幕末長州~松下村塾と革命の志士たち
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
久坂玄瑞ら、禁門の変で散るー長州藩の殺気と狂気
幕末長州~松下村塾と革命の志士たち(12)禁門の変
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
長州藩は、八月十八日の政変以来の京都における失地回復のため、兵を率いて上京し、禁門の変を起こす。しかし、これにより、松門四天王の一人・久坂玄瑞が命を落とすなど、長州にとって非常に大きな犠牲を払う結果となった。果たして、禁門の変は、幕末の流れの中で、どんな意味を持つものだったのか。歴史学者・山内昌之氏が解説する。(シリーズ講話第12話目)
時間:11分06秒
収録日:2015年1月14日
追加日:2015年3月22日
≪全文≫

●京都での失地回復のため、禁門の変を起こす


 皆さん、こんにちは。

 文久3(1863)年の8月18日のクーデター、そして、元治元(1864)年の6月の京都の池田屋事件などによって、長州藩は京都における政治的な影響力を失い、かつ、多くの有能な有為の若者が斬られるという事態となりました。

 これに対して、長州藩は、冤罪であるとして、その冤をすすぐため、京都に出かけて行き、嘆願を試みます。それが、元治元年7月に起こった禁門の変こと蛤御門の変です。長州藩は、家老の福原越後、益田右衛門介、そして、国司信濃という三人の人物が兵を率いて上京します。これは、藩主の軍令状、すなわち、藩の公式命令とも言うべき書付を持って上洛することになりましたので、長州藩の意思として行われたと考えるべきなのです。

 面白いことに、福原越後は、当時の藩主・毛利敬親の世子となるため養子として迎えていた毛利定広の実の兄弟であった人物ですから、藩の家老職を継ぎましたけれども、もともとは毛利の血筋正しい一門につながる人でした。こうした人物から久坂玄瑞、あるいは、来島又兵衛といった下級藩士、もしくは、並みの家格の人物に至るまでが、反幕、さらに、薩賊会奸をスローガンにしてコンセンサスを取って上京したのです。

 久坂玄瑞は、どんなに若くても、ものを冷静に見ることができた人物で、こうした威力上訴という行為、つまり、京都に行き、力を誇示することによって朝廷や天皇の元に意思を伝えようとすることは剣呑であり、必ず幕府との直接対決を招くと、反対します。

 しかしながら、彼らは京都に対して出発します。来島又兵衛、あるいは、久留米の水天宮の神主、宮司であった真木和泉守のような老齢の人物、今日でいえば、もう十二分に老境に達したとされるような人物たちは、むしろ若い青年層の久坂たちに対して、おじけづいたのかと迫ります。「今必要なのは、京都に打って出ることである」と、実際に実力行使もためらわないような発言をしたのは、年を取った人間たちだったのです。このあたりがまた長州藩の面白いところなのですね。

 そこで、「こういうことをすれば、朝廷に対して、弓、あるいは、鉄砲を向けることになるだろう。そういうことはできないのではないか」と久坂たちが言います。これに対し、真木和泉は、「形は足利尊氏であっても、心が楠木正成であれば...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
新撰組と幕末日本の「真実」(2)土方歳三像の真相と江戸の生活事情
土方歳三のイメージはどこまで本当?驚くべき「江戸の常識」
堀口茉純
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(6)日本人の現場力のすごさ
日本は助かる運命にあった…わが国は現場力で保っている国
門田隆将
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄