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業界で違う有休事情…有休が「取れる」業界とは
有給休暇、ちゃんと「使って」いますか?
厚労省の就労条件総合調査を見ると、2015年の年次有給休暇の取得日数は平均8.8日、取得率にすると48.7%です。政府が目標とする7割にはほど遠く、菅官房長官は6月5日に「2018年度には、前年度比『3日増』を目指す」と、新たな目標を掲げました。
有給休暇の実態と格差を知って、これからの働き方・休み方を考えるヒントにしましょう。
まず男女では、男性の有休付与日数は18.4日、取得日数は8.4日、取得率は45.8%です。女性の場合、付与日数が17.2日、取得日数9.3日、取得率54.1%となります。「(有休で)OLハワイで風邪ひかん」は昔話、現在の男女格差はそこまで大きくありません。
企業規模でみると、どうなるでしょうか。
従業員数を4段階に分け、右側の数字は取得日数(付与日数)、取得率の順に並べました。
1,000人以上│10.4(19.1)日│54.7%
300~999人│8.5(18.0)日│47.1%
100~299人│7.9(17.7)日│44.8%
30~99人│ 7.4(17.9)日│43.7%
企業規模が小さくなるほど付与される有休の日数も少なく、取得率も減っていくのが分かります。しかし、業界による格差は、それ以上のものがあります。
【有休取得日数の多い業界トップ5】
1.電気・ガス・熱供給・水道業
13.8(19.4日)│71.3%
2.複合サービス事業
12.4(19.5日)│63.7%
3.情報通信業
10.7(19.3日)│55.5%
4.鉱業、採石業、砂利採取業
10.4(18.0日)│57.7%
5.製造業
10.4(18.8日)│55.4%
有休の平均取得実績が10日を超えているのは、これらの業界だけ。少ないほうはどうでしょうか。
【有休取得日数の少ない業界トップ5】
1.宿泊業、飲食サービス業
5.2(16.0日)│32.6%
2.生活関連サービス業、娯楽業
6.2(15.7日)│39.4%
3.卸売業・小売業
6.4(18.0日)│48.2%
4.建設業
6.8(17.8日)│38.2%
5.不動産業、物品賃貸業
7.1(17.4日)│40.9%
業界の名称ではピンときませんが、「複合サービス事業」は郵便局や協同組合、「生活関連サービス業、娯楽業」には理美容、クリーニング、家事サービス、旅行業や映画館、スポーツ施設などが含まれます。最も多い「電気・ガス・熱供給・水道業」と最も少ない「宿泊業、飲食サービス業」を比べると、年間に付与される有休が3.4日、取得実績では8.6日、取得率で38.7%もの差があります。
【有休取得日数の多い企業トップ5】
1.ダイキン工業
20.1日│94.7%
2.ソニー
19.8日│88.2%
3.ホンダ
19.3日│99.8%
4.ダイハツ工業
19.2日│96.8%
5.東京海上ホールディングス
19.1日│63.6%
いずれも日本を代表する大企業ぞろい。1位のダイキン工業では有休付与日数21.3日、2位ソニーでは22.5日、5位東京海上ホールディングスでは30日(いずれも3年平均)と、法定基準(勤続6.5年以上で20日)を超えています。
少し古いデータですが、2010年に「My News Japan」が開示請求したところ、ワースト1は大日本印刷(1920時間)、2位が任天堂(1600時間)、3位がソニーとニコン(1500時間)でした。
仮に年間の残業が1500時間とすると、ひと月では125時間、月に20日働くとすると、毎日6.5時間残業する計算になります。毎日終電近くに帰る人にとって、20日間の有休は「命綱」に近い存在ではないでしょうか。
この「週休3日制」、タイプが二つに分かれるので注意が必要。佐川急便やユニクロでは、「変形労働時間制度」を活用し、休日を1日増やす代わりに、労働時間が1日10時間になります(ユニクロは、地域正社員のみを対象)。つまり、これまで8×5=40時間(週)であったものが、10×4=40時間となるのです。1日の労働時間を長くすると、残業代をカットできるところに目をつけた経営戦略のように見えてきます。
一方、休みを増やした分は「時短」となり、出勤日1日当たりの所定労働時間は増やさない企業もあります。直近では、2017年4月1日から「えらべる勤務制度」として、週休3日での勤務を選べるようにしたのが、ヤフーです。ただし、育児や介護など、一定の基準を満たすことが必要。「休みたい」からといって休めるわけではなく、給料もその分カットされていくのが実情です。
「ワークライフバランス」や「ブラックか、ホワイトか」を心配する手前で、今の自分にとって本当に都合のいい働き方・休み方はどんなものなのか、考えてみるのがいいのかもしれません。
厚労省の就労条件総合調査を見ると、2015年の年次有給休暇の取得日数は平均8.8日、取得率にすると48.7%です。政府が目標とする7割にはほど遠く、菅官房長官は6月5日に「2018年度には、前年度比『3日増』を目指す」と、新たな目標を掲げました。
有給休暇の実態と格差を知って、これからの働き方・休み方を考えるヒントにしましょう。
業界でこんなに違う有休事情
年次有給休暇(有休)8.8日取得と聞いて、多いと感じる人もいれば、少ないと感じる人もいるでしょう。男女、企業規模、業界によって、有休取得状況には差があるからです。まず男女では、男性の有休付与日数は18.4日、取得日数は8.4日、取得率は45.8%です。女性の場合、付与日数が17.2日、取得日数9.3日、取得率54.1%となります。「(有休で)OLハワイで風邪ひかん」は昔話、現在の男女格差はそこまで大きくありません。
企業規模でみると、どうなるでしょうか。
従業員数を4段階に分け、右側の数字は取得日数(付与日数)、取得率の順に並べました。
1,000人以上│10.4(19.1)日│54.7%
300~999人│8.5(18.0)日│47.1%
100~299人│7.9(17.7)日│44.8%
30~99人│ 7.4(17.9)日│43.7%
企業規模が小さくなるほど付与される有休の日数も少なく、取得率も減っていくのが分かります。しかし、業界による格差は、それ以上のものがあります。
【有休取得日数の多い業界トップ5】
1.電気・ガス・熱供給・水道業
13.8(19.4日)│71.3%
2.複合サービス事業
12.4(19.5日)│63.7%
3.情報通信業
10.7(19.3日)│55.5%
4.鉱業、採石業、砂利採取業
10.4(18.0日)│57.7%
5.製造業
10.4(18.8日)│55.4%
有休の平均取得実績が10日を超えているのは、これらの業界だけ。少ないほうはどうでしょうか。
【有休取得日数の少ない業界トップ5】
1.宿泊業、飲食サービス業
5.2(16.0日)│32.6%
2.生活関連サービス業、娯楽業
6.2(15.7日)│39.4%
3.卸売業・小売業
6.4(18.0日)│48.2%
4.建設業
6.8(17.8日)│38.2%
5.不動産業、物品賃貸業
7.1(17.4日)│40.9%
業界の名称ではピンときませんが、「複合サービス事業」は郵便局や協同組合、「生活関連サービス業、娯楽業」には理美容、クリーニング、家事サービス、旅行業や映画館、スポーツ施設などが含まれます。最も多い「電気・ガス・熱供給・水道業」と最も少ない「宿泊業、飲食サービス業」を比べると、年間に付与される有休が3.4日、取得実績では8.6日、取得率で38.7%もの差があります。
有休の「取れる」企業は?
東洋経済では毎年、「有給休暇取得率のランキング」を発表しており、「休みやすい会社」が分かるデータベースとしています。詳しくは『CSR企業総覧2017年版[雇用・人材活用編]』(東洋経済新報社)。ここでは2013年度から2015年度までの3年平均によるトップ5企業のみ引用しておきましょう。【有休取得日数の多い企業トップ5】
1.ダイキン工業
20.1日│94.7%
2.ソニー
19.8日│88.2%
3.ホンダ
19.3日│99.8%
4.ダイハツ工業
19.2日│96.8%
5.東京海上ホールディングス
19.1日│63.6%
いずれも日本を代表する大企業ぞろい。1位のダイキン工業では有休付与日数21.3日、2位ソニーでは22.5日、5位東京海上ホールディングスでは30日(いずれも3年平均)と、法定基準(勤続6.5年以上で20日)を超えています。
有休が取りやすくても「ホワイト」とは言えない!
年間に20日近くも有休が取れるなんて、「これぞホワイト!」と飛びついてしまいそうですが、企業はそう甘くありません。「休暇」をたくさんもらえても、「残業」はどうでしょうか。実は大企業の多くが「時間外労働・休日労働に関する協定届」(36(サブロク)協定)を提出しています。これにより、国の過労死基準を超える時間外労働を命じることもできるという、悪名高い「労使協定」です。少し古いデータですが、2010年に「My News Japan」が開示請求したところ、ワースト1は大日本印刷(1920時間)、2位が任天堂(1600時間)、3位がソニーとニコン(1500時間)でした。
仮に年間の残業が1500時間とすると、ひと月では125時間、月に20日働くとすると、毎日6.5時間残業する計算になります。毎日終電近くに帰る人にとって、20日間の有休は「命綱」に近い存在ではないでしょうか。
一部では週休3日の動きも出ているが…
「有休3日増」どころか、「週休3日制」を導入、あるいは検討しようという企業が増えたことも話題になっています。佐川急便、ヤフー、ユニクロ(ファーストリテイリング)などが制度を開始し、ヤマト運輸も検討中だと言われています。この「週休3日制」、タイプが二つに分かれるので注意が必要。佐川急便やユニクロでは、「変形労働時間制度」を活用し、休日を1日増やす代わりに、労働時間が1日10時間になります(ユニクロは、地域正社員のみを対象)。つまり、これまで8×5=40時間(週)であったものが、10×4=40時間となるのです。1日の労働時間を長くすると、残業代をカットできるところに目をつけた経営戦略のように見えてきます。
一方、休みを増やした分は「時短」となり、出勤日1日当たりの所定労働時間は増やさない企業もあります。直近では、2017年4月1日から「えらべる勤務制度」として、週休3日での勤務を選べるようにしたのが、ヤフーです。ただし、育児や介護など、一定の基準を満たすことが必要。「休みたい」からといって休めるわけではなく、給料もその分カットされていくのが実情です。
「ワークライフバランス」や「ブラックか、ホワイトか」を心配する手前で、今の自分にとって本当に都合のいい働き方・休み方はどんなものなのか、考えてみるのがいいのかもしれません。
<参考サイト>
・政府が有給休暇「3日増」、実施企業に助成も
https://zuuonline.com/archives/155620
・厚生労働省「就労条件総合調査」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/16/dl/gaiyou01.pdf
・「有給休暇取得日数が多い会社」トップ100社
http://toyokeizai.net/articles/-/164317
・就職人気企業の6割が過労死基準超え 225社の36協定で判明
http://www.mynewsjapan.com/reports/1385/
・佐川急便やヤフーが進める「週休3日」の盲点
http://toyokeizai.net/articles/-/176261
・政府が有給休暇「3日増」、実施企業に助成も
https://zuuonline.com/archives/155620
・厚生労働省「就労条件総合調査」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/16/dl/gaiyou01.pdf
・「有給休暇取得日数が多い会社」トップ100社
http://toyokeizai.net/articles/-/164317
・就職人気企業の6割が過労死基準超え 225社の36協定で判明
http://www.mynewsjapan.com/reports/1385/
・佐川急便やヤフーが進める「週休3日」の盲点
http://toyokeizai.net/articles/-/176261
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