テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2020.07.09

東京で「暮らしやすい区」はどこ?

 これから東京23区内へ引っ越しを考えているみなさま。どんな街に暮らしたいですか。暮らしやすさの基準は人それぞれですが、今回は東京23区の中で、家賃の助成や子育て支援など「行政支援、福祉の充実度」が高い街をピックアップ。各自治体には子育てや家賃の負担を軽減する制度が多数あります。中にはその自治体ならではのユニークな制度も。ということで、子育て世代や単身者、お年寄り世帯まで、支援が充実した暮らしやすい街をご紹介します。(2020年6月時点)

子育てをバックアップ!ファミリー層への支援が手厚い区

・渋谷区

 渋谷区は、0歳児から入る保育施設利用料が他区に比べて圧倒的に低く(世帯年収700万で1児の場合、通常2~4万円前後かかる保育施設利用料が渋谷区では1万円程度)、そのうえ認証保育施設利用時の助成金が最大45,000円、認可外でも40,000円と、かなり手厚くなっています。

 また、出産につき10万円まで助成金がもらえる「ハッピーマザー制度」のほか、妊婦や子育て世代へ必要な情報を発信するLINE公式アカウントも設置。AIによる自動応答システムで24時間気軽に相談できるようになっています。安心して子どもを産み育てる環境を、区を上げて整えていることがわかります。

・千代田区

 区内の住み替えをする子育て世帯に対し月々4万円から支給される「次世代育成住宅助成」や、18歳まで医療費が無料になる「高校生等医療費助成制度」、一回の妊娠につき一時金 45,000円が支給される「誕生準備手当」、特定不妊治療費用の一部を区が負担する「特定不妊治療費助成事業」など、独自の制度が目を引きます。

 特に「高校生等医療費助成制度」については、他区が中学生まで医療費が無料なのに対し、千代田区は高校生までカバーしているという点において、大変注目されています。

学生さん応援!学生・単身世帯へ家賃補助のある区

・新宿区

 新宿区に子育て世帯のほか、学生・単身世帯にも適用される「民間賃貸住宅家賃助成」があり、単身世帯には月1万円が最長で3年間、子育て世帯には月3万円が最長で5年間支給されます。新宿区への永住を促すもので、そこそこ条件は厳しいですが、学生・単身世帯へ家賃の助成がある自治体は大変珍しいそうです。

 早稲田大学や東京理科大など、大学のキャンパスが多く点在する新宿区ならではの取り組みといえますね。

老後の心配を軽減!高齢者家賃支援制度が充実している区

・目黒区

 多くの区で高齢者向けの家賃支援制度はありますが、立ち退きを受けて住み替えが必要な時など、緊急を要する時だけに限られていることが多いです。それに対し目黒区の「高齢者世帯等居住継続家賃助成」では、区内に1年以上居住している、家賃を滞納していないなど、一定の条件をクリアしていれば最長で6年、家賃の2割の助成金を受けることができます。

・江戸川区

 取り壊し等により立ち退きを要求された際の転居費用を助成する「民間賃貸住宅家賃等助成」のほか、独自のものとしてバリアフリー化した高齢者向け住宅8件の入居を募集するサービスがあります。入居者は所得により家賃の減額補助を受けることができ、月に最大25,600円が補助されます。

 いかがでしたか?

 ここで取り上げた助成制度はほんの一部。ご紹介しきれなかったところもありますが、支援制度は条件が見直されることもありますので、引っ越しの際は気になる自治体のHP等もあわせてチェックしてくださいね。

<参考サイト>
・手当て・助成(渋谷区)
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kodomo/ninshin/teate/index.html
・保育利用の軽減助成(渋谷区)
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/assets/com/hoiku_riyoryojoseigaku.pdf
・高齢者世帯等居住継続家賃助成(目黒区)
https://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/kurashi/sumai/enjo/yachin/koreikeizoku.html
・高齢者向け民間賃貸住宅の入居者募集(江戸川区)
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e017/kenko/fukushikaigo/jukunen/sumai/koureisha.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

実物大のガンダムを動かせ!困難を乗り越えて夢の実現へ

実物大のガンダムを動かせ!困難を乗り越えて夢の実現へ

「動くガンダム」に学ぶロボット工学と未来(2)「動くガンダム」で新たな夢の実現へ

人々が夢見てきた技術は現在、その多くが実現されてしまった。そんな技術開発に夢を持ちづらい時代だからこそ、「動くガンダム」の実現によって次の夢の叩き台をつくることが必要なのである。大事なのは夢をいかに高く掲げるか...
収録日:2024/02/18
追加日:2024/12/04
2

超深刻化する労働力不足、解消する方策はあるのか

超深刻化する労働力不足、解消する方策はあるのか

教養としての「人口減少問題と社会保障」(6)労働力の絶対的不足という問題

人口減少によって深刻となる問題の2つ目が「労働力不足」である。今盛んにいわれている女性活用、高齢者活用、外国人労働者受け入れは、労働力の絶対的不足を解消する有効な方法となり得るのか。これからの労働力不足の問題と方...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/12/03
森田朗
一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事
3

横井小楠、佐久間象山、西郷隆盛…なぜ幕末に人材が育ったか

横井小楠、佐久間象山、西郷隆盛…なぜ幕末に人材が育ったか

今求められるリーダー像とは(1)幕末転換期から学ぶ

日本の経済的地位は1990年以降低下し続け、2023年の一人当たり名目GDPは34位に転落している。企業のリーダーや政治家にとって重要なのは、今がどういう時代なのかを知ることであり、そのために幕末の転換期が参考になる。内外の...
収録日:2024/09/26
追加日:2024/11/06
神藏孝之
公益財団法人松下幸之助記念志財団 理事
4

おみくじは「吉凶」だけでなく「和歌や漢詩」を読むのが本当

おみくじは「吉凶」だけでなく「和歌や漢詩」を読むのが本当

おみくじと和歌の歴史(1)おみくじは詩歌を読む

日本人にとって身近な「おみくじ」。しかし、その歴史を知る機会はあまり多くない。つい吉凶にばかり目が行きがちなおみくじだが、本当に受け取るべきメッセージはそこではないという。どういうことなのか。まず、おみくじの成...
収録日:2023/11/10
追加日:2023/12/20
平野多恵
成蹊大学文学部日本文学科教授
5

なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る

なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る

メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか

組織のリーダーにとって、メンバーのメンタルヘルスは今や最重要課題になっている。組織として目標達成が大事であることは間違いないが、同時に一人ひとりの個性を見極め、適材適所で割り振っていく「合理的配慮」も求められて...
収録日:2024/04/17
追加日:2024/06/15
斎藤環
精神科医