伝染病と死生観
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
全国民に10万円より、医療に12兆円を
第2話へ進む
なぜ、かつて人類は伝染病に敢然と立ち向かえたのか
伝染病と死生観(1)逃げ惑う現代人
執行草舟が新型コロナウイルスの流行を背景に、死生観について語るシリーズ講義。これまで人類はペストという国民の3分の2が死ぬような伝染病にも立ち向かい、乗り越えてきた。だが今や人類は、まるで腰抜けのように伝染病に右往左往している。新型コロナウイルス対策で行われている「人と話すな」「近づくな」は、人類が築いてきた文明や社会を総崩壊させる。求められるのは病気という不条理を受け入れることで、それには「死」を前提に考えることが必要である。(全7話中第1話)
※インタビュアー 神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:13分43秒
収録日:2020年4月24日
追加日:2020年5月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●今こそ死生観に立ち返るべきときである


―― 死生観や死に方が定まっていなければ、生き方が定まるはずありません。

執行 そうです。それを僕はいつも講演で話していますし、本にも書いています。肉体よりも大切なものがあると思って、初めて人間としての生き方ができるのです。魂よりも肉体のほうが大切なら、これは動物と変わりません。動物はみんなそうです。

 言葉で言えば、人生とは「魂」のことで、肉体は「生息」です。言葉も違うのです。肉体を生かすだけなら、生息です。例えば今の国家が行っている放射能対策やコロナ対策は、生息に対する慌て方であり、生息に対する危険なのです。鳥インフルエンザや豚コレラで騒ぐことと放射能で騒ぐこと、今回のコロナで騒ぐことが同一線上の同レベルになっています。われわれが鳥でもなければ豚でもないことが、わかっていません。

 たとえば中世にはもっと激しい、ペストという大変な病気が人類を襲い、人類はそういうものを全部乗り越えて文明を推進してきました。キリスト教の信仰があったから、ペストは乗り越えられたのです。

―― 確かにそうですね。キリスト教信仰があったからペストが乗り越えられたのですね。3分の1ぐらい死んだなかで。

執行 全部が死んだ都市もあります。3分の2の国民が死んだり、都市によっては全滅した都市がいくつもあります。ダンテやペトラルカの時代です。文献もたくさんあって、僕は文学でもたくさん読みました。あの時代、もう罹ったら必ず死ぬというペストですら、人間は立ち向かってきたのです。

―― 立ち向かってきたのですね。

執行 あまり言いたくありませんが、これほどあらゆる仕事、あらゆる文明を犠牲にして逃げ隠れした時代は、かつて一度もありません。僕は病気の歴史も好きで、ずいぶん研究してきました。病気の歴史だけでも、資料はたくさんあります。ジンサーの有名な『ネズミ・シラミ・文明』は伝染病と人間との付き合い方を書いた文明史ですが、今ほど人間が右往左往して慌てふためいたことは歴史上ありません。

―― 確かにそうです。人と人とが付き合えなくなってしまっていますから。

執行 これは国家が、何を言っているか意味をわかっていないからです。「人と話すな」とか「近づくな」とか、いったい人間の社会を何だと思っているのか。コロナで誰かが死なないために、人間が営々と築いてきた文...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(7)シベリア出兵と張作霖爆殺事件
軍閥割拠の中国は魑魅魍魎の世界…列強やコミンテルンの思惑も絡む中で翻弄される日本と張作霖爆殺事件の謎
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
黒田基樹
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
「禅とは何か」藤田一照師が禅と仏教の心を説く…自発性を重んじる
藤田一照
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸