幕末長州~松下村塾と革命の志士たち
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
吉田松陰の叔父・玉木文之進…松下村塾の創始者の実像とは
幕末長州~松下村塾と革命の志士たち(5)叔父・玉木文之進の教育
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
「松下村塾」は、吉田松陰の名で知られるが、実は松陰の叔父・玉木文之進が立ち上げた私塾であった。文之進はなぜ松下村塾を立ち上げたのか。そして、悲劇といわれるその最期にはどのようないきさつがあったのか。歴史学者・山内昌之氏が語る。(シリーズ講話第5話目)
時間:9分50秒
収録日:2014年12月15日
追加日:2015年2月1日
≪全文≫

●「松下村塾」を立ち上げたのは吉田松陰の叔父・玉木文之進


 皆さん、こんにちは。今日は、いよいよ松下村塾の話に入りたいと思います。

 私は二度ほど松下村塾を訪れたことがありますが、いつ行っても素晴らしい所です。質素で何の飾りもない非常に狭い茅屋(ぼうおく)に、若者たちが集まって吉田松陰の教えを聞いたかと思うと、今でも私にはいろいろな思いがよぎります。

 ところが、松下村塾をもともと立ち上げたのは、実は吉田松陰ではなく、叔父の玉木文之進でした。このことはあまり知られていません。そこで今回は、松陰の叔父である玉木文之進のことを語りながら、松下村塾の成り立ちについて少し触れてみたいのです。

 玉木文之進は、なかなかに面白い魅力ある人物で、もともと吉田松陰の実家である杉家の出身でした。松陰は 「吉田」という姓を名乗り、玉木文之進は「玉木」という姓を名乗っていますが、松陰にとっては血の通った叔父なのです。


●「大組」の重職を解かれた玉木文之進は、自宅で松下村塾を立ち上げる


 長州藩には当時、いろいろな武家の集団がありましたので、格式や階級、家格はさまざまでした。

 長州藩では、歴代の家老を出していく一番高い家臣のレベルを「寄組」と言いました。その次は、藩のさまざまな政治を実質的に担い、財政などを担当するクラスで、「大組」と呼ばれるものです。ここには、実は桂小五郎や周布政之助らがおり、この大組に連なることによって藩政に関与してくことになるのです。

 大組の下にあったのは、「無給通」という面白い名前の家格です。無給通は家格が大変低く、この家格に属していたのが杉家だったのです。文之進は、この杉家から出て、玉木家に入ります。玉木家は大組でした。こうした中、江戸にも詰めた文之進は、大組ということで藩政に関与する役職に就くのです。

 長州藩では、江戸家老を「当役」、国家老を「当職」と言います。これは長州藩独特の言い方で面白いですね。玉木文之進は、当役、すなわち、江戸家老に当たる職まで務めたわけですから、大組の中で成功した優秀な人物だと言っていいと思います。

 ところが、いつの時代にも権力闘争や、人の恨みつらみ、嫉妬心はあるものです。彼は、天保11(1840)年に、部下の不始末に対し同僚たちの追及を受け、その責任を取るという名目で免職になります。

 しかし、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
プロジェクトマネジメントの基本(9)リーダーシップとモチベーション
マズローの欲求階層説を発展させたアルダーファの理論とは
大塚有希子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司