未来を知るための宇宙開発の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(全14話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分28秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年9月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●糸川英夫のロケットペンシルから始まった


―― いよいよ日本の宇宙開発についての話に入りましょう。日本の宇宙開発にはどのような特徴があるのでしょうか。

川口 日本は第二次世界大戦で敗戦し、航空飛行技術の開発が禁止されてしまいました。その中で日本の宇宙開拓は、小さなロケットを飛ばして科学観測をするという目的で始まります。「防衛技術という観点から弾道ミサイルをつくり、それが宇宙開発に結びついていく」というのが典型的なシナリオですが、そうではない道をたどっていることが日本の特徴かもしれません。米ソのような弾道ミサイル開発はできなかったのです。

 日本のロケット開発は1955年、東京・国分寺において、東京大学教授・糸川英夫のもとで行われたペンシルロケットの水平発射実験から始まったといわれます。そして日本初のロケット打ち上げ実験は、秋田県の道川海岸から日本海に向けて行われました。これもペンシルロケットです。これを打ち上げたことが日本の宇宙開発のスタート地点だといわれています。そういう意味では糸川英夫がロケット開発の最初の当事者なのでしょう。

―― それはどういった動機だったのですか。

川口 動機はおそらく、単に一番関心があったからだと思います。ただ、科学観測という目的がないと、なかなか資金や予算の獲得が難しい。そのため「大気観測をする」「国際地球観測年(国際科学研究プロジェクトの名称)の中でロケットを使った観測をする」ということが一つの位置づけになっているはずです。

―― ペンシルロケットは小さいロケットなので、素人考えだと「たいしたことない」と思ってしまいがちですが、実はいろいろと実験データを取っていました。

川口 小さいもので実験するのは、それなりに難しいと思います。

―― 逆に難しいところもあるわけですか。

川口 そうですね。実験や観測は往々にしてそうなのですが、そこから精度よい結果を導くのは難しいことだと思います。

―― なるほど。


●日本の特徴は「固体燃料ロケット」だったこと


川口 その小ささをずっと堅持しているわけではなく、ほどなく「カッパロケット」(K-6型、K-9M型など)に進歩していきます。総数でいうと、かなり多くの数が打ち上げられている。1950年...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通

人気の講義ランキングTOP10
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(2)吉田昌郎所長の機転と決断
なぜ部下たちは「吉田昌郎所長となら死ねる」と語ったのか
門田隆将
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(3)戦後の日本経済と海外のインフレ率
オイルショック、バブル…過去と現在の環境の共通点は?
養田功一郎
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二