未来を知るための宇宙開発の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
アポロ11号は、なぜ月面に着陸できたか…米ソの開発競争
未来を知るための宇宙開発の歴史(3)人類が宇宙へ飛び出す時代へ
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
宇宙開発は、無人の人工衛星打ち上げから、人類が実際に宇宙へ行く有人活動の時代に移っていく。まずはソ連(ガガーリン)が地球の軌道周回に成功し、次にアメリカ(アポロ11号)が月面着陸を達成した。猛スピードで進む有人宇宙開発の裏側には何があったのか、その実状に迫る。(全14話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:12分22秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年8月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●米ソがほぼ同時期に有人宇宙活動に乗り出す


―― 前回は人工衛星が初めて打ち上げられた「スプートニク・ショック」(1957年)についてのお話を伺いました。

川口 無人の人工衛星の時代の話でしたね。

―― いよいよ次は人間が宇宙に飛び出していくという時代ですね。

川口 そうです。写真は旧ソ連が打ち上げた宇宙船「ボストーク1号」です。球形のカプセルの中に宇宙飛行士が乗るものですけれども、これも大きいですよね。想像するにロケットの直径が2、3メートルありますから、わりと大きなものです。

 (右の写真が)ユーリイ・ガガーリンという有名な宇宙飛行士です。世界で初めて地球を周回した人間となりました。その前に犬は飛んでいますが(スプートニク2号/1957年)。スプートニク打ち上げから4年後(1961年)にボストーク1号が打ち上がり、そして地上で回収される。どこかの場所に行くわけではなく、軌道を周回して戻ってくるだけですけれども、人間を打ち上げて戻ってくるということが初めて実現しました。


 宇宙飛行士は比較的、窮屈ではないように見えますが、そうではありません。左は、初回にお話ししたジョン・グレンで、「マーキュリー・アトラス6号」乗船中の写真です。右が、その次に打ち上げられた、スコット・カーペンターという宇宙飛行士が搭乗した「マーキュリー・アトラス7号(オーロラ7号)」です。搭乗時の様子が写っていますが、このような格好で乗り込むわけです。

―― これは大変そうですね。

川口 そうですね。左の写真ではスペースがあるように見えますが、おそらくとても窮屈で、本当に命がけですよね。それにもかかわらず、グレンは飛行をやり遂げ、地球に帰還するわけですが、このことが示すようにアメリカは、ソ連に追いつかなければいけないということで、大慌てでいろいろな宇宙開発を懸命に行いました。これ(グレンの宇宙飛行)もボストーク1号の打ち上げから1年後のことです。その意味では、米ソは同じ時期に同じことを行っているわけです。

―― 写真を見ると、大きさはソ連のほうが、ゆとりはありそうな印象です。

川口 大きいですよね。マーキュリー・アトラスは窮屈どころの話ではなく、大変だったと思います。ただ生還すること自体が素晴らしいこと...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
東秀敏
徳と仏教の人生論(5)陰陽と東洋思想を知ることの意味
『孟子』に学ぶ、リーダーが過酷な境遇に追い込まれる意味
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
人生100年時代の「ライフシフト概論」(3)キャリアの危機〈下〉
40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」
徳岡晃一郎
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神(1)体制を笑うジョークと諷刺の精神
ジョークの精神…なぜ人は厳しいときほど笑いを磨くのか
早坂隆