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DATE/ 2017.03.01

親も納得!就職したいランキング一位の職業とは

 自分の子供や孫にはいい企業に勤めて欲しい。就職間近のお子さんやお孫さんを持つ方なら皆、共通の思いかと思います。ただ、就活中の学生さんたちが考える「いい企業」と、親・祖父母の方々が考える「いい企業」の認識は同じなのでしょうか?ランキングを見比べてみると、なかなか面白い事実が浮かび上がりました。

公務員が不動の人気!ワンツーフィニッシュ

 与信管理に関するコンサルティング事業などを手掛けるリスクモンスター社が発表した「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業ランキング」(親・祖父母ランキング)と「就職したい企業・業種ランキング」(学生ランキング)の2つのリリースには、それぞれランキングトップ100が掲載されています。1つ1つじっくり比較してみました。

 まず一番の共通点は、親・祖父母、学生ともに国家公務員と地方公務員がランキング1、2位を占めていること(親・祖父母ランキングは国家公務員が1位、学生ランキングは地方公務員が1位)。いずれも1、2位の数字だけで四割前後になることから、この結果が公務員人気の高さを物語っているといえるでしょう。そしてトップ20に入った企業、組織を挙げると、三菱東京UFJ銀行、日本赤十字社、三井住友銀行、トヨタ自動車、資生堂、本田技研工業(ホンダ)、花王。そうそうたるラインナップとなりました。

意外?親・祖父母の方がIT企業好き

 続いて相違点について見ていきましょう。片方でトップ10に入っていながら、もう一方では圏外だった企業を見ていくと、学生5位の三菱東京UFJ信託銀行、7位の日本郵便は、親・祖父母ランキングで圏外。一方、親・祖父母で9位の楽天は、学生では圏外でした。

 楽天はむしろ学生の人気を集めそうですが、意外なギャップがわかりました。楽天以外にもIT系企業で比べてみると、
グーグル(学生46位、親・祖父母9位)
アマゾン(学生93位、親・祖父母34位)
アップル(学生圏外、親・祖父母40位)
ヤフー(学生64位、親・祖父母54位)
クックパッド(学生圏外、親・祖父母89位)
と、親・祖父母の方が上位につける企業が大半でした。例外は、日本マイクロソフト(学生33位、親・祖父母44位)、サイバーエージェント(学生41位、親・祖父母圏外)くらいです。

 就職の人気ランキングはある意味ブランドのランキングともいえますが、テレビ局の順位を調べてみると面白いほど正反対になりました。学生は上位から日本テレビ(30位)、フジテレビ(46位)、TBS、テレビ朝日(ともに64位)、NHK(93位)。
一方、親・祖父母はNHK(19位)、テレビ朝日(23位)、フジテレビ、日本テレビ(ともに54位)、TBS(59位)でした。
これを見ると、NHKだけでなくテレビ朝日もシニア層の支持をつかんでいることがわかります。

 この学生たちが親となり祖父母となる頃、つまり数十年後には、今はまだ存在していない企業が人気企業となっているのではないでしょうか。そしてその頃にはまた、学生と親・祖父母でランキングに相違点が生まれるに違いありません。ただ、またバブル時代のようによほど民間が好景気にならない限り、公務員の人気の高さは不動のままかもしれないですね。

<参考サイト>
・リスクモンスター株式会社/第5回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業ランキング」調査
http://www.riskmonster.co.jp/rm-research/2017/20170127.html
・リスクモンスター株式会社/第2回「就職したい企業・業種ランキング」調査
http://www.riskmonster.co.jp/rm-research/2016/20160509.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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