未来を知るための宇宙開発の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発
未来を知るための宇宙開発の歴史(6)技術の確立、そして民間企業が参入へ
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
宇宙事業には民間企業が参入し始めている。有名なのはイーロン・マスク率いるスペースX社で、次々とロケット(衛星)を打ち上げている。だが、そこには懸念もあるという。はたして、どのようなことだろうか。さらに近い将来、宇宙旅行も視野に入れた事業が展開される見込みで、新しいサービスが次々に名乗りを挙げている。これら新しい時代の宇宙開発の現状と課題を解説する。(全14話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:7分30秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年8月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●イーロン・マスク率いるスペースX社が行っていること


―― では続きまして、前回の最後に民間ロケットもずいぶん飛び始めたという話がありました。今回はその「民間」ということに光を当てた回ですね。

川口 スペースシャトルを民間企業が開発するようになることを期待しているわけではありません。民間の企業としては大きな投資リスクを避けて歩むべきものだし、大きく収益を上げるか否かは別として、会社として各企業が宇宙事業を行っていくためには既存の技術を活用していくしかないわけです。そのため、画期的なロケット開発をするというよりも、それを使ったビジネスに目を向けようということです。それが「クルードラゴン」(スペースX社)や「スターライナー」(ボーイング社)といった民間宇宙船です。

 その一つの応用先が、通信衛星「スターリンク」です。イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXが(通信衛星を宇宙に)大量に運んで、たくさんの衛星を軌道に周回させる活動を行っている。大量の衛星を軌道に飛ばし、一斉に切り離して運用していくわけです。ただ、「これでよいのだろうか」とは正直なところ思います。

―― それはどういう点においてでしょうか。

川口 スペースXは「(通信網を)カバーできればそれでいいじゃないか」という考え方に立っていますが、技術的にいえばもっと効率的な良い方法を考えるべきです。また、これらを政府が追跡してデブリ(役割を終えた衛星の残骸)の観測をしなければいけないことになるわけです。

 そういうことを考えると、つまり決して民間企業は責任を持っていません。民間企業がトラッキングしているわけではなくて、軌道上にある障害物を維持・管理しているのはアメリカ国防省なのです。

―― ああ、そういうことになるのですか。(スペースX社は)そこまでの管理をしていないわけですね。

川口 自分で管理を行っているわけではない。「そのような管理はどうでもよくて、とにかくたくさんばら撒けばいい」という話はやや違うのではないかと思います。衛星が何千個とか一万個などと飛ぶようになると、将来、宇宙開発で人間を輸送するときには、そういったなかを、かいくぐって飛ばなければいけなくなるわけです。その意味で、「これでいいのだろうか」という思いは正直あります。

 低...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
現在の宇宙の姿(1)星はなぜ自ら輝くのか
星はなぜ自ら輝くのか…宇宙と銀河の「現在の姿」を概観する
岡村定矩
科学的思考はなぜ大切か(1)「状態図」という概念
科学的思考とは「なぜ?」を追究していくこと
岡部徹
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(2)どうすれば好循環が生まれるか
「お客様のため」に心が向かうとイノベーションも起きる
田村潤
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉