未来を知るための宇宙開発の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
月で生活できる!? 地球では入手困難な宇宙資源の獲得へ
未来を知るための宇宙開発の歴史(11)地球にない宇宙資源を活用する時代へ
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
近年は「宇宙にある資源を活用しよう」という動きも出てきている。現段階では月にある資源についての解明が進んでいるが、その範囲は拡大し、小天体・小惑星への鉱物資源についても探査が行われている。果たして地球にない宇宙鉱物資源を活用できる日が来るのだろうか。その現状について解説する。(全14話中第11話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分27秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年9月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●驚くべきことに月面上には万遍なく「水」がある


―― 続きまして、先ほども少し話が出ましたが、宇宙の資源をどう生かしていくかというお話です。

川口 私は宇宙資源の専門家ではないので不確かなことを言うかもしれませんが、宇宙資源について、特に国際月探査をする上で重要となってくるのは、一つは月の「長い夜」の問題です。月に大気はありませんから、日陰と日照では気温にものすごく大きな差がある。日陰ではあらゆる機器が壊れてしまうような環境なのです。

 その問題に対する一つの答えに原子力があると思います。原子力のパワーを月に持っていって夜を過ごすということが考えられるのですが、天体上に原子炉を運ぶことについて、簡単に世界中の合意・了解が得られるとは思えない。そうすると、少なくとも日照率の高い場所に基地をつくるということが、まことしやかなシナリオになります。

 この写真は月の極を示しています。左が南極を示しており、南極の緑色で描かれた部分は氷があるといわれています。インドの月探査機「チャンドラヤーン1号」に搭載されたNASAの分光器が観測しました。クレーターの底は永久日陰地帯で、氷があるということです。

 ただ、極に氷があるから極に行くのかというとそうではなく、極に行くのは常時日照だからです。驚くべきことに、月面上にはほぼ満遍なく、濃度はそれほど高いわけではありませんが水があり、処理をすれば水が得られるのです。

 では赤道に着陸していいかというと、そうはならない。半月間の日陰を耐え忍ぶ方法がないので、今は、水もさることながら常時日照を求めて極に下りようとしています。ですから、「ルナ・ゲートウェイ」ステーションも、月の南極側を中継できるような軌道に乗せることになっているわけです。


●月では「その場の資源利用」で生活できる?


川口 月面は場所によっていろいろな物質ができます。溶岩の流れた地形もあって、内部から溶けたものが出てくるというメカニズムもある。したがって、いろいろな場所でいろいろな物質があります。

 下の写真は月の探査機が撮ったものではなく、たまたま木星探査機「ガリレオ」が月上空を通過したときに写した写真を分光器で処理したものです。場所によって物質はずいぶん違っている。そのため、場所が違えばいろいろな鉱物が採...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
科学的思考はなぜ大切か(1)「状態図」という概念
科学的思考とは「なぜ?」を追究していくこと
岡部徹
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
現在の宇宙の姿(1)星はなぜ自ら輝くのか
星はなぜ自ら輝くのか…宇宙と銀河の「現在の姿」を概観する
岡村定矩
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(6)不在因果の問題
不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する
一ノ瀬正樹
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
ギリシア悲劇への誘い(7)ギリシア悲劇を論じた歴史
アリストテレス、ニーチェ…哲学者によるギリシア悲劇批評
納富信留
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉