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DATE/ 2017.09.23

40~50代が実践すべき「お金の貯め方」

 ファイナンシャルインディペンデンス代表取締役の田口智隆氏は20代のとき、膨らんだ借金のために自己破産寸前まで陥りました。ところが、節約と資産運用によって数年で完済し、さらには30代でお金に不自由しない生活を手に入れ、富豪と呼ばれるようになりました。

 その田口氏が、年代別のお金の貯め方、使い方を雑誌『PRESIDENT 2017年8/14号』において、「日本一やさしいお金の学校」というテーマでレクチャーしています。

40代は「残業」より「副業」に切り替える

 40代に対しては、とりわけ「年収が頭打ちで、この先、大幅アップが望めない」という方に向けて書かれています。年収増が望めない場合でも、田口氏はリスクを負う転職は勧めていません。それよりも、副業を得ることで収入源を増やすことを助言しています。

 その意味でも、会社で多くの仕事を抱えて残業を増やすよりも、残業をやめて副業したり、副業につながるスキルアップに時間を使ったほうが経済的だとのことです。スキルアップについては、英語の習得が最も役に立つと述べています。

 また、お金を貯めるためには、面倒くさがらずに家計を見直すことが大事なのだそうです。出費が大きい住宅ローンや保険料は、とくに注意が必要で、「年数が経て金利が下がった、自身の返済能力が上がったなどの変化もある」ため、積極的に借り換えや乗り換えを検討すべきとしています。

 現在、政府は働き方改革として副業・兼業を推奨しているので、田口氏の考え方は決して突飛なものではなく、時代の流れにもあった発想だということができます。

どう過ごすかが、老後を大きく左右する50代

 50代は「どう過ごすかが、老後を大きく左右する」時期になると書いています。定年以降は、たいていは収入が大幅に減少します。定年までに1000万円は貯蓄しておいた方がいいと勧めています。なぜ1000万円かというと、田口氏の経験から貯蓄が1000万円に届くと、「この大台は死守したい」という気持ちが芽生えると同時に、「もっと増やしたい」という欲も出てくるからとのことです。

 貯蓄1000万円のための節約や資産運用をしながら、定年後の働き方を考えていく必要があります。定年後は、それまでのように働くのは体力的に不可能なので、発想を切り替えて、貯蓄と年金を生活の柱として、低収入でも「豊かに生きる」「楽しみながら働ける」仕事を見つけた方がよいとのこと。

 たとえば、「料理」「音楽」「語学」「茶道」など、趣味を単なる趣味で終わらせずに、教えられるくらいにマスターできれば、教室を開いて「楽しみながら働ける仕事」として働くことができます。

人前で1時間以上語れることが「お金の種」になる

 「ダイヤモンド・オンライン」において、田口氏は「人前で1時間以上語れることが『お金の種』になる」、「私が知っている副業や起業で成功している人のほとんどは、自分のビジネスの種である好きなことについては雄弁ですし、いろいろと質問を投げかけても、必ず的確な答えが返ってきます」と述べ、「趣味や特技など自分の“好き”なことで収入を得る『幸せな副業』」を提案しています。

 ポイントは「ワクワクした気持ちになれる」かどうか。みなさんはいかがですか。「人前で1時間以上語れるほど、好きなこと」、あるいは「ワクワクした気持ちになれること」はありますか。

 田口氏の指摘は今すぐ実践できることがほとんどです。記述は年代別にはなっていますが、すべての年代の指摘がすべての年代に当てはまる部分があると思います。全体に共通して言えることは、「消費」や「浪費」をなるべく減らし、「投資」を増やしていくことです。

 もちろん、資産運用だけが投資ではありません。スキルアップもコミュニケーションも将来的に資産を増加させるための活動であれば投資といえます。富豪になるファーストステップは、常に投資意識を持つようにすることなのでしょう。

<参考文献・参考サイト>
・「PRESIDENT2017年8/14号」(プレジデント社)
・「ダイヤモンド・オンライン」1時間以上語れるほど好きなものは「お金の種」になる
http://diamond.jp/articles/-/126210
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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