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DATE/ 2018.06.24

正社員優遇は終わる?最高裁が下した判断とは

 正社員には手当てを出すけれど、契約社員や派遣には出さない…。そんな会社は時代遅れとなるかもしれません。本年(2018)6月1日に正規社員と非正規社員の“格差”について違法とする2つの判決が最高裁で下されました。労働契約法の20条で「不合理な格差」は禁じられているのですが、正規社員と非正規社員の手当の格差について最高裁が判断を下すのは初めてのことです。

正社員と契約社員の格差 理由がなければ…

 1つ目は浜松市の運送会社「ハマキョウレックス」をめぐる裁判。契約社員の男性が、正社員への手当と格差があることを不当として、差額の支払いを求めたものです。最高裁は「労契法20条に違反する不合理な格差を定めた有期労働契約は無効」としました。具体的には無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当の格差は「不合理」ですが、一方で住宅手当については「不合理とはいえない」という判断がなされました。なぜか?正社員は転居を伴う異動が有りうるから、とのことです。合理的な理由があればOKというわけですね。

 もう1つの裁判は同じく運送会社の「長沢運輸」で働く嘱託社員が8つの給料や手当に関する格差を訴えたもの。こちらはハマキョウレックスと違い定年後に再雇用された社員という立場で、精勤手当、超勤手当の不支給については労契法20条に違反するとしました。ハマキョウレックスに比べ“勝ち取った”部分が少なく、正規雇用の社員と同じ仕事をしていても賃金が切り下げられてしまうことについて違法ではない、とされました。これは定年後の再雇用である点や、年金を受給することもできる、などが理由にあげられました。

同一労働同一賃金への道が開かれた?

 現時点では両社のように正規社員と非正規社員の間で手当てなどに格差を設けている会社は数多く存在することでしょう。そうした格差が即座に違法となるわけではありませんが、「正社員だから」という理由だけではアウトになってしまう流れができていくはずです。

 それはつまり、「正社員だから」というだけで手当てや福利厚生などで優遇される時代は終わりを告げることになる、ということを示しています。正社員だから、契約社員だから、派遣社員だから、バイトだから。そんな“身分”で賃金が左右されるのではなく、仕事の内容や実績で評価される時代がきっとやってきます。今回の判決は、欧米では一般的な同一労働同一賃金へ向けた道が開かれた、とも言えるでしょう。

<参考サイト>
・弁護士ドットコム:非正規の待遇格差、「正社員だから優遇」はもう終わり…正当性がなければ違法に
https://www.bengo4.com/c_5/n_7983/
(10MTV編集部)

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