社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
たばこ1箱の値段の変遷…これから一体どうなる?
「1月13日はピースの日」って、ご存じでしたか? 現役たばこの中で最長の歴史を持つピースは、1946年のこの日に発売されました。現在のピースや1箱1500円のピース・クラシックにも踏襲されているシンボルの「オリーブをくわえた金の鳩」は、1951年レイモンド・ローウィによってデザインされ、売上をほぼ6倍も伸ばしたという逸話のあるもの。そんな戦後のたばこの価格事情と、これからの動向を調べてみました。
「メビウス」ファミリーは、2013年2月まで「マイルドセブン」の名だったもの。2017年現在では38種にも細分化されています。主な違いであるニコチン(タール)量は、メビウスの0.8mg(10mg)からメビウス・ワンの0.1mg(1mg)まで。同じ銘柄とは思えないバラエティで上位を占めています。
続いては、旧3級品のわかば(290円)、エコー(280円)がトップ5入り。大幅値上げの2010年以来、売上を伸ばしており、2016年6月に外装が見直され値上げも実施されました。
アメリカからの輸入品目では、マールボロ・ファミリー(460円)、ケント・ファミリー(410~420円)、ウィンストン・ファミリー(420円)などが人気。化学薬品不使用で「100%無添加」をうたうナチュラルアメリカンスピリット・ファミリー(480円)は、2015年にJTが米国以外での事業権を買収したことでも注目されます。
その他、20位以内に入っていない国産銘柄は、ピース(230円~1150円)、ホープ(230円)、ピアニッシモ(230円~490円)、ハイライト(420円)、しんせい(280円)、ゴールデンバット(260円)など。沖縄県のみで発売されているのはウルマ(290円)、バイオレット(280円)が返還以来の銘柄です。
<銘柄:1959年・1970年・2009年・2016年>
ホープ:40円・50円・150円・230年(10本)
ピース:40円・50円・150円・230円(10本)
セブンスター:-・100円・300円・460円
ハイライト:-・80円・290円・420円
セブンスターは1969年に定価100円で発売されましたが、その後は物価上昇により、1975年に150円、1980年に180円、1983年に200円、1986年に220円になりました。
これ以後の値上げは、税の影響によるものです。まず、1997年には消費税5%を受けて230円に。翌年以降はたばこ税の増税により上昇が続きます。1998年250円、2003年280円、2006年300円、2010年440円。そして2014年度には消費税が5%から8%になったことを受け、460円の価格となっているのです。
最近の値上げ攻勢の激しさを物語るのは、より古い銘柄。1959年から2009年までの50年間で3倍強のホープやピースの場合、それからわずか7年で1.5倍増になっています。1960年に発売されたハイライトは、70円から50年近くかけて約4倍、その後の7年で1.5倍弱。あわせて6倍近くの高値になったのです。
調査が始まったのは1965年ですが、日本の喫煙者率がピークだったのは1966(昭和41)年。男性83.7%、女性18.0%がたばこを嗜んでいました。それ以降は年々減少が続き、男性の喫煙者率が50%を割ったのは2002(平成14)年のことです。
一方、消費税10%への引き上げが2019年10月に延期されたことを受けて、当初予定されていた、たばこ税の増税は見送りとなりました。もし仮に増税が行われ、1本あたり3円(1箱で60円)引き上げとなると、年間4500億円前後の税収増が見込めるとのこと。2016年秋、自民党からたばこ税増税によって一箱1000円以上に引き上げるよう申し入れがあったそうですが、2020年の東京五輪に向けて、全国2000万の喫煙派の肩身はより狭く、懐はより厳しくなりそうな見通しです。
たばこの値段は、今どうなっている?
では、たばこは今、どんなものがいくらで売られているのでしょう。売上トップ3はセブンスター(460円)、メビウス・ワン・100's・ボックス(440円)、メビウス・スーパーライト(440円)。この3つは2012年度から毎年トップ3となっています。「メビウス」ファミリーは、2013年2月まで「マイルドセブン」の名だったもの。2017年現在では38種にも細分化されています。主な違いであるニコチン(タール)量は、メビウスの0.8mg(10mg)からメビウス・ワンの0.1mg(1mg)まで。同じ銘柄とは思えないバラエティで上位を占めています。
続いては、旧3級品のわかば(290円)、エコー(280円)がトップ5入り。大幅値上げの2010年以来、売上を伸ばしており、2016年6月に外装が見直され値上げも実施されました。
アメリカからの輸入品目では、マールボロ・ファミリー(460円)、ケント・ファミリー(410~420円)、ウィンストン・ファミリー(420円)などが人気。化学薬品不使用で「100%無添加」をうたうナチュラルアメリカンスピリット・ファミリー(480円)は、2015年にJTが米国以外での事業権を買収したことでも注目されます。
その他、20位以内に入っていない国産銘柄は、ピース(230円~1150円)、ホープ(230円)、ピアニッシモ(230円~490円)、ハイライト(420円)、しんせい(280円)、ゴールデンバット(260円)など。沖縄県のみで発売されているのはウルマ(290円)、バイオレット(280円)が返還以来の銘柄です。
セブンスターは1箱100円から460円へ
主な銘柄の価格変遷を見ると、以下の通り。<銘柄:1959年・1970年・2009年・2016年>
ホープ:40円・50円・150円・230年(10本)
ピース:40円・50円・150円・230円(10本)
セブンスター:-・100円・300円・460円
ハイライト:-・80円・290円・420円
セブンスターは1969年に定価100円で発売されましたが、その後は物価上昇により、1975年に150円、1980年に180円、1983年に200円、1986年に220円になりました。
これ以後の値上げは、税の影響によるものです。まず、1997年には消費税5%を受けて230円に。翌年以降はたばこ税の増税により上昇が続きます。1998年250円、2003年280円、2006年300円、2010年440円。そして2014年度には消費税が5%から8%になったことを受け、460円の価格となっているのです。
最近の値上げ攻勢の激しさを物語るのは、より古い銘柄。1959年から2009年までの50年間で3倍強のホープやピースの場合、それからわずか7年で1.5倍増になっています。1960年に発売されたハイライトは、70円から50年近くかけて約4倍、その後の7年で1.5倍弱。あわせて6倍近くの高値になったのです。
「たばこを吸う人」は、例外的少数なのか?
JTが調査している全国たばこ喫煙者率調査を見ると、2016年の喫煙率は19.3%(男性29.7%、女性9.7%)。成人男性の場合、現在でも約1500万人がたばこを吸っている勘定になります。年齢別ピークは男女とも40歳代で、30歳代から50歳代の働き盛り、ないしストレス世代が、たばこの売上を支えているということでしょう。調査が始まったのは1965年ですが、日本の喫煙者率がピークだったのは1966(昭和41)年。男性83.7%、女性18.0%がたばこを嗜んでいました。それ以降は年々減少が続き、男性の喫煙者率が50%を割ったのは2002(平成14)年のことです。
これからどうなる、たばこの値段
2016年4月に値上げがあったのですが、この時はメビウスが10円値上げ、わかば・エコー、ゴールデンバットなどが30円~50円値上げされています。たばこの値段が上がっていく(税率が高くなる)のは世界的な流れですから、今後も続くと予想されます。一方、消費税10%への引き上げが2019年10月に延期されたことを受けて、当初予定されていた、たばこ税の増税は見送りとなりました。もし仮に増税が行われ、1本あたり3円(1箱で60円)引き上げとなると、年間4500億円前後の税収増が見込めるとのこと。2016年秋、自民党からたばこ税増税によって一箱1000円以上に引き上げるよう申し入れがあったそうですが、2020年の東京五輪に向けて、全国2000万の喫煙派の肩身はより狭く、懐はより厳しくなりそうな見通しです。
<参考サイト>
・JTウェブサイト
https://www.jti.co.jp/index.html
・公益財団法人 健康・体力づくり事業財団(最新たばこ情報より)
http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html
・一般社団法人 日本たばこ協会(上位20銘柄推移)
http://www.tioj.or.jp/data/pdf/160422_03.pdf
・JTウェブサイト
https://www.jti.co.jp/index.html
・公益財団法人 健康・体力づくり事業財団(最新たばこ情報より)
http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html
・一般社団法人 日本たばこ協会(上位20銘柄推移)
http://www.tioj.or.jp/data/pdf/160422_03.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ思春期は大事なのか?コホート研究10年の成果に迫る
今どきの若者たちのからだ、心、社会(1)ライフヒストリーからみた思春期
なぜ思春期に注目するのか。この十年来、10歳だった子どもたちのその後を10年追跡する「コホート研究」を行っている長谷川氏。離乳後の子どもが性成熟しておとなになるための準備期間にあたるこの時期が、ヒトという生物のライ...
収録日:2024/11/27
追加日:2025/07/05
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
第2次トランプ政権において台頭する米国派経済学。実はこの保護主義的な経済学は、アメリカの成長と繁栄の土台を作っていた。その原点を振り返り解説する今シリーズ。まずはワシントン政権の財務長官でフェデラリストとして、連...
収録日:2025/05/15
追加日:2025/07/08
グリーンランドに米国の軍事拠点…北極圏の地政学的意味
地政学入門 ヨーロッパ編(10)グリーンランドと北極海
北極圏に位置する世界最大の島グリーンランド。ここはデンマークの領土なのだが、アメリカの軍事拠点でもあり、アメリカ、カナダとヨーロッパ、ロシアの間という地政学的にも重要な位置にある。また、気候変動によってその軍事...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/07/07
スターバックスのコンセプトは「サードプレイス」
ストーリーとしての競争戦略(6)事例に見る経営者の戦略
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏が、ホットペッパーとスターバックスを事例として、コンセプトの重要性を解説する。スターバックスやホットペッパーは、「第3の場所」・「狭域情報」といったコンセプトを的確に...
収録日:2017/05/25
追加日:2017/07/18
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28