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ガラケーのスペックはiPhone7を超えていた?
話題のiPhone7をドコモのガラケーとスペック比較
かつてないほど日本仕様といわれるiPhone7。生活防水仕様にsuica搭載とその対応に驚喜したユーザーも多いのではないでしょうか。Apple社の発表会では、異例ともいえる任天堂の宮本茂氏(代表取締役クリエイティブフェロー)による日本語によるサプライズトークとともに、これまでで最高のパフォーマンスとなるスペックをプレゼンしました。iPhoneユーザーの歓迎ムードと並行して、Twitterではかつてのガラケーとの比較が話題となりました。2009年に発売されたNTTドコモの第三世代携帯電話(FOMA)端末F-01B、いわゆるガラケーとのスペック比較です。
防水機能、カメラの画素数で上回るガラケースペック
まずは、防水・防塵。IPコードで比較しています。IPコードは、国際電気標準会議(IEC)が規定した防水・防塵性能の等級を表わすものです。「IP」のあとに続く2ケタの数字のうち第一記号は防塵性能の等級を表わし、第二記号は防水等級を表わしています。iPhone7はIP67なので、「粉塵の侵入を完全に防ぎ、かつ一定時間水没しても影響がない」ことを表わしています。一方、F-01BはIP55/7/8で、「防塵」と「噴流水に対する保護」「水没に対する保護」と、防水機能的に上回るスペックとなります。
つぎに、カメラの画素数の比較です。iPhone7は1200万画素、F-01Bは1220万画素となっており、一見ガラケーが僅差で上回っています。カメラ機能は、単純に画素数でそのクオリティを比較することはできないことを知っておくべきですが、興味深い比較になっています。
加えて、指紋認証、おサイフ機能は、共通仕様になっています。
ドコモのガラケーは7年前にスペック的に極まっていた?
2009年と2016年、7年を埋める技術進化なのかというスペック比較として、CPUや容量、液晶ユーザビリティ、通信スペックなどは除外しているので、ネタとしての話題ではあるのですが、「おそるべしガラケー!」といえるのではないでしょうか。特に、カメラ機能としては、Instagram、Twitter、Facebook、LINEといったSNSでの共有を考えれば、画素数をそれほど大きくすることは容量サイズとのバランスで意味がなく、また、防水防塵も、2009年までにある程度極まったスペックであることが確認できます。
では、これからのスマホ機能スペックに何を求めたらよいのでしょう。さらなるイノベーションに期待したいところです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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