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意外に知らないタクシードライバーの年収とは?
		        	    
 一説によると年収1千万超も少なくない。また、ある説によると月収10万円程度でピイピイしている。あまりに諸説の分かれるタクシー・ドライバーの年収状況について、調べてみました。
平成28年のタクシー運転者(男)の全国平均年収は332万円。全産業男性労働者の平均年収549.4万円と比べると6割にしか達しません。しかし、これにはいくつかの理由があります。
1.タクシー運転者の定年は65歳~75歳(会社によっては「ない」場合も)
2.タクシー運転者の多くは歩合制(売上の6割)を給与としてもらうことが多く、ベテランになると個人タクシーを開業する割合が高い
全国タクシー運転者の平均年齢は58.4歳(平均勤続年数は9.3年)。全産業男性労働者では平均43歳(平均勤続年数は13.3年)ですから、そもそも、スタートラインが違っていることが分かります。
年収の高い順に並べると以下のようになります。
・営業用バス運転者 :449.3万円(平均年齢50歳、勤続12.3年)
・営業用普大型貨物自動車運転者:449万円(平均年齢47.6歳、勤続11年)
・営業用普通・小型貨物自動車運転者:403.7万円(平均年齢45.5歳、勤続9.8年)
ここでも水をあけられたタクシー・ドライバーですが、年齢階級別にみると「逆転」劇を見せています。65~69歳のタクシー運転者の平均月収は23.4万円。営業用バス運転者の平均月収21.2万円を追い抜きます。さらに70歳以上になると、タクシー運転者の平均月収21.7万円は、営業用普通・小型貨物自動車運転者の平均月収21万円、営業用バス運転者の15.9万円に差をつけていくのです。タクシー・ドライバーは、少子高齢化社会の希望の職業かもしれません。
【ベスト5】
県名:タクシー運転者(男)年収/全産業男性労働者年収/格差
東京:442.8万円/677.2万円/234.4万円
千葉:387.7万円/519万円/131.3万円
大阪:368.1万円/88.7万円/ 220.5万円
神奈川:359.8万円/ 601.8万円/242万円
埼玉:358.6万円/519.2万円 /160.5万円
【ワースト5】
県名:タクシー運転者(男)年収/全産業男性労働者年収:格差
大分:217.2万円/442.8万円/225.6万円
鹿児島:220.7万円 /436.7万円/216万円
鳥取:221.1万円/428万円/206.8万円
岩手:226.1万円/407.9万円/181.7万円
沖縄:226.4万円/388.6万円 /162.2万円
「いろいろな見方」と言いましたが、東京都のタクシー・ドライバー(男)は月間200時間勤務で全産業男性労働者平均の175時間を25時間上回っています。ワーストにランクインした大分では167時間の勤務(全産業では183時間)、沖縄では165時間(全産業では180時間)なので、労働時間差は逆転。休みの多い職業になっているわけです。
実際にタクシー・ドライバーのブログなどを読むと、「人間関係のストレスがない」「やればやった分だけ給与として返ってくる」「自分の時間を大事にできる」などをメリットにあげている人が目立ちます。
個人タクシーとして独立するには、「年齢が申請日現在65歳未満」で「タクシーなどの業務による運転経歴が10年以上」のほか、「開業に要する資金を保有していること」、「過去の一定期間に道路交通法等の違反歴がないこと」などを満たさなければなりません。
一国一城の主ですから、車やガソリンにかかる費用はすべて自費とはいっても、もちろん経費として認められます。個人タクシーの平均年収については、「平均年収.jp」がおよそ350~650万円という数字を挙げています。
タクシー会社に勤めるにせよ、個人タクシーとして営業するにせよ、年収は売上次第。研究を惜しまず、体力のある若いドライバーにもやりがいのある職業ではないかと感じました。
		        平成28年のタクシー運転者(男)の全国平均年収は332万円。全産業男性労働者の平均年収549.4万円と比べると6割にしか達しません。しかし、これにはいくつかの理由があります。
1.タクシー運転者の定年は65歳~75歳(会社によっては「ない」場合も)
2.タクシー運転者の多くは歩合制(売上の6割)を給与としてもらうことが多く、ベテランになると個人タクシーを開業する割合が高い
全国タクシー運転者の平均年齢は58.4歳(平均勤続年数は9.3年)。全産業男性労働者では平均43歳(平均勤続年数は13.3年)ですから、そもそも、スタートラインが違っていることが分かります。
宅急便やバス運転手と比べてみると?
タクシー・ドライバーのほかに、自動車運転を職業とするのは、営業用大型貨物自動車運転者(トラック運転手)、営業用普通・小型貨物自動車運転者(いわゆる宅配便の人)、営業用バス運転者(観光バスや都バス、はとバスなどの運転手さん)の3種類です。この中で比較してみましょう。年収の高い順に並べると以下のようになります。
・営業用バス運転者 :449.3万円(平均年齢50歳、勤続12.3年)
・営業用普大型貨物自動車運転者:449万円(平均年齢47.6歳、勤続11年)
・営業用普通・小型貨物自動車運転者:403.7万円(平均年齢45.5歳、勤続9.8年)
ここでも水をあけられたタクシー・ドライバーですが、年齢階級別にみると「逆転」劇を見せています。65~69歳のタクシー運転者の平均月収は23.4万円。営業用バス運転者の平均月収21.2万円を追い抜きます。さらに70歳以上になると、タクシー運転者の平均月収21.7万円は、営業用普通・小型貨物自動車運転者の平均月収21万円、営業用バス運転者の15.9万円に差をつけていくのです。タクシー・ドライバーは、少子高齢化社会の希望の職業かもしれません。
都道府県別の格差はどうなっている?
格差についてはいろいろな見方がありますが、単純に額面でトップ5とワースト5をあげてみましょう。【ベスト5】
県名:タクシー運転者(男)年収/全産業男性労働者年収/格差
東京:442.8万円/677.2万円/234.4万円
千葉:387.7万円/519万円/131.3万円
大阪:368.1万円/88.7万円/ 220.5万円
神奈川:359.8万円/ 601.8万円/242万円
埼玉:358.6万円/519.2万円 /160.5万円
【ワースト5】
県名:タクシー運転者(男)年収/全産業男性労働者年収:格差
大分:217.2万円/442.8万円/225.6万円
鹿児島:220.7万円 /436.7万円/216万円
鳥取:221.1万円/428万円/206.8万円
岩手:226.1万円/407.9万円/181.7万円
沖縄:226.4万円/388.6万円 /162.2万円
「いろいろな見方」と言いましたが、東京都のタクシー・ドライバー(男)は月間200時間勤務で全産業男性労働者平均の175時間を25時間上回っています。ワーストにランクインした大分では167時間の勤務(全産業では183時間)、沖縄では165時間(全産業では180時間)なので、労働時間差は逆転。休みの多い職業になっているわけです。
実際にタクシー・ドライバーのブログなどを読むと、「人間関係のストレスがない」「やればやった分だけ給与として返ってくる」「自分の時間を大事にできる」などをメリットにあげている人が目立ちます。
個人タクシーの年収事情は?
タクシー・ドライバーには、会社に勤めている人のほか、個人タクシーとして開業している人も多くいます。国土交通省の調べでは、平成26年の法人タクシー車両数は191,363台、個人タクシーは36,962台です。個人タクシーとして独立するには、「年齢が申請日現在65歳未満」で「タクシーなどの業務による運転経歴が10年以上」のほか、「開業に要する資金を保有していること」、「過去の一定期間に道路交通法等の違反歴がないこと」などを満たさなければなりません。
一国一城の主ですから、車やガソリンにかかる費用はすべて自費とはいっても、もちろん経費として認められます。個人タクシーの平均年収については、「平均年収.jp」がおよそ350~650万円という数字を挙げています。
タクシー会社に勤めるにせよ、個人タクシーとして営業するにせよ、年収は売上次第。研究を惜しまず、体力のある若いドライバーにもやりがいのある職業ではないかと感じました。
<参考サイト>
・一般社団法人ハイヤー・タクシー連合会
http://www.taxi-japan.or.jp/content/?a=13
・平均年収.jp
http://heikinnenshu.jp/other/taxi.html
			            
		            ・一般社団法人ハイヤー・タクシー連合会
http://www.taxi-japan.or.jp/content/?a=13
・平均年収.jp
http://heikinnenshu.jp/other/taxi.html
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