社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.03.20

警察官の平均年収は?

 日々、私たちの生活を守ってくれている警察官。公務員のなかでも危険にさらされることの多い職種になります。責任ある立場でストレスも多いせいか不祥事も少なからず発生しています。今回は、警察官の年収について取り上げたいと思います。

警察官の平均年収は700万円以上

 年収・収入に関する総合情報サイト「年収ガイド」では、総務省による平成26年度「地方公務員給与実態調査結果の概要」をもとに算出した警察官の年収を掲載しています。平均では以下の結果となるそうです。

年収:739万0592円
賞与:183万0272円
月額給与:46万3360円
基本給与:32万1974円
諸手当:14万1386円
(平均年齢38.8歳)

 一般的な公務員の平均年収約650万円と比較してもわかるとおり、警察官の平均年収約739万円は、やはり高めの設定です。これは、各種手当ての違いだけでなく、危険な職務に対して、ベースから高額設定されているといってよいでしょう。

警察官の初任給・初年度年収

 では気になる初任給はどれくらいなのでしょう。
 
・2016年:警視庁・国家公務員Ⅰ類採用者(大卒)→25万2100円
・2016年:大阪府警・地方公務員採用(大卒)→ 20万0600円

 賞与として月額4.3カ月分、各種手当てを加味した初年度の年収として、約300~400万円の年収見込みとなります。国家公務員と地方公務員の違いはあるものの、比較的安定して平均的な収入を得ることができるといえます。

警察官になるには

 ちなみに、先述のように警察官は国家公務員と地方公務員、大きく2種類の採用があります。交番など私たちの生活と関わりの深い警察官は、地方公務員に属します。TVドラマで描かれる「所轄」にいるのはこちらです。一方、国家公務員はいわゆる「キャリア」のことです。

 通常の公務員との違いとしては、採用に身体要件があることでしょうか。男性は160センチ以上、体重48キロ以上、女性は154センチ以上、体重45キロ以上ということで、身体の大きさが条件となります。採用後は全寮制の警察学校に入校し、半年から10カ月の期間、警察官としての知識と技能を学びます。

求められるのは髙いモラルと使命感!?

 ということで、警察官の年収について見てきましたが、一般的な市民感覚として、高めな年収設定の警察官に求めるのは、高いモラルと使命感ではないでしょうか。

 株式会社クラレでは例年、小学校を卒業した子どもとその親を対象に「将来就きたい職業」、「就かせたい職業」というアンケートを実施しているのですが、2016年版の男の子編では、「将来就きたい職業」「就かせたい職業」どちらも警察官はベスト10圏外でした。ちなみに、同サイトでは新小学生として入学した際にも同様のアンケートを行っており、6年前の入学時には「将来就きたい職業」(男の子編)で警察官は3位という結果が出ていました。この結果の要因としては、近年、警察官の不祥事をニュースなどでよく耳にするようになったこともその一つとして考えられるのではないでしょうか。

 もちろん不祥事を起こす警察官はごくわずかで、ほとんどの警察官が高いモラルをもって使命を遂行しているでしょう。しかし、数が少なくてもそれが目立ってしまうのが警察官ともいえます。高収入だからということではなく、警察官はずっと男の子のあこがれの職業であってほしいものですね。

<参考サイト>
・年収ガイド:警察官の年収
http://www.nenshuu.net/shoku/koumuin/keisatukan.php
・株式会社クラレ:クラレアンケート
http://www.kuraray.co.jp/enquete/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
2

「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方

「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方

戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題

保守的な軍国化によって、内戦への機運が高まっているアメリカだが、MAGAと極左という対立図式は表面的なものにすぎない。その根本に横たわっているのは白人とユダヤ人という人種の対立であり、それはカーク暗殺事件によって露...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/11/06
東秀敏
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー
3

「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの

「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの

徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために

10年の修行で自我を手放し宇宙と一体化する境地に達すると、自分中心からホリスティックな視点に変わり、物事の表と裏の共通点が見えてきて、その本質がつかめるという田口氏。人生は常に新たな命題を解き明かし続ける旅である...
収録日:2025/05/21
追加日:2025/11/08
4

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち

たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
5

40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」

40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」

人生100年時代の「ライフシフト概論」(3)キャリアの危機〈下〉

40代前半で訪れる「中年の危機」を脱するためには、会社中心の人生から「未来は自分で作る」という自分を中心とした人生への意識転換が必要だ。そのためのカギは、「Will・Can・Create」の3つから自分の「人生の成長戦略」を考...
収録日:2022/06/15
追加日:2022/09/24
徳岡晃一郎
株式会社ライフシフト 代表取締役会長CEO 多摩大学大学院名誉教授・特任教授