テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.10.18

ずっと独身だったら…独女が抱える最大の不安

 このまま結婚できず、ずっと独身かもしれない…30~40代の未婚女性なら、誰しも一度はそんな漠然とした不安を抱いたことがあると思います。「結婚できないかもしれない」という不安は、自分の将来や老後への不安そのもの。ひとりの寂しさに加え、具体的な不安材料の最たるものは「お金」に関するものなのではないでしょうか。

 そんな不安から目をそらし、とにかく結婚すれば不安は解消されると婚活に躍起になるのは、精神的にも疲れるもの。この先、自分がおひとり様として生きていく可能性があるなら、そのお金への不安を少しでも軽くする方法を考えてみませんか。今回は、結婚しないかもしれない独身女性の、将来への不安を減らすお手伝いになる「お金」に関する情報をご紹介します。

年金、貯金、保険、住宅。独女が今からできること

 独身でいるかぎり、ずっと自分で稼いでいかなくてはなりません。働けるうちは、さほどお金に困らない人もいるかもしれませんが、心配なのは老後と健康問題が噴出したときです。

<年金>少しでも長く高く働いて、受給額を上げよう!

 女性の年金は、男性と比較すると平均して6割ほど少ない金額。結婚していれば夫婦の年金を合わせれば、2人でなんとか暮らしていける金額になりそうですが、女性ひとりとなると年金だけでは厳しく、一般的に毎月10万円以下なのが現実。金額は勤続年数やそのときの所得が反映されるため、少しでも多くの年金をもらうには、できるだけ長く、パートでもわずかでも時給の高いところで働くことが重要となります。そのためには、正社員雇用や特別なスキル、あるいは資格取得など、キャリアアップを意識することが大切だといえるでしょう。

<貯金>年間100万円強。目標を設定して貯蓄しよう!

 先ほど年金の少なさについて触れましたが、それを補うのは貯金。しかし30~40代の独身女性で貯金ゼロの人も少なくありません。高給の人でもその分贅沢をしていたり、実家暮らしでお給料は全て自分のために使ってしまっている、なんて人も。一般的にリタイア後の独身女性に必要な貯金額は、年金とは別に3000万円ともいわれています。たとえば、今30歳の人が60歳までそれだけ貯蓄するためには、年間100万円ほど貯蓄が必要です。ハードルの高い金額ですが、目標を設定しなければなかなか貯金はできないもの。数字を明確にして、貯蓄へのモチベーションを高めていきましょう。

<保険>医療費だけでは不安、働けない時を支える保険に!

 独身者が一番つらいのは、健康を害して働けなくなったり失業したとき。夫がいれば養ってもらえますが、独身女性は収入のない状態でも自分で医療費を払わなければなりません。ですから、入院・医療保険はもちろん、加入を検討したいのが就労不能保険や所得補償保険というもの。長期入院や重度の病気療養で働けない間のお給料をサポートしてくれるというこの保険は、医療費ではなく生活費を支えるもの。特に会社員として有給の病気休暇や社会保険のサポートのない、自営業やフリーランスの方におすすめです。

<マンション>ローンのリスクを考え、購入は慎重に!

 独身女性の間では、よく女性向けの単身マンション購入が話題にのぼります。家があれば安心…と思うかもしれませんが、ちょっと待って。マンションは価値が下がりやすく、シングル向けの部屋は売れ筋ではないため、売りたいときに売れないという事態に陥ることも。もし病気で働けなくなれば、ローンの支払いが滞る可能性もあります。自分で自分の面倒を見るシングル女性にとっては、不動産資産よりもいざというときに動かせる現金の方が大事です。実家暮らしや賃貸のメリットと比較して、慎重に検討を。

もうひとつ認識しておきたい「孤立」という問題

 いかがでしたか?今回は「お金」に寄せて書きましたが、もうひとつ認識しておきたいのが「孤立」という問題です。

 これはずっと先の老後のお話かもしれませんが、家庭を持たない可能性があるのなら、家と仕事以外の自分の居場所を作って仲間との交流を大切にしたり、引越しを検討する際には、いざというときに駆けつけてくれる知人や友人の近所もリストに入れるなど、先を見据えて行動していくことも大切かもしれませんね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識

ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識

ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム

「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長 元総合研究大学院大学長
2

日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道

日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道

未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発

日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
川口淳一郎
宇宙工学者 工学博士
3

天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制

天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制

「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉

現代流にいうと地政学的な危機感が日本を中央集権国家にしたわけだが、疫学的な危機によって、それは早い終焉を迎えた。一説によると、天平期の天然痘大流行で3割もの人口が減少したことも影響している。防人も班田収授も成り行...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/01
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
4

世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係

世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係

数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家

数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28
中島さち子
ジャズピアニスト 数学研究者 STEAM 教育者 メディアアーティスト
5

発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る

発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題

社会的時差ボケの発生には、働き方も大きな影響をもっている。特にシフトワークによって不規則な生活リズムを強いられる業種ではその回避が難しい。今回は、発がんリスク、メンタルヘルスの不調など、シフトワークが抱える睡眠...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/30
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長