未来を知るための宇宙開発の歴史
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月で生活できる!? 地球では入手困難な宇宙資源の獲得へ
未来を知るための宇宙開発の歴史(11)地球にない宇宙資源を活用する時代へ
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
近年は「宇宙にある資源を活用しよう」という動きも出てきている。現段階では月にある資源についての解明が進んでいるが、その範囲は拡大し、小天体・小惑星への鉱物資源についても探査が行われている。果たして地球にない宇宙鉱物資源を活用できる日が来るのだろうか。その現状について解説する。(全14話中第11話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分27秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年9月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●驚くべきことに月面上には万遍なく「水」がある


―― 続きまして、先ほども少し話が出ましたが、宇宙の資源をどう生かしていくかというお話です。

川口 私は宇宙資源の専門家ではないので不確かなことを言うかもしれませんが、宇宙資源について、特に国際月探査をする上で重要となってくるのは、一つは月の「長い夜」の問題です。月に大気はありませんから、日陰と日照では気温にものすごく大きな差がある。日陰ではあらゆる機器が壊れてしまうような環境なのです。

 その問題に対する一つの答えに原子力があると思います。原子力のパワーを月に持っていって夜を過ごすということが考えられるのですが、天体上に原子炉を運ぶことについて、簡単に世界中の合意・了解が得られるとは思えない。そうすると、少なくとも日照率の高い場所に基地をつくるということが、まことしやかなシナリオになります。

 この写真は月の極を示しています。左が南極を示しており、南極の緑色で描かれた部分は氷があるといわれています。インドの月探査機「チャンドラヤーン1号」に搭載されたNASAの分光器が観測しました。クレーターの底は永久日陰地帯で、氷があるということです。

 ただ、極に氷があるから極に行くのかというとそうではなく、極に行くのは常時日照だからです。驚くべきことに、月面上にはほぼ満遍なく、濃度はそれほど高いわけではありませんが水があり、処理をすれば水が得られるのです。

 では赤道に着陸していいかというと、そうはならない。半月間の日陰を耐え忍ぶ方法がないので、今は、水もさることながら常時日照を求めて極に下りようとしています。ですから、「ルナ・ゲートウェイ」ステーションも、月の南極側を中継できるような軌道に乗せることになっているわけです。


●月では「その場の資源利用」で生活できる?


川口 月面は場所によっていろいろな物質ができます。溶岩の流れた地形もあって、内部から溶けたものが出てくるというメカニズムもある。したがって、いろいろな場所でいろいろな物質があります。

 下の写真は月の探査機が撮ったものではなく、たまたま木星探査機「ガリレオ」が月上空を通過したときに写した写真を分光器で処理したものです。場所によって物質はずいぶん違っている。そのため、場所が違えばいろいろな鉱物が採...

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