社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
理想の寿命は79歳?長生きを望まない若者たち
Z世代に聞く理想の将来像 「人生の時間割」という調査をシチズン時計が行い、平均は31歳までに結婚、33歳までに子どもを持ち、寿命は79歳が理想という結果が出てきました。人生100年時代とも言われるようにもなっている今、79歳で人生を終えるのがなぜ理想なのか、回答内容とそれに反する“現実”を比較してみましょう。
続いて何歳までに子供が欲しいか、という問いについては、男性34歳、女性32歳が平均でした。結婚から2、3年内には子供が欲しい、というライフプランですね。平均初婚年齢の調査より若干古い統計になるのですが、2016年の調査では第一子出生時の母の平均年齢は30.7歳でした。実態と大きな乖離はありませんが、「理想」の方がやや夫婦2人の時間を持ちたい、という考え方になるでしょうか。
マイホームを持つ理想の年齢は36歳でしたが、こちら2019年の調査を見てみると新築か中古か、戸建てかマンションかなどで差があるのですが、平均年齢が一番若い分譲戸建ては36.8歳、一番年配の中古マンションは44.8歳でした。マイホーム=戸建てのイメージであれば、ここでも理想と現実がほぼ一致している形になりました。
何歳まで生きたいか、は男性81歳、女性78歳でした。2020年の統計だと男性は81.64歳、女性は87.74歳のため、女性の方が約6年長いのですが、Z世代の意識ではむしろ女性の方が若干ではありますが太く短い人生を望んでいるようです。100歳以上まで生きたいという回答も26%いたのですが、平均を取ると80年前後がちょうど良い、というとらえ方になっているようです。
こうして全体を通して見ると、退職年齢や寿命は実態より短い見込みであるものの、それ以外は理想と現実が比較的近い傾向ですね。退職や寿命はまだ数十年先ということで具体的なイメージがしづらいのかもしれませんが、結婚や出産、マイホーム購入は近未来ということで世間の標準に収束している、とも言えるのかもしれません。
Z世代の理想と現実のギャップは意外に小さい?
今回の調査で「Z世代」として対象になったのは2021年に18~25歳になる男女400人。結婚観について、男女ともに70%以上は将来結婚したいと考えており(男性は5%、女性は15%が既婚者でした)、結婚したい年齢は男性31歳、女性30歳でした。一方で2020年の平均初婚年齢を見てみると、男性31歳、女性29.4歳でした。Z世代の理想はほぼ世の中の平均と一致していると言えそうです。ちなみに日本では晩婚化が少しずつ進んでおり、1995年は男性28.3歳、女性26.3歳でした。続いて何歳までに子供が欲しいか、という問いについては、男性34歳、女性32歳が平均でした。結婚から2、3年内には子供が欲しい、というライフプランですね。平均初婚年齢の調査より若干古い統計になるのですが、2016年の調査では第一子出生時の母の平均年齢は30.7歳でした。実態と大きな乖離はありませんが、「理想」の方がやや夫婦2人の時間を持ちたい、という考え方になるでしょうか。
マイホームを持つ理想の年齢は36歳でしたが、こちら2019年の調査を見てみると新築か中古か、戸建てかマンションかなどで差があるのですが、平均年齢が一番若い分譲戸建ては36.8歳、一番年配の中古マンションは44.8歳でした。マイホーム=戸建てのイメージであれば、ここでも理想と現実がほぼ一致している形になりました。
30~40年後は定年70歳以上になっているかも
何歳まで働きたいか、は男性が59歳、女性が52歳でした。男性は60歳定年のイメージを持って回答した人も多いのかもしれませんね。一方でここ最近は定年を65歳にする会社や、60歳で定年を迎えた後も5年間は再雇用制度を取っている会社も増えてきています。さらに2021年4月に施行された「改正高年齢雇用安定法」により、70歳までの継続雇用が努力義務となっています。今後ますます高齢化が進むにあたり、定年の年齢が上がることはあっても下がることはないでしょう。今回アンケートに答えたZ世代が60歳になる30~40年後には70歳定年どころか、もっと歳を重ねても働いているのが当然になっていても不思議ではありません。何歳まで生きたいか、は男性81歳、女性78歳でした。2020年の統計だと男性は81.64歳、女性は87.74歳のため、女性の方が約6年長いのですが、Z世代の意識ではむしろ女性の方が若干ではありますが太く短い人生を望んでいるようです。100歳以上まで生きたいという回答も26%いたのですが、平均を取ると80年前後がちょうど良い、というとらえ方になっているようです。
こうして全体を通して見ると、退職年齢や寿命は実態より短い見込みであるものの、それ以外は理想と現実が比較的近い傾向ですね。退職や寿命はまだ数十年先ということで具体的なイメージがしづらいのかもしれませんが、結婚や出産、マイホーム購入は近未来ということで世間の標準に収束している、とも言えるのかもしれません。
<参考サイト>
・Z 世代に聞く理想の将来像 「人生の時間割」調査│CITIZEN
https://www.citizen.co.jp/cms/cwc/files/20211122.pdf
・令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況 結果の概要│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/kekka.pdf
・平成29年度 年次報告書│人事院
https://www.jinji.go.jp/hakusho/h29/1-2-01-1-3.html
・国土交通省住宅局「令和元年度住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001348002.pdf
・令和2年簡易生命表の概況 主な年齢の平均余命
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life20/dl/life18-02.pdf
・Z 世代に聞く理想の将来像 「人生の時間割」調査│CITIZEN
https://www.citizen.co.jp/cms/cwc/files/20211122.pdf
・令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況 結果の概要│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/kekka.pdf
・平成29年度 年次報告書│人事院
https://www.jinji.go.jp/hakusho/h29/1-2-01-1-3.html
・国土交通省住宅局「令和元年度住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001348002.pdf
・令和2年簡易生命表の概況 主な年齢の平均余命
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life20/dl/life18-02.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生
ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯
ピアニスト江崎昌子氏が、ピアノ演奏を交えつつ「ショパンの音楽とポーランド」を紹介する連続シリーズ。第1話では、すべてのピアニストにとって「特別な作曲家」と言われる39年のショパンの生涯を駆け足で紹介する。1810年に生...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/03/16
歴史のif…2.26事件はなぜ成功しなかったのか
クーデターの条件~台湾を事例に考える(5)世直しクーデターとその成功条件
クーデターには、腐敗した政治を正常化するために行われる「世直しクーデター」の側面もある。そうしたクーデターは、日本では江戸時代の「大塩平八郎の乱」が該当するが、台湾においては困難ではないか。それはなぜか。今回は...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/17
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
改革開放当時の中国には技術も資本もなく、工場を建てる土地があるだけだった。経済成長とともに市民が不動産を複数所有する時代となり、地価は高騰し続けた。だが、習近平政権による総量規制は不動産価格を低下させ、消費低迷...
収録日:2025/07/01
追加日:2025/10/16
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く
編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?
今井むつみ先生が2024年秋に発刊された岩波新書『学力喪失――認知科学による回復への道筋』は、とても話題になった一冊です。今回、テンミニッツ・アカデミーでは、本書の内容について著者の今井先生にわかりやすくお話しいただ...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/16