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ストレス度の低い業界ランキング、第1位は?
「働き方」が脚光を浴びる昨今ですが、みなさんにとって良い条件の会社とは何ですか。おそらくは給料が高いことを第一条件に挙げる方が多いでしょう。けれども、考えてみてください。もし、給料が高くても、それに比例して「ストレス度」もとても高いとしたらいかがですか。そこで働きたいと思いますか。
金銭面の待遇とともに、「ストレス度」も仕事や会社を選ぶ大切な条件になりうるのではないでしょうか。「ストレス度」の低い業界ベスト10をご案内します。
第1位は、電気・ガス業界。電気・ガスは、国民にとって必要不可欠な生活インフラです。かつては大手の供給会社は公務員のように安定していました。ただし、2011年3月11日に発生した東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所事故以降、競争の自由化により多くの企業が参入し競争が激しくなっています。
それでも、国民の必要不可欠な生活インフラであることは変わらず、ベンチャーを除いては根強く「安定」した業界という地位を守っています。安定していることがそのままストレス度の低さに直結しているのでしょう。離職率が非常に低いこともこの業界の特徴です。
さて、スワンの白熱電球もさることながら、電気機器の発明の歴史は失敗の歴史です。失敗に失敗を重ねて、ようやく発明にいたります。このように「失敗が当然ある」という考え方が、いまの電気機器業界にも定着しているとしたら、ストレス度の低さはこの考え方に起因するのでしょう。言い換えれば、やってみなはれ精神です。
日本にはよく失敗を許さない文化があるといわれますが、電気機器業界は別なのかもしれません。こうした失敗を是とする寛容なベンチャー精神がもっと日本社会に浸透すれば、日本の「働き方」も大きく進展するのではないでしょうか。
昨年2019年の「キャリコネ」の「30代が働きやすい業界ランキング」でも1位を獲得しています。海外展開する企業が多く、プロジェクトのスケールがダイナミックでやりがいを感じやすく、給与も高めなのが特徴です。年収では国際石油開発帝石がダントツのトップに君臨しています。
鉱業界では、第2位の電気機器業界と同様に製品開発もおこなっています。すなわちメーカーでもあるわけです。dodaエージェントサービスによると、2018年9月~2019年8月における1年間の全96業種の平均年収で、メーカーは1位です。「やりがい」とともに給与の高さがストレス度を少なくしているのかもしれません。
4位 医薬品業界
5位 非鉄金属業界
6位 輸送用機器業界
7位 化学業界
8位 リース・消費者金融・クレカ・信販業界
9位 ガラス・土石製品業界
10位 情報・通信業界
少し補足すると、5位の非鉄金属業界というは「非鉄」という名称の通り、鉄以外の金属を取り扱う業界です。原料となる鉱石の採鉱から電子部品などの製品化までを手掛けます。6位の輸送用機器は自動車や電車や船など人や貨物を運ぶための機器のことです。
7位の化学業界の業種はかなり多岐に渡ります。大手の総合化学メーカーには旭化成、三菱ケミカルホールディングスや住友化学があります。半導体などの部材を生産する電子材料メーカーとしては富士フイルムや日東電工がよく知られています。
8位以下の「リース・消費者金融・クレカ・信販業界」、「ガラス・土石製品業界」、「情報・通信業界」は何となく想像がつくのではないでしょうか。改めてランキングを眺めてみると、1位の電気・ガス業をはじめ理系の職業、技術系の職業が上位にランクインしていることがわかります。
2位の建設業界は昔から「きつい」「汚い」「危険」の3Kと言われてネガティブなイメージをまとっています。ですが、最近は人手不足の影響もあって新3Kの「給与が良い」「休暇が取れる」「希望が持てる」を打ち出し、人材確保に積極的に乗り出しています。
建設業界よりもストレス度が高いと評価された証券業界はお給料が高く、けれども、そのぶん激務なイメージがあります。保険業界と不動産業界も同様ですが、競争の激しい営業はかなり高ストレスな仕事と言っていいでしょう。
先ほど書いた通り、理系の職業が上位に多かったのに対して、逆に下位には文系の仕事が多くなっています。これはおそらく、文系の場合は仕事の範囲があまり明確でなく、人と接することが多いからだろうと思います。
よく考えてみれば、そもそも日本の教育がいまだにいわゆる「詰め込み型」「暗記型」を脱しておらず、仕事の現場で求められる柔軟な発想・実行力のある人材が育っていないことも、多くの人がストレスを抱えてしまう大きな原因でしょう。過度のストレスは仕事にも生活にも悪影響です。仕事の「やりがい」や「収入」はもちろん大切ですが、無理は禁物。今後、ワーク・ライフ・バランスがさらに重視される世の中になれば、「ストレス」が仕事を選ぶキーワードとして大きく浮上してくることでしょう。
金銭面の待遇とともに、「ストレス度」も仕事や会社を選ぶ大切な条件になりうるのではないでしょうか。「ストレス度」の低い業界ベスト10をご案内します。
3.11以降、競争は激しくなったが
さっそく第1位からストレス度の低い業界ランキングを発表します。このランキングは、次世代の働き方を発信する「キャリコネ」のリサーチにもとづいています。第1位は、電気・ガス業界。電気・ガスは、国民にとって必要不可欠な生活インフラです。かつては大手の供給会社は公務員のように安定していました。ただし、2011年3月11日に発生した東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所事故以降、競争の自由化により多くの企業が参入し競争が激しくなっています。
それでも、国民の必要不可欠な生活インフラであることは変わらず、ベンチャーを除いては根強く「安定」した業界という地位を守っています。安定していることがそのままストレス度の低さに直結しているのでしょう。離職率が非常に低いこともこの業界の特徴です。
失敗は当然 やってみなはれ精神
次に、第2位は電気機器業界。第1位の電気・ガス業界と同じく「電気」がキーワードの業界です。電力産業の事業化に取り組んだは、かの有名な発明王トーマス・エジソン。エジソンが活躍したのは19世紀後半から20世紀前半にかけてのことですが、いまだに「電気」の産業が絶大な影響力をもっていることを考えると、事業家としてのエジソンの偉大さをあらためて痛感します。1000をゆうに超える特許を取得しました。ちなみに、実際に白熱電球を発明したのはエジソンではなくジョセフ・スワンです。さて、スワンの白熱電球もさることながら、電気機器の発明の歴史は失敗の歴史です。失敗に失敗を重ねて、ようやく発明にいたります。このように「失敗が当然ある」という考え方が、いまの電気機器業界にも定着しているとしたら、ストレス度の低さはこの考え方に起因するのでしょう。言い換えれば、やってみなはれ精神です。
日本にはよく失敗を許さない文化があるといわれますが、電気機器業界は別なのかもしれません。こうした失敗を是とする寛容なベンチャー精神がもっと日本社会に浸透すれば、日本の「働き方」も大きく進展するのではないでしょうか。
30代が最も働きやすい業界
第3位は鉱業です。もしかしたら知らない方もいるかもしれないので説明すると、鉱業というのは地中から人間生活に役立つ地下資源を探査・発掘し、さらにそれらを原料として加工して身の回りの製品を製造する産業のことです。昨年2019年の「キャリコネ」の「30代が働きやすい業界ランキング」でも1位を獲得しています。海外展開する企業が多く、プロジェクトのスケールがダイナミックでやりがいを感じやすく、給与も高めなのが特徴です。年収では国際石油開発帝石がダントツのトップに君臨しています。
鉱業界では、第2位の電気機器業界と同様に製品開発もおこなっています。すなわちメーカーでもあるわけです。dodaエージェントサービスによると、2018年9月~2019年8月における1年間の全96業種の平均年収で、メーカーは1位です。「やりがい」とともに給与の高さがストレス度を少なくしているのかもしれません。
理系の方がストレスが少ない?
4位以降もざっと紹介します。4位 医薬品業界
5位 非鉄金属業界
6位 輸送用機器業界
7位 化学業界
8位 リース・消費者金融・クレカ・信販業界
9位 ガラス・土石製品業界
10位 情報・通信業界
少し補足すると、5位の非鉄金属業界というは「非鉄」という名称の通り、鉄以外の金属を取り扱う業界です。原料となる鉱石の採鉱から電子部品などの製品化までを手掛けます。6位の輸送用機器は自動車や電車や船など人や貨物を運ぶための機器のことです。
7位の化学業界の業種はかなり多岐に渡ります。大手の総合化学メーカーには旭化成、三菱ケミカルホールディングスや住友化学があります。半導体などの部材を生産する電子材料メーカーとしては富士フイルムや日東電工がよく知られています。
8位以下の「リース・消費者金融・クレカ・信販業界」、「ガラス・土石製品業界」、「情報・通信業界」は何となく想像がつくのではないでしょうか。改めてランキングを眺めてみると、1位の電気・ガス業をはじめ理系の職業、技術系の職業が上位にランクインしていることがわかります。
建設業界よりも辛い業界とは
ここでワースト3もチェックしましょう。ワースト1位は証券業界、ワースト2位は建設業界、ワースト3位には保険業界と不動産業界でした。2位の建設業界は昔から「きつい」「汚い」「危険」の3Kと言われてネガティブなイメージをまとっています。ですが、最近は人手不足の影響もあって新3Kの「給与が良い」「休暇が取れる」「希望が持てる」を打ち出し、人材確保に積極的に乗り出しています。
建設業界よりもストレス度が高いと評価された証券業界はお給料が高く、けれども、そのぶん激務なイメージがあります。保険業界と不動産業界も同様ですが、競争の激しい営業はかなり高ストレスな仕事と言っていいでしょう。
先ほど書いた通り、理系の職業が上位に多かったのに対して、逆に下位には文系の仕事が多くなっています。これはおそらく、文系の場合は仕事の範囲があまり明確でなく、人と接することが多いからだろうと思います。
よく考えてみれば、そもそも日本の教育がいまだにいわゆる「詰め込み型」「暗記型」を脱しておらず、仕事の現場で求められる柔軟な発想・実行力のある人材が育っていないことも、多くの人がストレスを抱えてしまう大きな原因でしょう。過度のストレスは仕事にも生活にも悪影響です。仕事の「やりがい」や「収入」はもちろん大切ですが、無理は禁物。今後、ワーク・ライフ・バランスがさらに重視される世の中になれば、「ストレス」が仕事を選ぶキーワードとして大きく浮上してくることでしょう。
<参考サイト>
・ストレス度の低い業界ランキング 1位「電気・ガス業界」、2位「電気機器」という結果に│キャリコネニュース
https://news.careerconnection.jp/?p=66998
・平均年収ランキング 最新版(96業種の平均年収/生涯賃金)│doda
https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/
・ストレス度の低い業界ランキング 1位「電気・ガス業界」、2位「電気機器」という結果に│キャリコネニュース
https://news.careerconnection.jp/?p=66998
・平均年収ランキング 最新版(96業種の平均年収/生涯賃金)│doda
https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/
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