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世界の平均寿命はどれくらい?
人間の寿命を考える時、日本を基準にすると少し偏った見方になります。「人生100年時代」などと言われるようにもなり、70から80歳くらいまで生きるのは当たり前の世の中になりましたが、決して世界中がそうなったわけではありません。
日本の常識が世界の非常識だったり、世界の常識が日本の非常識だったりすることは少なくありません。日本だけを眺めていてはわからないことが、世界の実態を知りそれを合わせ鏡としてみることで、新たに見えてくることがいくつもあるはずです。世界の寿命や国勢の現在と未来をちょっと覗いてみることにしましょう。
しかしながら、大きく伸びたとはいえ、アフリカでは平均寿命が50歳代の国もまだまだ少なくありません。最下位のシエラレオネは51.835歳、日本でもよく知られているナイジェリアは53.428歳、カメルーンは58.073歳です。他方、ヨーロッパに近いアルジェリアは76.078歳、モロッコは75.821歳、チュニジアは75.731歳と高く、アフリカ全体の平均寿命を押し上げています。
2000年から2015年にかけてのアフリカ全体の平均寿命の伸びが9.4年だったので、それをはるかに凌ぐ伸び率だったわけです。逆に言えば、いまアフリカは日本の戦後のような状況にあると言ってもいいのかもしれません。ものすごく高いポテンシャルをもっているのです。ただし、世界の最貧国と言われているシエラレオネのような苦境に立たされている国があることも忘れてはいけません。
なかでもとりわけ人口爆発を起こすだろうと注目されているのがナイジェリアです。実は人口においてすでに大国。現在世界第7位で、1億9000万人が暮らしています。それが2050年にアメリカを抜き、世界第3位なると予測されているのです。
このダイナミックな人口変動から激しく逆行しているのがわが日本であります。話題のベストセラー『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』の著者である河合さんは、2100年には日本の人口は現在の約半分の6000万人ほどに減少すると指摘しています。少子高齢化の末、お先真っ暗、なんて言っている場合ではありません。現実は現実です。河合さんは日本が縮小することを前提に将来を考えていくべきだと述べています。
大国が強国なのは確かですが、小国が弱小だとは限りません。小さい国でも、人口が6000万人ほどでも豊かな国はあります。たとえば、イタリアは現在でも6000万人程度、お隣の韓国は5000万人ほど、スウェーデンは1000万人ほどです。つまり、いくらでもやりようはあるということです。
おそらく大事なポイントはどれだけ早い段階で切り替えることができるかという点だと思います。もちろん、今までのように大国として世界に君臨していくという選択もありえないわけではありません。民主主義の国・ニッポンでは、その判断は決して政治家などの一部の人間だけが握っているわけではなく、国民一人ひとりの意思が反映されます。どんな2100年の日本の将来像を描くのか、いま行く末を左右する正念場を迎えているのでしょう。
日本の常識が世界の非常識だったり、世界の常識が日本の非常識だったりすることは少なくありません。日本だけを眺めていてはわからないことが、世界の実態を知りそれを合わせ鏡としてみることで、新たに見えてくることがいくつもあるはずです。世界の寿命や国勢の現在と未来をちょっと覗いてみることにしましょう。
平均寿命が51歳の国もある
WHOの調査(2016年)によると、世界の平均寿命は72.04歳でした。驚きなのは、2000年から2015年にかけて5年も平均寿命が伸びたことです。なかでも最も伸びたのがアフリカ地域です。この間に9.4年も伸び、アフリカの平均寿命は60歳に到達しています。しかしながら、大きく伸びたとはいえ、アフリカでは平均寿命が50歳代の国もまだまだ少なくありません。最下位のシエラレオネは51.835歳、日本でもよく知られているナイジェリアは53.428歳、カメルーンは58.073歳です。他方、ヨーロッパに近いアルジェリアは76.078歳、モロッコは75.821歳、チュニジアは75.731歳と高く、アフリカ全体の平均寿命を押し上げています。
戦後ニッポンの平均寿命
厚生労働省の発表している簡易生命表によると、日本で平均寿命が50歳を超えたのは戦後まもなくのことです。1947年の調査では男性50.4歳、女性53.96歳でした。その翌年はなんと男女ともに5歳も増加し、1952年には男性61.9歳、女性65.5歳となり5年間で10歳以上も増加しました。2000年から2015年にかけてのアフリカ全体の平均寿命の伸びが9.4年だったので、それをはるかに凌ぐ伸び率だったわけです。逆に言えば、いまアフリカは日本の戦後のような状況にあると言ってもいいのかもしれません。ものすごく高いポテンシャルをもっているのです。ただし、世界の最貧国と言われているシエラレオネのような苦境に立たされている国があることも忘れてはいけません。
2050年、ナイジェリアは世界第3位に
寿命とともに取りざたされているのが人口です。アフリカでは人口が増え続けています。今後も増え続け、国連の推計によると、現在12億5千万人ほどの人口は2050年には倍増し、2100年には44億人に達し、予測されている世界人口の約112億人に対して約40%を占めるまでになるのではないかと言われています。なかでもとりわけ人口爆発を起こすだろうと注目されているのがナイジェリアです。実は人口においてすでに大国。現在世界第7位で、1億9000万人が暮らしています。それが2050年にアメリカを抜き、世界第3位なると予測されているのです。
このダイナミックな人口変動から激しく逆行しているのがわが日本であります。話題のベストセラー『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』の著者である河合さんは、2100年には日本の人口は現在の約半分の6000万人ほどに減少すると指摘しています。少子高齢化の末、お先真っ暗、なんて言っている場合ではありません。現実は現実です。河合さんは日本が縮小することを前提に将来を考えていくべきだと述べています。
大国が強国なのは確かですが、小国が弱小だとは限りません。小さい国でも、人口が6000万人ほどでも豊かな国はあります。たとえば、イタリアは現在でも6000万人程度、お隣の韓国は5000万人ほど、スウェーデンは1000万人ほどです。つまり、いくらでもやりようはあるということです。
おそらく大事なポイントはどれだけ早い段階で切り替えることができるかという点だと思います。もちろん、今までのように大国として世界に君臨していくという選択もありえないわけではありません。民主主義の国・ニッポンでは、その判断は決して政治家などの一部の人間だけが握っているわけではなく、国民一人ひとりの意思が反映されます。どんな2100年の日本の将来像を描くのか、いま行く末を左右する正念場を迎えているのでしょう。
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