幕末長州~松下村塾と革命の志士たち
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
西郷隆盛や大久保利通と相いれない木戸孝允のリアリズム
幕末長州~松下村塾と革命の志士たち(14)薩長同盟
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
薩長同盟を締結させた長州藩は、その後、大政奉還を経て、王政復古の大号令とともに明治政府の成立に尽力し、明治維新を成し遂げていく。幕末の変革期において、まさにその中心にいた長州藩だが、歴史的に見たとき、どのような役割を担ったと考えればいいのだろう。歴史学者・山内昌之氏が解説する。(シリーズ講話第14話目)
時間:11分15秒
収録日:2015年1月14日
追加日:2015年4月5日
≪全文≫

●新しい時代をつくるため、薩長同盟を締結


 皆さん、こんにちは。

 長州藩と薩摩藩が手を組んだことは、幕末の政治を大きく展開させ、幕府の時代から新しい時代、すなわち、明治維新という大きなうねりをつくり出す原動力となりました。

 そもそも、当時の動員力、あるいは、兵士を抱える力は、石高で決まります。ですから、長州藩を石高だけで見た場合でも、軍事力が想像されますし、幕府に対してどうやってみても長州一藩では戦うことができなかったのです。薩摩藩と長州藩だけでも厳しいものがありましたから、後に土佐藩や肥前の佐賀藩なども味方に入れて、幕府に対して戦うという構造ができてくるのです。すなわち、今風にいいますと、コアリション(連合)をつくり提携工作をしないと、幕府に対抗できなかったのです。

 したがって、坂本龍馬は、このことを丹念に、そして、粘り強く説いて、長州と薩摩がコアリションを組んで幕府に当たることが、新しい時代をつくっていく条件だとして、薩長同盟を締結させます。

 慶応2(1866)年の6月に第2次長州征伐(第2次長州戦争)、最近は幕長戦争と呼ばれる戦いで、薩摩藩は、会津藩や桑名藩など幕府の雄藩という立場から離れて、中立から、さらに長州藩に対して好意的な立場へと、大きくその立場を旋回させました。

 薩長同盟が締結された背景の一つは、第1次長州征伐(長州戦争)の頃から、西郷隆盛が長州藩に同情的になったという面が挙げられます。西郷は、薩長同盟を結んだ後、イギリスの外交官アーネスト・サトウに対して、「長州問題を解決できないほど幕府は弱体化している」と語ります。そうした幕府に外交を委ねるのは、国にとって多くの弊害がある。したがって、幕府に対して長州と薩摩が手を組んで、新しい政府、新しい国をつくっていくということが、これからの世の中には必要である。この考え方が、坂本龍馬、そして、西郷隆盛に共通するものとして浮かび上がってきたということかと思われます。


●最後に勝ち馬に乗ったのは土佐藩と肥前藩


 こうした明治維新への流れの中で、長州藩が果たした役割とは一体何だったのか。慶応3(1867)年に大政奉還がなされます。そして、王政復古が宣言され、明治新政権が成立します。翌年には戊辰戦争が起こります。すなわち、東北諸藩や越後の幕府寄りの藩との戦争が行われ、その...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(6)賃金の未来シナリオ
AIが人間の仕事を「完全代替」したらどうなる?…仕事と賃金の未来
宮本弘曉
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(1)批判精神と『夢記』
法然の専修念仏を批判…明恵の「あるべきようは」とは?
賴住光子
編集部ラジオ2026(16)宮本弘曉先生:AI大格差
【10min解説】宮本弘曉先生「AI大格差」仕事と給料の未来
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(5)東洋的リーダーシップ
『貞観政要』が人気…日本の経営幹部研修で好まれる理由
三谷宏治
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(1)「ビジョンドリブン」と創造性
妄想から始まる「ビジョンドリブン」で創造的な社会をつくる
佐宗邦威
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹