社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
国家ブランド指数ランキング!…日本は何位?
世界の国々のイメージや評判を測定するための国家ブランド指数。2021年のランキングがパリに本社を置くグローバル市場調査の会社「イプソス」から発表されています。その動向は、そして日本は何位なのでしょう。
2005年より毎年、世界50か国の「国民性」「観光」「文化」「輸出」「国家のガバナンス」「移住・投資」の魅力を評価し、国のブランド力としてランク付けしています。
日本は当初より対象国に含まれており、アジアの調査対象国で唯一トップ10入りを果たしています。対象国は、2021年から大幅に拡大して60か国となりました。これに伴いアンケート実施数も従来の2万件から6万件へと拡大し、各国の高い関心を集めています。
では、2021年のランキングを見ていきましょう。
<2021年順位/2020年順位/国名/2021年スコア/2020年スコア>
1位/1位/ドイツ/71.06/69.12
2位/3位/カナダ/70.64/67.86
3位/4位/日本/70.52/67.81
4位/6位/イタリア/70.23/67.11
5位/2位/イギリス/70.08/68.15
6位/5位/フランス/70.00/67.59
7位/7位/スイス/69.76/66.68
8位/10位/アメリカ/69.67/65.67
9位/8位/スウェーデン/69.04/65.83
10位/9位/オーストラリア/68.55/65.76
トップは5年連続となるドイツ。ベスト10を占める顔ぶれも変わらないものの、日本とイタリアがイギリスを抜き躍進、アメリカも8位と健闘しています。
無観客開催にはなったものの東京五輪の開催地として、国を挙げて「おもてなし」に注力した姿勢が高評価を得たもの。また、アニメやオタクなどのクール・ジャパンからマイコや日本庭園などの伝統的日本までそろう文化・観光資源は、旅行先として多くの層にアピールしています。
一方、日本に不足していて、ドイツやカナダが高く評価を受けているのは「ガバナンス」や「移民と投資」です。もともと移民大国と呼ばれるドイツは、コロナ禍の2021年にも3万のビザを発行し、堅実な経済成長を続けています。カナダ政府も昨年、2021年から2023年の3年間で合計120万人以上の移民を受け入れる計画を発表。地球全体に関わろうとする積極性が、世界のために役立つガバナンスにもつながっているわけです。
考案者のアンホルト氏も言うように、世界から評価されたいと思うなら、世界の役に立つ国にならなければなりません。国内だけに目をとどめず、広い視野による国家の行動が問われています。
国家ブランド指数とは?
国家ブランド指数(NBI)の正式名称は「アンホルトGfKローパー国家ブランド指数」。国際的に活躍する政策アドバイザーのサイモン・アンホルト氏が開発したものです。2005年より毎年、世界50か国の「国民性」「観光」「文化」「輸出」「国家のガバナンス」「移住・投資」の魅力を評価し、国のブランド力としてランク付けしています。
日本は当初より対象国に含まれており、アジアの調査対象国で唯一トップ10入りを果たしています。対象国は、2021年から大幅に拡大して60か国となりました。これに伴いアンケート実施数も従来の2万件から6万件へと拡大し、各国の高い関心を集めています。
2021年のトップ10は?
ランキングのこれまでの流れとしては、2009年以降米国が総合トップの座を維持していましたが、2014年にドイツが米国を抜き、1位となりました。それ以後は抜きつ抜かれつが続きましたが、2017年以降はドイツの首位が続いています。では、2021年のランキングを見ていきましょう。
<2021年順位/2020年順位/国名/2021年スコア/2020年スコア>
1位/1位/ドイツ/71.06/69.12
2位/3位/カナダ/70.64/67.86
3位/4位/日本/70.52/67.81
4位/6位/イタリア/70.23/67.11
5位/2位/イギリス/70.08/68.15
6位/5位/フランス/70.00/67.59
7位/7位/スイス/69.76/66.68
8位/10位/アメリカ/69.67/65.67
9位/8位/スウェーデン/69.04/65.83
10位/9位/オーストラリア/68.55/65.76
トップは5年連続となるドイツ。ベスト10を占める顔ぶれも変わらないものの、日本とイタリアがイギリスを抜き躍進、アメリカも8位と健闘しています。
世界に評価されるポイントとは?
日本がトップ3に入ったのは2018年の総合2位ランクイン以来です。今回の評価では、「輸出」「観光」「文化」「国民性」で高い点数を獲得しました。無観客開催にはなったものの東京五輪の開催地として、国を挙げて「おもてなし」に注力した姿勢が高評価を得たもの。また、アニメやオタクなどのクール・ジャパンからマイコや日本庭園などの伝統的日本までそろう文化・観光資源は、旅行先として多くの層にアピールしています。
一方、日本に不足していて、ドイツやカナダが高く評価を受けているのは「ガバナンス」や「移民と投資」です。もともと移民大国と呼ばれるドイツは、コロナ禍の2021年にも3万のビザを発行し、堅実な経済成長を続けています。カナダ政府も昨年、2021年から2023年の3年間で合計120万人以上の移民を受け入れる計画を発表。地球全体に関わろうとする積極性が、世界のために役立つガバナンスにもつながっているわけです。
考案者のアンホルト氏も言うように、世界から評価されたいと思うなら、世界の役に立つ国にならなければなりません。国内だけに目をとどめず、広い視野による国家の行動が問われています。
<参考サイト>
・国家ブランド指数│イプソス
https://www.ipsos.com/ja-jp/nation-brands-index-2021
・「日本は『二つの難問』を解決できるか」サイモン・アンホルト│『外交』vol.3
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/gaikou/vol3/pdfs/gaikou_vol3_07.pdf
・国家ブランド指数│イプソス
https://www.ipsos.com/ja-jp/nation-brands-index-2021
・「日本は『二つの難問』を解決できるか」サイモン・アンホルト│『外交』vol.3
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/gaikou/vol3/pdfs/gaikou_vol3_07.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌
「集権と分権」から考える日本の核心(2)非常時対応の中央集権と東アジア情勢
律令国家は中国の先進性に倣おうと始まったといわれるが、実際はどうだろうか。当時の日本は白村江の戦いの後、唐と新羅が日本に攻め込むのではないかという危機感から「防人」という徴兵制をつくった。徴兵には戸籍を充実させ...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/25
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
混迷を極める現代社会にあって、「学び」の意義はどこにあるのだろうか。次世代にどのような望みをわれわれが与えることができるのか。社会全体の運営を、いかに正しい知識と方針で進めていけるのか。一人ひとりの人生において...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/08/13
カーボンニュートラル達成へ、エネルギー政策の変革は必須
日本のエネルギー政策大転換は可能か?(3)エネルギー政策大転換への提言
洋上や太陽光を活用した発電の素地がありながらその普及が遅れている日本。その遅れにはどのような要因があるのだろうか。最終話では、送電網の強化など喫緊の課題を取り上げるとともに、エネルギー政策を根本的に変換させる必...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/08/24
同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性
トランプ大統領は同盟国の役割を軽視し、むしろ「もっと使うべき手段だ」と考えているようである。そのようななかで、ヨーロッパ諸国も大きく軍事費を増やし、「負担のシフト」ともいうべき事態が起きている。そのなかでアジア...
収録日:2025/06/23
追加日:2025/08/21
ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(4)社会的時差ボケとメンタルヘルス
社会的時差ボケは、特に若年層にその影響が大きい。それはメンタルヘルスの悪化にもつながり、彼らの幸福度を低下させるため、ウェルビーイングの危機ともいうべき事態を招くことになる。ではどうすればいいのか。欧米で注目さ...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/23