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中国が人類的な経済破錠の引き金になる

崇高と松下幸之助(6)経済破綻とこれからの日本

概要・テキスト
ほとんど褒められたことがなかった執行先生では褒められることが多くなってきている。それは、時代が追いつきつつあると同時に世界が破綻へと向かっていることの証でもある。また、日本は緩やかに鎖国をしていくべきだと執行先生は主張するが、なぜなのか。世界と日本を比較しながら、これからの日本人のあるべき姿に迫る。(全8話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(公益財団法人松下政経塾 副理事長)
時間:09:10
収録日:2019/02/06
追加日:2019/04/20
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≪全文≫

●経済破錠による滅亡


執行 僕は人から褒められたことはほとんどないです。年をとってからかえって、褒められることが増えました。僕が褒められるというのは時代が駄目になったということです。もともと武士道が好きです。武士道が好きということは大体、時代が合っていないのです。それを親父も許さないといっていたくらいなのですからね。

―― でも時代がようやく執行社長に追いついてきたのですね。

執行 追いついたというか時代が勝手に自分から下がったのでしょう。

―― そういう意味では、もう哲学も宗教も死に、本格的に乱世に入っていきます。

執行 乱世に入るし、間違いなく一つの文明が滅びます。また、滅びなければ、今度はただでは済みません。早く滅びたほうがいいです。全員が死ぬということではありません。人類がもっていた一つの魂が一回ご破算になります。多分、経済破錠と一緒にです。経済破錠は、僕は当然中国から始まると思います。

 僕は今の経済は全部が嘘だと思っています。中国は必ずあと何十年か後に開き直ります。

―― 結局、太平天国の乱みたいなことが起こるのですね。

執行 中国人というのはもともとそうなのです。もともと一回全部捨ててやり直しというか、英米が作った「経済構造」も彼らの血にはないですからね。簡単に言えば紙幣を乱発して、経済をめちゃくちゃにして、最後にみんなが例えば「借金を返せ」といえば、「うるさい、じゃ戦争をするか」となります。水爆を持っているので、みんな泣き寝入りするしかありません。

 アメリカも全部嘘なので、僕はアメリカがやるのかなと思っていましたが、アメリカではなく、やっぱり中国ですね。アメリカはもう少し表面のカッコをつけると思いますので。

 混乱の極みの中国の大衆は、歴史的には怖いです。ある種の迫力があります。欲望のためなら死んでもいい、というバイタリティを感じます。まさに中国史はやっぱり面白いですね。

―― 欲望のためなら死んでもいい、確かにそうですね。だから孔子がいて孟子老子が必要だったわけですね。

執行 だから偉人がたくさん出たのです。ついこの間まで中国人はみなそうでした。死んでもいいのだから、ある種、勇敢であり、止めることは誰にもできないのです。

 中国の方がアメリカより強いような気がします。アメリカのほうが格好をつけているから、格好つけてい...
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