歯科の健康づくり
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
世界中が驚いた「口腔ケアと肺炎」の重要な関係性
歯科の健康づくり(2)口腔機能の再建と健康
口の中は、本来は誰もが綺麗である。しかし一度汚れてしまうと、肺炎など重篤な病気につながることがある。また高齢者の場合、口腔ケアを怠ると筋肉の萎縮や認知症に繋がることもある。さまざまな症例から最近明らかになってきたのは、口腔機能を再建することにより、人の脳が目覚め、健康改善に役立つということである。(全4話中第2話)
※音声による補足解説:上濱正(日本顎咬合学会 元理事長)
時間:9分15秒
収録日:2019年11月14日
追加日:2020年6月1日
≪全文≫

●口を清潔にすると肺炎を防げる


河原 誰もが綺麗な口を持っています。ところが、その口が汚れてくると、ばい菌だらけになります。そうすると、ばい菌が口の中でぶわっと広がって、それが血液を通ることもあります。

 そのときに一番の問題となるのが、肺炎です。

 肺炎を予防するためには、口を清潔にすることが一番大切です。1999年に米山武義先生が、「介護高齢者に対する口腔衛生の誤嚥性肺炎の予防効果に関する研究」を『ランセット(Lancet)』という雑誌に発表しました。そこで示されたのは、徹底的に口を清潔にすると、肺炎が半分に減ったということです。これは驚異的なことで、世界中が驚かされました。


●口腔ケアにより健康になり、海外旅行へ


河原 以上のような論文が1999年に出たのですが、その1年後の2000年には、次のような症例がありました。私のお友達のお母さんだったのですが、彼女は病院に入院していました。しかし、口の中がかなり汚れていたのですが、それでも当時は、何もせずに食事を食べさせていました。

 しかしその後、口腔ケアをしてから食事を食べさせるようにしたところ、2週間くらいで、それまでできなかった運動ができるほど、元気になりました。次第に唾液も出てきて、最終的には海外旅行に行くまでになりました。

――(上濱) 要するに、次のようなことがあったのですね。ある回復期リハビリテーションの病院に入院している方がいました。その方は、もはや何もしないで余命を待つという状況でした。しかし、最低限、口からお薬を飲むことができたので、その女性の息子さんは、自分の知っている病院に連れて帰り、口を綺麗にしてもらいました。余命の最後に、できるだけのことをしてあげようと考え、転院なさったのです。転院後、リハビリの方法が口から食事を食べさせる治療に変わったということですね。

河原 その通りです。食べさせてみようということになりました。口の中がかなり汚れていたのですが、その頃はまだ、医科で口を綺麗にするという習慣がありませんでした。医科と歯科はそれほど離れていました。しかし歯医者のお母さんでしたので、入れ歯は持っていました。そこでリハビリを行い、一週間後には非常に良い状...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
「5:2ダイエット」活性酸素を減らしてアンチエイジング
堀江重郎
睡眠:体、脳、こころの接点(1)睡眠とは?
なぜ睡眠は生きるために必要?脳にある覚醒中枢と睡眠中枢
尾崎紀夫
ウイルスの話~その本質と特性(1)生物なのか、そうではないのか
きわめて特異的な「ウイルスと宿主の関係」
長谷川眞理子
「男性更年期」とは何か
うつやほてり…男性ホルモン・テストステロン減少のせい?
堀江重郎
「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識(1)健康な睡眠のための方法
どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?
西野精治
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治

人気の講義ランキングTOP10
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』、秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦