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困った「上司・部下」の特徴は?
職場ストレスの第一は、昔も今も「人間関係」だと言われます。とくに休日明けは、困った上司、困った部下と顔を付き合わせると思うと、朝からドンヨリ…してしまうのも無理ありません。では一体、どんな上司や部下に、みんなは困らされているのか。また、その対処法はあるのか? 転職サイトの「エン転職」では、1万人以上から集めたアンケート結果を発表しています。
・人によって態度を変える:65%
・いざというときに部下を守ってくれない:55%
・指示・指導が曖昧:54% ・チームを引っ張る能力が低い:47%
・部下の失敗に厳しい:41%
部下として一番困るのは、「人によって態度を変える」上司(65%)です。お気に入りの部下とそうでもない人とで対応が違うのは本当に困ります。筆者の昔所属した会社では、「男女で態度が全く違う」体育会系出身の上司がいました。令和の時代には絶滅したでしょうが、「男同士でないと本音は言えない」といった態度には、同じ仕事をしているチームのメンバーとして、実に情けない思いをしたものです。これに似た上司像は、「セクハラ・パワハラがひどい」(38%)に含まれているでしょうか。
二番目に多いのは「いざというときに部下を守ってくれない」上司(55%)です。自分の保身に精いっぱいの姿を、部下は冷静に見極めているものですから、こういう人は、一瞬で信頼を失っちゃいますね。コメント欄では、「逆に『こいつの面倒見てる俺って大変』な感じを(さらに)上司に訴える態度をとる」上司もいるとか。したっぱ臭プンプンの振る舞いですね。似たような上司像として、「部下の失敗に厳しい」(41%)が挙げられています。こちらも「自分の査定に響くから」だと、あからさまに分かるようではウンザリします。
三番目にランクインしたのは「指示・指導が曖昧」(54%)という指摘です。「チームを引っ張る能力が低い」(47%)や「上からの命令をそのまま部下に伝える」(32%)、「明確な目標を設定しない」(28%)、「根性論・精神論で仕事を進めようとする」(28%)、「仕事への意欲やビジョンがない」(22%)なども似たような上司ではないでしょうか。マネジメント力が低いのか、コミュニケーションが苦手なのか、上司によって違いはあるでしょうが、指示を受けて働く部下が能力アップの機会にすることを祈るばかりです。
・言い訳が多い:53%
・報告・連絡・相談を怠る:51%
・上司からの指示待ち:37%
・基本的なルールを守らない:36%
・謙虚さがない:32%
こちらのランキング、一見なるほどという感じもしますが、「言い訳」や「報告・連絡・相談」が半数を超えているのは、逆に考えると、そのぐらいしか文句のつけようのない部下が増えているということかもしれません。下の方の順位には、もっと根本的な問題を抱えた「遅刻・欠勤など勤怠状況が悪い」(27%)「挨拶をしない」(23%)なども並んでいるからです。
それにしても、「言い訳」と「報告」や「相談」との境界はどの辺にあるのでしょうか。昭和の時代には、何か言いたそうで言えない顔をしている部下を上司が飲みに誘う、というお定まりのパターンがありました。実際に飲むかどうかは別として、一言で報告や連絡にしてしまうと抜け落ちるニュアンスを、世間話や噂とごちゃまぜにして伝えられる雰囲気があった点、悪くはなかったと思います。部下の側には、シラフでは言いにくい泣き言や言い訳、弱音や強がりなども話の端々に混ぜられる安心感があり、それを聞く上司の側には「仕方がないなぁ、こういうヤツなんだ」と支える度量が養われていったからです。
ホンネ満載のランキングやコメントを見ると、上司の方は部下の見方を、部下の人は上司の悩みがどこにあるのかを知ることができます。少しガス抜きをすることで互いに歩み寄り、職場での余裕ができてくるといいですね。
「人によって態度を変える」上司が困りもの
これまで「困った上司」のもとで働いたことが「ある」と答えた人は、全体の85%。5人に4人以上の人が上司に困った経験を持っていますが、どんなところが困るのか。ワースト5をのぞいてみましょう。・人によって態度を変える:65%
・いざというときに部下を守ってくれない:55%
・指示・指導が曖昧:54% ・チームを引っ張る能力が低い:47%
・部下の失敗に厳しい:41%
部下として一番困るのは、「人によって態度を変える」上司(65%)です。お気に入りの部下とそうでもない人とで対応が違うのは本当に困ります。筆者の昔所属した会社では、「男女で態度が全く違う」体育会系出身の上司がいました。令和の時代には絶滅したでしょうが、「男同士でないと本音は言えない」といった態度には、同じ仕事をしているチームのメンバーとして、実に情けない思いをしたものです。これに似た上司像は、「セクハラ・パワハラがひどい」(38%)に含まれているでしょうか。
二番目に多いのは「いざというときに部下を守ってくれない」上司(55%)です。自分の保身に精いっぱいの姿を、部下は冷静に見極めているものですから、こういう人は、一瞬で信頼を失っちゃいますね。コメント欄では、「逆に『こいつの面倒見てる俺って大変』な感じを(さらに)上司に訴える態度をとる」上司もいるとか。したっぱ臭プンプンの振る舞いですね。似たような上司像として、「部下の失敗に厳しい」(41%)が挙げられています。こちらも「自分の査定に響くから」だと、あからさまに分かるようではウンザリします。
三番目にランクインしたのは「指示・指導が曖昧」(54%)という指摘です。「チームを引っ張る能力が低い」(47%)や「上からの命令をそのまま部下に伝える」(32%)、「明確な目標を設定しない」(28%)、「根性論・精神論で仕事を進めようとする」(28%)、「仕事への意欲やビジョンがない」(22%)なども似たような上司ではないでしょうか。マネジメント力が低いのか、コミュニケーションが苦手なのか、上司によって違いはあるでしょうが、指示を受けて働く部下が能力アップの機会にすることを祈るばかりです。
困った部下は「言い訳が多い」
では、上司から見た「困った部下」はどうでしょうか。部下に対して「困った」と感じたことについて、やはりワースト5を見てみましょう。・言い訳が多い:53%
・報告・連絡・相談を怠る:51%
・上司からの指示待ち:37%
・基本的なルールを守らない:36%
・謙虚さがない:32%
こちらのランキング、一見なるほどという感じもしますが、「言い訳」や「報告・連絡・相談」が半数を超えているのは、逆に考えると、そのぐらいしか文句のつけようのない部下が増えているということかもしれません。下の方の順位には、もっと根本的な問題を抱えた「遅刻・欠勤など勤怠状況が悪い」(27%)「挨拶をしない」(23%)なども並んでいるからです。
それにしても、「言い訳」と「報告」や「相談」との境界はどの辺にあるのでしょうか。昭和の時代には、何か言いたそうで言えない顔をしている部下を上司が飲みに誘う、というお定まりのパターンがありました。実際に飲むかどうかは別として、一言で報告や連絡にしてしまうと抜け落ちるニュアンスを、世間話や噂とごちゃまぜにして伝えられる雰囲気があった点、悪くはなかったと思います。部下の側には、シラフでは言いにくい泣き言や言い訳、弱音や強がりなども話の端々に混ぜられる安心感があり、それを聞く上司の側には「仕方がないなぁ、こういうヤツなんだ」と支える度量が養われていったからです。
ホンネ満載の見方を知って、余裕を取り戻す
フォーマット通りでは片付かないのが、人間関係。そして、やがてはAIが代替すると言われる時代になっても、仕事を支える意欲の多くもまた、人間関係に負っています。上司と部下という役割を離れた人間同士として認め合えることも大切だし、互いの立場を思いやることにも大きな意味があります。ホンネ満載のランキングやコメントを見ると、上司の方は部下の見方を、部下の人は上司の悩みがどこにあるのかを知ることができます。少しガス抜きをすることで互いに歩み寄り、職場での余裕ができてくるといいですね。
<参考サイト>
・エン転職:第57回 テーマ「上司と部下」について
https://employment.en-japan.com/enquete/report-57/
・エン転職:第57回 テーマ「上司と部下」について
https://employment.en-japan.com/enquete/report-57/
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