●経済破錠による滅亡
執行 僕は人から褒められたことはほとんどないです。年をとってからかえって、褒められることが増えました。僕が褒められるというのは時代が駄目になったということです。もともと武士道が好きです。武士道が好きということは大体、時代が合っていないのです。それを親父も許さないといっていたくらいなのですからね。
―― でも時代がようやく執行社長に追いついてきたのですね。
執行 追いついたというか時代が勝手に自分から下がったのでしょう。
―― そういう意味では、もう哲学も宗教も死に、本格的に乱世に入っていきます。
執行 乱世に入るし、間違いなく一つの文明が滅びます。また、滅びなければ、今度はただでは済みません。早く滅びたほうがいいです。全員が死ぬということではありません。人類がもっていた一つの魂が一回ご破算になります。多分、経済破錠と一緒にです。経済破錠は、僕は当然中国から始まると思います。
僕は今の経済は全部が嘘だと思っています。中国は必ずあと何十年か後に開き直ります。
―― 結局、太平天国の乱みたいなことが起こるのですね。
執行 中国人というのはもともとそうなのです。もともと一回全部捨ててやり直しというか、英米が作った「経済構造」も彼らの血にはないですからね。簡単に言えば紙幣を乱発して、経済をめちゃくちゃにして、最後にみんなが例えば「借金を返せ」といえば、「うるさい、じゃ戦争をするか」となります。水爆を持っているので、みんな泣き寝入りするしかありません。
アメリカも全部嘘なので、僕はアメリカがやるのかなと思っていましたが、アメリカではなく、やっぱり中国ですね。アメリカはもう少し表面のカッコをつけると思いますので。
混乱の極みの中国の大衆は、歴史的には怖いです。ある種の迫力があります。欲望のためなら死んでもいい、というバイタリティを感じます。まさに中国史はやっぱり面白いですね。
―― 欲望のためなら死んでもいい、確かにそうですね。だから孔子がいて孟子、老子が必要だったわけですね。
執行 だから偉人がたくさん出たのです。ついこの間まで中国人はみなそうでした。死んでもいいのだから、ある種、勇敢であり、止めることは誰にもできないのです。
中国の方がアメリカより強いような気がします。アメリカのほうが格好をつけているから、格好つけてい...