社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
国際人材としての基礎力を養成する学習院大学の新学部
初夏から秋にかけては各大学のオープンキャンパスが熱い季節。高校生向けの模擬講義、在学生が案内するキャンパスツアーなど、気になる大学の雰囲気や将来勉強したいテーマを体験してみるチャンスです。2016年、学習院大学が52年ぶりに新設した国際社会科学部について、10MTVでは同学部教授である伊藤元重氏が直接ナビをされています。
伊藤氏によると、カリキュラムは4年を丸ごと生かしたステップアップ方式です。最初の2年間、学生は英語を徹底的に学ぶとともに、社会科学を日本語とやさしい英語で学び始めます。3年生からの2年間はキャリアへの仕上げとして、多くの授業を英語で受講し、英語でディスカッションやプレゼンテーションを行っていきます。
また、4週間以上の海外経験を必修で課している点もユニークです。留学は単なる語学留学にとどまらず、例えば発展途上国の経済支援や国際的な環境問題についての考察などを視野に置いたものとなります。
英語教員のほうも、日本人のほかにアメリカ人・イギリス人・カナダ人と国際色豊か。単にネイティブであるというだけでなく、英語教育のプロフェッショナルとして、国際人にふさわしい英語の力を磨いてくれます。英語を基本ツールとした専門的なソーシャル・サイエンスの教育が、本学部では期待できるということです。
2年目にあたる本年度は、2年生にも「Japanese Economy」を講義。日本経済そのものを英語でレクチャーし、語り合う目論見です。日本経済についての講義をあえて英語で行う意味は、学生たちが日本経済を海外で語れるような知識・能力を身につけさせるためです。
欧米の大学では、このようなタイプの学部教育は「リベラルアーツ」的な教育と呼ばれることがあります。学習院大学国際社会科学部が目指しているのは、ジェネラリストとしての常識や判断力、多岐にわたる知識や分析力のようです。
4年間の学びの後、さらに専門的な研究を目指すもよし、国際的な人材として国際機関の職員や海外企業に就職して実力を発揮するもよし。日本が今求める人材の一つのプロトタイプが、この学部にはありそうです。
「甘くない」学びで、「まじめに」世界を目指す
国際社会科学部のHPを開くと、「まじめ」と「甘くない」がキーワードになっていることが分かります。「語学」と「社会科学(ソーシャル・サイエンス)」の二本柱を4年間で身につけようというのだから、「まじめ」でなければついていけないし、専門科目を英語で学ぶのは「甘くない」学びであろうと想像がつきます。伊藤氏によると、カリキュラムは4年を丸ごと生かしたステップアップ方式です。最初の2年間、学生は英語を徹底的に学ぶとともに、社会科学を日本語とやさしい英語で学び始めます。3年生からの2年間はキャリアへの仕上げとして、多くの授業を英語で受講し、英語でディスカッションやプレゼンテーションを行っていきます。
また、4週間以上の海外経験を必修で課している点もユニークです。留学は単なる語学留学にとどまらず、例えば発展途上国の経済支援や国際的な環境問題についての考察などを視野に置いたものとなります。
学部の基本ツールは英語
迎える教授陣も、伊藤氏をはじめとした社会科学教員と英語教員が、いずれも学部の専任として担当します。ここで注意したいのは、伊藤氏が経済学者としてのスタートを米国ヒューストン大学で切っていることです。その他の教授も、海外で博士号を取ったり、海外で教えた経験を持っていたり、国際的な学会で活躍している教員ぞろい。いずれも、専門テーマを英語で教授できる方ばかりです。英語教員のほうも、日本人のほかにアメリカ人・イギリス人・カナダ人と国際色豊か。単にネイティブであるというだけでなく、英語教育のプロフェッショナルとして、国際人にふさわしい英語の力を磨いてくれます。英語を基本ツールとした専門的なソーシャル・サイエンスの教育が、本学部では期待できるということです。
英語で「日本経済」を語れる力を20歳で身につける
伊藤氏の専門を例に取れば、1年生にはグローバル経済入門の演習を行います。大学に入学した途端、難民問題、外国人労働者問題、三菱自動車の不祥事、値上げ・値下げのもたらす影響と物価など、今まさに目の前で動いている社会課題のトピックを検討するのです。課題をニュースとして見聞するだけでなく、解決に取り組む側へ、大きな意識転換です。2年目にあたる本年度は、2年生にも「Japanese Economy」を講義。日本経済そのものを英語でレクチャーし、語り合う目論見です。日本経済についての講義をあえて英語で行う意味は、学生たちが日本経済を海外で語れるような知識・能力を身につけさせるためです。
欧米の大学では、このようなタイプの学部教育は「リベラルアーツ」的な教育と呼ばれることがあります。学習院大学国際社会科学部が目指しているのは、ジェネラリストとしての常識や判断力、多岐にわたる知識や分析力のようです。
4年間の学びの後、さらに専門的な研究を目指すもよし、国際的な人材として国際機関の職員や海外企業に就職して実力を発揮するもよし。日本が今求める人材の一つのプロトタイプが、この学部にはありそうです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
胆のう結石、胆のうポリープ…胆のうの仕組みと治療の実際
胆のうの病気~続・がんと治療の基礎知識(1)胆のうの役割と胆石治療
消化にとって重要な臓器「胆のう」。この胆のうにはどのような仕組みがあり、どのような病気になる可能性があるのだろうか。その機能、役割についてあまり知る機会のない胆のう。「サイレントストーン」とも呼ばれる、見つけづ...
収録日:2024/07/19
追加日:2025/07/14
青春期は脳のお試し期間!?社会的ニッチェと信頼の形成へ
今どきの若者たちのからだ、心、社会(2)思春期の成長、青春の脳
思春期にからだが急激に成長することを「思春期のスパート」と呼ぶ。先行して大きくなった脳にからだを追いつかせるための戦略である。脳はそれ以上大きくならないが、脳内の配線が変化する。そうした青春期の脳の実態を知るた...
収録日:2024/11/27
追加日:2025/07/12
イエスも法華経のアバター?「全世界救済」の具体像を示す
おもしろき『法華経』の世界(7)真の救済に向かう
『法華経』の原題は「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」といい「白蓮の正しい教え」を表す。想像を超えた長い年月、無数のアバターを通して『法華経』が目指すのは真の救済である。それゆえキリスト教のイエスも「久遠実成...
収録日:2025/01/27
追加日:2025/07/13
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
日本の財政をくまなく検査し、その収入と支出を把握する会計検査院。日本のメディア報道などでは、予算の決定や補助金などの政策決定については詳しく報じられるが、それがどのように実際に使われたかは、ほとんど言及がない。...
収録日:2025/04/14
追加日:2025/07/11
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
日本経済が低迷する原因は何か。大きなポイントとして「お金が回っておらず、死蔵されてしまっていること」が挙げられる。そもそも、お金が市中にどのように流通し、どのような役割を果たしていくのかを理解しなければ、経済を...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/02/22