その後の余命が変わる!続けるべき良い生活習慣とは
健診結果から考える健康管理・新5カ条(7)良い生活習慣が健康寿命を延ばす
健康診断の結果に一喜一憂するだけではなく、そのデータを活用し、生活習慣を見直すことが大切である。今回は、内臓脂肪の管理が健康維持に直結する理由や、体重増加と糖尿病リスクの関係、さらには良い生活習慣が寿命に与える...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/05/27
健康寿命に大きく影響する骨粗鬆症・歯周病・変形性関節症
老いない骨のつくり方(1)高齢化と骨の病気
東京大学工学系研究科・医学系研究科教授の鄭雄一氏による「老いない骨のつくり方」シリーズ講話。鄭氏はレクチャー冒頭で、「情報に溺れず正しい情報を選択する能力がいかに大切か」と語り、誤った情報は「人生の栄養失調」に...
収録日:2016/09/14
追加日:2016/10/20