社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
すぐにできる「不安」を一瞬で消し去る方法
メッセージアプリで読んだメッセージに返信しないことを指す「既読スルー・既読無視」は、いやがられる行動としてメディアでよく取り上げられます。なぜいやがられるのかというと、スルーされた人は「嫌われたのかな」と不安になるから。
既読スルー以外にも、他人が褒められると自分は無価値に感じたり、大切な会議が気になって眠れなかったりと、日常のよくある場面で不安に悩まされる人は多いのではないでしょうか。
このような不安は自分を客観視できないために起こります。不安を感じている本人もそんなはずはないとわかっているのですが、主観的な「嫌われた自分」や「無価値な自分」ばかり見ているので、現実をそのまま受け止められないのです。
客観視の力は脳の背内側前頭前野が司っており、この部分が発達している人は自分を冷静に見られると考えられています。しかし、脳の強化には時間がかかるので、今まさに感じている不安には対処できませんよね。
そこで、『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(大嶋信頼著、すばる舎)を参考に、今日からできる不安解消法を見てみましょう。
人間はバランスを取る機能が自然にはたらくため、「克服できる」と強く念じるほど「克服できない」という逆の思考も強くなり、身動きが取れなくなります。仕事や家事をためこんだとき、「やらなくちゃ」と思うほど動けなくなるのも「やれない」という逆の思考でバランスを取るからです。
不安を消すためになにより重要なのは、不安から意識を逸らすこと。そうはいっても、不安を気にしないようにすればするほど気になってしまいますよね。これは「気にしない」という意識を不安に向けているので逆効果なのです。
ポイントは不安と無関係な思考にシフトチェンジすることです。その方法として、同書では暗示を紹介しています。
暗示というと、うさんくさく感じる人もいるかもしれません。しかし、暗示で心が穏やかになると現実がクリアに見えるので、背内側前頭前野を鍛えた状態と同じ効果が得られるといえます。
きちんと効果を出すには、不安の根本的な原因を消す必要があります。同書にあげられている、なにをやってもだめだと思っている人の具体例を見てみましょう。この人は、本当の実力はすごいという逆の思考も持っていますが、その根本にある不安の原因は「褒められたい」とか「馬鹿にされたくない」というような周囲の評価なのです。そこで周囲の評価は気にしないという意味を込めて、「唯我独尊の喜び!」と7回唱えて暗示すれば心のバランスが取れると解説しています。
やるべきことがやれていないときの不安は、うまくできなかったり行き詰まったりすることへの不安が根本的な原因です。そこで「冷静沈着と瞬発力!」と7回唱えて暗示すれば、不安がふくらむ前に行動できるというわけです。
このように暗示の言葉を繰り返して心を穏やかにすると、現実を客観的に見られるようになって、不安になる必要などなかったとわかるのです。
ちなみに、自己暗示法の創始者とされる19世紀のフランス人薬剤師エミール・クーエは、「こうしたい」と暗示しようとしたときに「できない」と逆の思考をもたらすのは潜在意識だと考えました。そこで、潜在意識には「こうしたい」ではなく「こうなろう」と語りかけることが効果的だとして、「毎日、すべての面で、私はよりよくなってゆく」という暗示を勧めています。不安を解消する暗示もこの考え方が参考になるでしょう。
『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』では、暗示が効果を発揮して不安を解消できると、「自分ってもしかして、自由に生きるために存在しているのかも!」と思えるほど心が解放されると語られます。自分の人生を自分の喜びと感じられるように、暗示の言葉で不安のない毎日を手に入れましょう。
<参考文献・参考サイト>
・『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(大嶋信頼著、すばる舎)
・Mind Study エミール・クーエの法則
http://mindstudy.life.coocan.jp/newpage28.htm
既読スルー以外にも、他人が褒められると自分は無価値に感じたり、大切な会議が気になって眠れなかったりと、日常のよくある場面で不安に悩まされる人は多いのではないでしょうか。
このような不安は自分を客観視できないために起こります。不安を感じている本人もそんなはずはないとわかっているのですが、主観的な「嫌われた自分」や「無価値な自分」ばかり見ているので、現実をそのまま受け止められないのです。
客観視の力は脳の背内側前頭前野が司っており、この部分が発達している人は自分を冷静に見られると考えられています。しかし、脳の強化には時間がかかるので、今まさに感じている不安には対処できませんよね。
そこで、『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(大嶋信頼著、すばる舎)を参考に、今日からできる不安解消法を見てみましょう。
人間は対の思考でバランスを取ろうとする
不安を感じるなら、その不安のもとを克服できると考えればよいでしょうか。実はそうではないのです。人間はバランスを取る機能が自然にはたらくため、「克服できる」と強く念じるほど「克服できない」という逆の思考も強くなり、身動きが取れなくなります。仕事や家事をためこんだとき、「やらなくちゃ」と思うほど動けなくなるのも「やれない」という逆の思考でバランスを取るからです。
不安を消すためになにより重要なのは、不安から意識を逸らすこと。そうはいっても、不安を気にしないようにすればするほど気になってしまいますよね。これは「気にしない」という意識を不安に向けているので逆効果なのです。
ポイントは不安と無関係な思考にシフトチェンジすることです。その方法として、同書では暗示を紹介しています。
暗示というと、うさんくさく感じる人もいるかもしれません。しかし、暗示で心が穏やかになると現実がクリアに見えるので、背内側前頭前野を鍛えた状態と同じ効果が得られるといえます。
不安から心を解き放つ暗示の言葉
暗示は言葉で意識を不安から遠ざける方法です。ただし、どんな言葉でも効果が出るわけではありません。人間にはバランスを取る機能があるので、「できる」と暗示すると「できない」という思考もはたらいて打ち消し合ってしまいます。きちんと効果を出すには、不安の根本的な原因を消す必要があります。同書にあげられている、なにをやってもだめだと思っている人の具体例を見てみましょう。この人は、本当の実力はすごいという逆の思考も持っていますが、その根本にある不安の原因は「褒められたい」とか「馬鹿にされたくない」というような周囲の評価なのです。そこで周囲の評価は気にしないという意味を込めて、「唯我独尊の喜び!」と7回唱えて暗示すれば心のバランスが取れると解説しています。
やるべきことがやれていないときの不安は、うまくできなかったり行き詰まったりすることへの不安が根本的な原因です。そこで「冷静沈着と瞬発力!」と7回唱えて暗示すれば、不安がふくらむ前に行動できるというわけです。
このように暗示の言葉を繰り返して心を穏やかにすると、現実を客観的に見られるようになって、不安になる必要などなかったとわかるのです。
暗示は潜在意識にはたらきかける
暗示は潜在意識にはたらきかけると考えられています。潜在意識とは、自覚なく行動や思考に影響を与える意識の深層部分。生命体は自覚なく血液を循環させたり食べ物を消化したりしています。これと同様に、自覚していない心の動きもあるのです。ちなみに、自己暗示法の創始者とされる19世紀のフランス人薬剤師エミール・クーエは、「こうしたい」と暗示しようとしたときに「できない」と逆の思考をもたらすのは潜在意識だと考えました。そこで、潜在意識には「こうしたい」ではなく「こうなろう」と語りかけることが効果的だとして、「毎日、すべての面で、私はよりよくなってゆく」という暗示を勧めています。不安を解消する暗示もこの考え方が参考になるでしょう。
『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』では、暗示が効果を発揮して不安を解消できると、「自分ってもしかして、自由に生きるために存在しているのかも!」と思えるほど心が解放されると語られます。自分の人生を自分の喜びと感じられるように、暗示の言葉で不安のない毎日を手に入れましょう。
<参考文献・参考サイト>
・『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(大嶋信頼著、すばる舎)
・Mind Study エミール・クーエの法則
http://mindstudy.life.coocan.jp/newpage28.htm
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた主な要因として、二つのオウンゴールを挙げる島田氏。その一つとして台湾のモリス・チャン氏によるTSMC立ち上げの話を取り上げるが、日本はその動きに興味を示さず、かつて世界を席巻して...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/25
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/14
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
全ては光だと説く空海が、なぜその著書『秘蔵宝鑰』で、「死に死に死に死んで死の終りに冥(くら)し」と書いたのか。『秘蔵宝鑰』については、以前のテンミニッツ・アカデミー講義でも解説したが、そこから半年かけてこの書を...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/26
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
「熟睡とは健康な睡眠」だと西野氏はいうが、健康な睡眠のためには具体的にどうすればいいのか。睡眠とは壊れやすいもので、睡眠に影響を与える環境要因、内面的要因、身体的要因など、さまざまな要因を取り除いていくことが大...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/23


