未来を知るための宇宙開発の歴史
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アポロ11号は、なぜ月面に着陸できたか…米ソの開発競争
未来を知るための宇宙開発の歴史(3)人類が宇宙へ飛び出す時代へ
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
宇宙開発は、無人の人工衛星打ち上げから、人類が実際に宇宙へ行く有人活動の時代に移っていく。まずはソ連(ガガーリン)が地球の軌道周回に成功し、次にアメリカ(アポロ11号)が月面着陸を達成した。猛スピードで進む有人宇宙開発の裏側には何があったのか、その実状に迫る。(全14話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:12分22秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年8月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●米ソがほぼ同時期に有人宇宙活動に乗り出す


―― 前回は人工衛星が初めて打ち上げられた「スプートニク・ショック」(1957年)についてのお話を伺いました。

川口 無人の人工衛星の時代の話でしたね。

―― いよいよ次は人間が宇宙に飛び出していくという時代ですね。

川口 そうです。写真は旧ソ連が打ち上げた宇宙船「ボストーク1号」です。球形のカプセルの中に宇宙飛行士が乗るものですけれども、これも大きいですよね。想像するにロケットの直径が2、3メートルありますから、わりと大きなものです。

 (右の写真が)ユーリイ・ガガーリンという有名な宇宙飛行士です。世界で初めて地球を周回した人間となりました。その前に犬は飛んでいますが(スプートニク2号/1957年)。スプートニク打ち上げから4年後(1961年)にボストーク1号が打ち上がり、そして地上で回収される。どこかの場所に行くわけではなく、軌道を周回して戻ってくるだけですけれども、人間を打ち上げて戻ってくるということが初めて実現しました。


 宇宙飛行士は比較的、窮屈ではないように見えますが、そうではありません。左は、初回にお話ししたジョン・グレンで、「マーキュリー・アトラス6号」乗船中の写真です。右が、その次に打ち上げられた、スコット・カーペンターという宇宙飛行士が搭乗した「マーキュリー・アトラス7号(オーロラ7号)」です。搭乗時の様子が写っていますが、このような格好で乗り込むわけです。

―― これは大変そうですね。

川口 そうですね。左の写真ではスペースがあるように見えますが、おそらくとても窮屈で、本当に命がけですよね。それにもかかわらず、グレンは飛行をやり遂げ、地球に帰還するわけですが、このことが示すようにアメリカは、ソ連に追いつかなければいけないということで、大慌てでいろいろな宇宙開発を懸命に行いました。これ(グレンの宇宙飛行)もボストーク1号の打ち上げから1年後のことです。その意味では、米ソは同じ時期に同じことを行っているわけです。

―― 写真を見ると、大きさはソ連のほうが、ゆとりはありそうな印象です。

川口 大きいですよね。マーキュリー・アトラスは窮屈どころの話ではなく、大変だったと思います。ただ生還すること自体が素晴らしいこと...

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