幕末長州~松下村塾と革命の志士たち
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
池田屋で凶刃に倒れた松門四天王・吉田稔麿の師譲りの逸話
幕末長州~松下村塾と革命の志士たち(11)薩長の対立
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
幕末から明治にかけ、日本の政治を大きく変革した原動力は、薩長連合にあった。しかし、実は、幕末の政治局面で、長州と薩摩が対立関係にあったことは、あまり知られていないと山内昌之氏は語る。文久3(1863)年、両藩の対立が形となって現れる。それが、八月十八日の政変である。その経緯を、翌年に起きた池田屋事件と合わせて、歴史学者・山内昌之氏が解説する。(シリーズ講話第11話目)
時間:14分34秒
収録日:2015年1月14日
追加日:2015年3月15日
≪全文≫

●実は犬猿の仲だった幕末の長州と薩摩


 皆さん、こんにちは。

 幕末から明治にかけまして、日本の政治を大きく変革した原動力は、長州藩と薩摩藩の連合にありました。実は、長州と薩摩が、幕末の政治局面で犬猿の仲というほど対立関係にあったことは、あまり知られておらず、その意味も語られていないことが多いのです。

 長州と薩摩が対立したのは、それぞれの性格から言いますと、長州が根本的に骨の髄から革命の藩、あるいは、急進派が突出して物事を成そうとする藩だったのに対して、薩摩は、基本的に藩主、あるいは、藩の上層が藩を保守的に統制しながら、挙藩一致という形で幕末の政治改革に乗り出そうとした藩だったという違いにありました。すなわち、薩摩が外交や謀略に長けていたのに対して、長州はストレートな軍事対決、あるいは、テロといった手段によって目的を実現しようとしたのです。この点において、長州は、幕府と対立し、薩摩は、その権謀術策や外交のレベルにおいて幕府と手を組むことさえあったわけです。現実に、長州藩に対して、薩摩藩は、会津藩、あるいは、後に15代将軍・徳川慶喜となる一橋慶喜たちと手を組みました。これは、長州の勢いや影響力を朝廷から一掃することが薩摩の政治的利益、あるいは、藩の根本的な戦略と考えたからです。


●島津久光は幕府の要人と参預会議をつくり国政を議論


 その結果、文久3(1863)年8月18日に有名なクーデターが起こります。このクーデターにおける薩摩藩のスタンスとは、どういうものであったのか。長州藩と同じく、薩摩藩も、確かに攘夷を掲げていました。しかし、一方で、薩摩藩は、前にもお話ししたかもしれませんが、二人の将軍に対して、藩主の娘、あるいは、養女を輿入れさせ、幕府内部の政治に対して影響力を行使していました。

 したがって、関ヶ原の戦い以来、薩摩藩が、本領を安堵され、江戸幕府からは猜疑心で見られながらも、一目も二目も置かれたのとはと異なり、長州藩は、徹底して反幕で、中国地方に持っていた領土を削られて、防長二州に押し込められました。こういう怨念を持っていた長州藩と、一応徳川とは五分と五分で戦ったという自負を持って幕末を迎えた薩摩藩との間の違いがあるのですね。

 特に、島津斉彬の後を継いだ島津茂久、後に藩主となる忠義の実父であった島津久光は、まず、幕政の改革こそが対...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将

人気の講義ランキングTOP10
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博