幕末長州~松下村塾と革命の志士たち
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
黒船で密航を図った吉田松陰のエスプリは「認識、即実践」
幕末長州~松下村塾と革命の志士たち(06)松陰の思想「知行合一」
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
世間一般には「尊王攘夷論者」で知られる吉田松陰。しかし、単純な排外主義者ではなく、むしろ非常に柔軟な思考の持ち主であると語る歴史学者・山内昌之氏。果たして松陰の思想はいかなるものだったのか。松陰が目指した国の姿とともに解説する。(シリーズ講話第6話目)
時間:9分15秒
収録日:2014年12月24日
追加日:2015年2月8日
≪全文≫

●吉田松陰とその叔父・玉木文之進について


 皆さん、こんにちは。これまで吉田松陰とはどういう人物であるのか、あるいは、松陰を生んだ長州の政治的風土とはどういうものなのか、ひいては、長州藩の財政的基盤は何だったのか、こうしたことについて話してきました。

 そして、前回は松陰の叔父・玉木文之進が松下村塾の創設者であることに触れ、玉木文之進がいかに多くの人々に影響を与えたか、また、当人も事実上の江戸家老という要職に就き、思想と政治との統一をどのようにして図るのかについて考えた人だということも触れました。


●知識を得たら即実践-吉田松陰が生涯を通して信じた「知行合一」という生き方


 松陰は、吉田家に養子として入りましたが、もともと吉田家は兵学の家であり、松陰は山鹿流兵学者としての側面を持っていました。

 彼は、長州藩の許可を得ずあえて脱藩をしてまで全国を回って、多くの知識や教養を持つ人々と触れ合おうとしました。全国各地を歩くことは、当時の日本の海岸線を歩くことでした。彼は、日本がいかに海防、国防に備えがないかを知り、愕然としました。

 こうした学問と政治、あるいは、知識と行動を不即不離で考えようとする彼のエスプリは、いわば「知行合一」と呼ばれる陽明学の考え方に似ています。すなわち、「認識、即実践」、あることを認識する、あるいは、ある知識を得たならば、それを直ちに行動へ移す「知行合一」とも言うべき考え方にすこぶる近いのです。知識を得ても、そのまま何も活用しなければ、それは死んでしまう。知識を生かすべく直ちに行動を起こさなければならない。これが、吉田松陰の生涯を通して考えた、そして、信じた生き方でした。


●松下村塾で徹底された教え-学問は世のため、人のため、国のためにある


 松陰は、「死ぬことや生きることは全く自分の思考範囲の論外に置き、そうしたことを超えて物事の真理を見極めるために前へ前へ進め」と弟子たちに語っています。このように思想家でありながら書斎にこもらないあたりが、まさに吉田松陰の松陰たるゆえんなのです。すごみと言ってもよろしいでしょう。

 松下村塾の講義では、必ず当時の世相のさまざまな問題に結び付けて具体的な議論が展開されたと言います。すなわち、学問とは世の中のため、人のため、国のためにあるということが徹底されていたのです。


●松陰...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介

人気の講義ランキングTOP10
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
仏法僧の三宝――なぜ1人で仏教に向かってはいけないのか
中島隆博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
禅とは何か~禅と仏教の心(6)目覚めの宗教とブッダの遺言
酔っぱらった自分から覚めよ…悪魔が降参したブッダの悟り
藤田一照
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ