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2010年代後半の「ヒット商品」を振り返る
2010年代の後半となる2015~2019年の5年間、いったいどんな「ヒット商品」が誕生したのでしょうか。
今回は、『日経トレンディ』誌上で1987年の創刊以来毎年のヒット商品をランキング化して発表する人気企画「ヒット商品ベスト30」より、2015年から2019年の【トップ5】を振り返りつつ、過去5年の「ヒット商品」を考察してみたいと思います。
2位:火花
3位:インバウンド消費
4位:コンビニドーナツ
5位:ココナツオイル
2015年の「ヒット商品」の傾向について、当時の『日経トレンディ』編集長・伊藤健氏は「2015年のキーワードは『日本再発見』。北陸新幹線で日本のまだ見ぬ美しさが発見され、ラグビー日本代表の大活躍で日本中が一つになった(29位に「ラグビーW杯」がランクイン)。“爆買い”に代表されるインバウンド消費も日本が評価されている証拠」と述べているように、日本の魅力が再発見された1年でした。
2位:君の名は。
3位:IQOS(アイコス)
4位:インスタグラム
5位:メルカリ
2016年は、社会現象にもなり“日本の景色を180度変えた”ともいわれる、1000万人以上が遊んだ位置情報ゲーム「ポケモンGO」や、舞台となった場所を訪れる“聖地巡礼”などの現象も巻き起こし、興行収入が2016年度1位となる250億3000万円、映画観客動員数1900万人を超えるヒットとなった映画「君の名は。」など、エンタメ大豊作の1年でした。また、「スマホ」と「ヒット商品」の親和性がいよいよ高くなった1年ともいえます。
2位:明治 ザ・チョコレート
3位:クラウドファンディング
4位:ミールキット
5位:ビットコイン
2017年のキーワードは、「“未体験の体験”と“インスタファースト”の加速」。“ゲーム内の出来事が触覚で感じられる”とも評される任天堂の最新ゲーム機「Nintendo Switch」が爆発的なヒットとなり、上質な味でありながら手軽に購入できるプチ贅沢として発売された「明治 ザ・チョコレート」がインスタ映えするデザイン性の高いパッケージでユーザーの心を捉え、年間3000万枚を売り上げる人気商品となりました。さらに、インターネット上で自分のやりたいことに賛同する不特定多数の人から資金を募る「クラウドファンディング」元年ともいえる年となりました。
2位:ドライブレコーダー
3位:ペットボトルコーヒー
4位:ZOZO(ゾゾ)
5位:グーグルホーム&アマゾンエコー
2018年は、“平成の歌姫”ともいわれる「安室奈美恵」の引退に、列島の“応援熱”が最高潮に達しました。一方、あおり運転報道などの影響を受け、“安全”“透明性”への需要が加速したのか、「ドライブレコーダー」は前年の約2倍となる346万台の出荷となりました。また、缶コーヒーに代わるように、いよいよ「ペットボトルコーヒー」がヒットした年にもなりました。
2位:タピオカ
3位:PayPay(ペイペイ)
4位:ラグビーW杯2019日本大会
5位:令和&さよなら平成
2019年の特に上半期は、202年ぶりの譲位による改元で列島が「令和&さよなら平成」が高揚しました。そして下半期に向けて、“令和時代の新スタンダード”が発想の転換によって見つけられていきます。まずは“激安&高機能”と称される職人向け作業服店「ワークマン」が、見せ方を変えてアウトドアショップに変貌。売り上げを大きく伸ばして、“令和時代の新スタンダード”に名乗りを挙げます。さらに、2億杯分売り上げブームを超えて国民食になったともいえる「タピオカ」や、キャッシュレス決済をけん引し、開始1年で登録者1500万人を突破した「PayPay(ペイペイ)」などが続いています。
そして、過去の「ヒット商品」のうねりが、新たな「ヒット商品」の底力になっているような現象も見受けられます。例えば、2019年の「ラグビーW杯2019日本大会」への熱狂は、2015年の「ヒット商品」にも萌芽を感じさせ、2017年の“未体験の体験”や2018年の“応援熱”の影響も受け、結果として過去最高のW杯”と称され、日本ベスト8進出への後押しへもつながったようにもうかがえます。
他方、2018年の「ヒット商品」である「グーグルホーム&アマゾンエコー」のように、2019年末現在では本家のアメリカに比べて思った以上に日本では普及していない例もあります。しかし、2017年の「ヒット商品」であった「ビットコイン」が2018年末にはバブル崩壊により暴落したものの、2019年にはふたたび上昇し始めるなど、一度「ヒット商品」となり、低迷もしくは停滞し、その後また盛り上がる例もあるようです。
未来は誰にもわかりませんが、過去を振り返ることで予測の精度を多少なりとも高められるようにも思います。ぜひ一度、過去の「ヒット商品」を振り返りつつ、あなたのこれからをよりよくしてくれるかもしれない未来の「ヒット商品」を予測してみてください。未来の自分にとってだけでなく、今の生活を振り返るよいきっかけになるかもしれません。
今回は、『日経トレンディ』誌上で1987年の創刊以来毎年のヒット商品をランキング化して発表する人気企画「ヒット商品ベスト30」より、2015年から2019年の【トップ5】を振り返りつつ、過去5年の「ヒット商品」を考察してみたいと思います。
2015年「ヒット商品」【トップ5】
1位:北陸新幹線2位:火花
3位:インバウンド消費
4位:コンビニドーナツ
5位:ココナツオイル
2015年の「ヒット商品」の傾向について、当時の『日経トレンディ』編集長・伊藤健氏は「2015年のキーワードは『日本再発見』。北陸新幹線で日本のまだ見ぬ美しさが発見され、ラグビー日本代表の大活躍で日本中が一つになった(29位に「ラグビーW杯」がランクイン)。“爆買い”に代表されるインバウンド消費も日本が評価されている証拠」と述べているように、日本の魅力が再発見された1年でした。
2016年「ヒット商品」【トップ5】
1位:ポケモンGO2位:君の名は。
3位:IQOS(アイコス)
4位:インスタグラム
5位:メルカリ
2016年は、社会現象にもなり“日本の景色を180度変えた”ともいわれる、1000万人以上が遊んだ位置情報ゲーム「ポケモンGO」や、舞台となった場所を訪れる“聖地巡礼”などの現象も巻き起こし、興行収入が2016年度1位となる250億3000万円、映画観客動員数1900万人を超えるヒットとなった映画「君の名は。」など、エンタメ大豊作の1年でした。また、「スマホ」と「ヒット商品」の親和性がいよいよ高くなった1年ともいえます。
2017年「ヒット商品」【トップ5】
1位:Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)2位:明治 ザ・チョコレート
3位:クラウドファンディング
4位:ミールキット
5位:ビットコイン
2017年のキーワードは、「“未体験の体験”と“インスタファースト”の加速」。“ゲーム内の出来事が触覚で感じられる”とも評される任天堂の最新ゲーム機「Nintendo Switch」が爆発的なヒットとなり、上質な味でありながら手軽に購入できるプチ贅沢として発売された「明治 ザ・チョコレート」がインスタ映えするデザイン性の高いパッケージでユーザーの心を捉え、年間3000万枚を売り上げる人気商品となりました。さらに、インターネット上で自分のやりたいことに賛同する不特定多数の人から資金を募る「クラウドファンディング」元年ともいえる年となりました。
2018年「ヒット商品」【トップ5】
1位:安室奈美恵2位:ドライブレコーダー
3位:ペットボトルコーヒー
4位:ZOZO(ゾゾ)
5位:グーグルホーム&アマゾンエコー
2018年は、“平成の歌姫”ともいわれる「安室奈美恵」の引退に、列島の“応援熱”が最高潮に達しました。一方、あおり運転報道などの影響を受け、“安全”“透明性”への需要が加速したのか、「ドライブレコーダー」は前年の約2倍となる346万台の出荷となりました。また、缶コーヒーに代わるように、いよいよ「ペットボトルコーヒー」がヒットした年にもなりました。
2019年「ヒット商品」【トップ5】
1位:ワークマン2位:タピオカ
3位:PayPay(ペイペイ)
4位:ラグビーW杯2019日本大会
5位:令和&さよなら平成
2019年の特に上半期は、202年ぶりの譲位による改元で列島が「令和&さよなら平成」が高揚しました。そして下半期に向けて、“令和時代の新スタンダード”が発想の転換によって見つけられていきます。まずは“激安&高機能”と称される職人向け作業服店「ワークマン」が、見せ方を変えてアウトドアショップに変貌。売り上げを大きく伸ばして、“令和時代の新スタンダード”に名乗りを挙げます。さらに、2億杯分売り上げブームを超えて国民食になったともいえる「タピオカ」や、キャッシュレス決済をけん引し、開始1年で登録者1500万人を突破した「PayPay(ペイペイ)」などが続いています。
過去の「ヒット商品」で未来と今を振り返る
以上のように、駆け足で過去5年の「ヒット商品」を振り返りつつ5年分の【トップ5】を並べてみると、例えば2015年の「コンビニドーナツ」や2018年の「ペットボトルコーヒー」のようにすでに定番化した過去の「ヒット商品」もあれば、2016年の「インスタグラム」「メルカリ」や2018年の「ZOZO」のように今やインフラ化したサービスが、「ヒット商品」として時代の波に乗って現れた興奮が蘇ってくるようにも思えます。そして、過去の「ヒット商品」のうねりが、新たな「ヒット商品」の底力になっているような現象も見受けられます。例えば、2019年の「ラグビーW杯2019日本大会」への熱狂は、2015年の「ヒット商品」にも萌芽を感じさせ、2017年の“未体験の体験”や2018年の“応援熱”の影響も受け、結果として過去最高のW杯”と称され、日本ベスト8進出への後押しへもつながったようにもうかがえます。
他方、2018年の「ヒット商品」である「グーグルホーム&アマゾンエコー」のように、2019年末現在では本家のアメリカに比べて思った以上に日本では普及していない例もあります。しかし、2017年の「ヒット商品」であった「ビットコイン」が2018年末にはバブル崩壊により暴落したものの、2019年にはふたたび上昇し始めるなど、一度「ヒット商品」となり、低迷もしくは停滞し、その後また盛り上がる例もあるようです。
未来は誰にもわかりませんが、過去を振り返ることで予測の精度を多少なりとも高められるようにも思います。ぜひ一度、過去の「ヒット商品」を振り返りつつ、あなたのこれからをよりよくしてくれるかもしれない未来の「ヒット商品」を予測してみてください。未来の自分にとってだけでなく、今の生活を振り返るよいきっかけになるかもしれません。
<参考文献・参考サイト>
・『日経トレンディ』2015年12月号(日経BP)
・『日経トレンディ』2016年12月号(日経BP)
・『日経トレンディ』2017年12月号(日経BP)
・『日経トレンディ』2018年12月号(日経BP)
・『日経トレンディ』2019年12月号(日経BP)
・「2015年ヒット商品」1位は北陸新幹線、2位は又吉『火花』 日経トレンディ発表
https://www.oricon.co.jp/news/2061707/full/
・「2016年ヒット商品」1位はポケモンGO、2位は『君の名は。』
https://www.oricon.co.jp/news/2080910/full/
・「2017年ヒット商品」1位は『Nintendo Switch』
https://www.oricon.co.jp/news/2100004/full/
・2018年ヒット商品ランキング 日経トレンディ選定ベスト30
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00064/00001/
・2019年ヒット商品ベスト30:日経クロストレンド
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00242/
・「君の名は。」『イミダス 2018』(集英社)
・「iQOS(アイコス)」『イミダス 2018』(集英社)
・【ラグビーW杯】 日本大会は「過去最高のW杯」 統括団体会長
https://www.bbc.com/japanese/50285133
・スマートスピーカーが日本で普及しない理由とは
https://iotnews.jp/archives/137944
・「FOCUS NEWS ビットコイン急騰 1年ぶり100万円回復 米中摩擦で“逃避買い”」『週刊エコノミスト』(2019年07月02日号、高城泰著、毎日新聞出版)
・『日経トレンディ』2015年12月号(日経BP)
・『日経トレンディ』2016年12月号(日経BP)
・『日経トレンディ』2017年12月号(日経BP)
・『日経トレンディ』2018年12月号(日経BP)
・『日経トレンディ』2019年12月号(日経BP)
・「2015年ヒット商品」1位は北陸新幹線、2位は又吉『火花』 日経トレンディ発表
https://www.oricon.co.jp/news/2061707/full/
・「2016年ヒット商品」1位はポケモンGO、2位は『君の名は。』
https://www.oricon.co.jp/news/2080910/full/
・「2017年ヒット商品」1位は『Nintendo Switch』
https://www.oricon.co.jp/news/2100004/full/
・2018年ヒット商品ランキング 日経トレンディ選定ベスト30
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00064/00001/
・2019年ヒット商品ベスト30:日経クロストレンド
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00242/
・「君の名は。」『イミダス 2018』(集英社)
・「iQOS(アイコス)」『イミダス 2018』(集英社)
・【ラグビーW杯】 日本大会は「過去最高のW杯」 統括団体会長
https://www.bbc.com/japanese/50285133
・スマートスピーカーが日本で普及しない理由とは
https://iotnews.jp/archives/137944
・「FOCUS NEWS ビットコイン急騰 1年ぶり100万円回復 米中摩擦で“逃避買い”」『週刊エコノミスト』(2019年07月02日号、高城泰著、毎日新聞出版)
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