テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.05.18

3つの「住みたい街ランキング」…何が違うの?

 コロナ禍の前後で顔ぶれが変わったことでも話題になっている「住みたい街」のランキング。近年は不動産価格の高騰により、「住みたくてもそう簡単には住めない街」になっているエリアも少なくありませんが、高収入層は今どんな街に住みたいと考えているのでしょうか?年収1000万円以上のユーザーに限定した「住みたい街ランキング2022 by RENOSY」でその傾向を見てみることにしましょう。

1000万円以上のユーザーに人気があるのは

 RENOSYに掲載された東京23区の賃貸物件が対象となるため、他の「住みたい街」ランキングと条件は異なるという点は前提してして見ていただきたいのですが、トップ3は赤坂、三田、六本木。すべて港区とまさにお金持ちが集まるエリアというイメージ通りの結果ですね。4位以下は勝どき、神宮前、小石川、西新宿、上大崎、恵比寿、西麻布と続きます。

 赤坂の街自体オフィスが集中していますが、六本木や大手町などのビジネスエリアへのアクセスが良い点も人気が集まる理由でしょう。今回の調査だと赤坂の物件を選んだユーザーのうち最も多くの割合を占めたのは金融・保険(29.2%)。続いてコンサルティング(16.7%)、情報通信(12.5%)でした。確かに赤坂に本拠を構える保険会社もありますので納得できますね。

 2位の三田は金融・保険とコンサルティングに並び、不動産・建設も1位の割合に(それぞれ16.7%)。3位の六本木も金融・保険とコンサルティングが割合で1位ですが、そこに情報通信も肩を並べています(13.3%)。三田からアクセスの良いエリアにゼネコンの本社があることや、六本木には拠点を構えるIT企業が多いことも関係がありそうです。

 さらに3000万円以上のユーザーに絞ったランキングも発表されており、トップ3は六本木、赤坂、上大崎。1000万円以上のランキングでは8位だった上大崎が3位に食い込んでいます。六本木、赤坂と異なり駅名ではないのでピンと来ないかもしれませんが、JR目黒駅一帯のエリアになります。RENOSYのサイトから「上大崎」で検索をすると家賃20万円前後のワンルームや、家賃60万円弱の3LDKなど、お金持ちに選ばれるのが納得の物件が並びます。

suumo版、アルヒ版との違いはここだ

 同種のランキングでは老舗とも言えるsuumoの「住みたい街ランキング2022 関東 総合ランキング」で東京の街を上位から抜き出してみると、吉祥寺(2位)、恵比寿(4位)、目黒(6位)、新宿(7位)、品川(8位)、池袋(9位)です。また、アルヒ株式会社による「本当に住みやすい街大賞2022 in 関東ランキング」で同じく東京の住所を抜き出すと、多摩境(3位)、大泉学園(4位)、花小金井(7位)、月島(8位)、船堀(9位)、新秋津(10位)です。

 「1000万円~」と比べた時にsuumo版は6地域中4地域は重複がありますが、アルヒ版は1つも重複しておらず、それぞれ立ち位置の違いが明確に現れていますね。ざっくり言ってしまうと、アルヒ版はランキングのタイトルにもあるように「住みやすさ」重視で、(赤坂や六本木などに比べると)知名度が後からついてくるタイプのラインアップと言えそうです。

 大規模開発やテレワークの割合などにもよって年々変化する「住みたい街」のランキング。今後はどこの街が人気を集めていくのでしょうか?

<参考サイト>
・年収1,000万円超えプレイヤーが選んだ「住みたい街ランキング2022 by RENOSY」 | RENOSY(リノシー)不動産投資
https://special.renosy.com/sumitaimachi_ranking/2022/
・【RENOSY(リノシー)】賃貸マンション・不動産売買・賃貸管理・不動産投資の総合不動産サイト
https://www.m-standard.co.jp/
・住みたい街ランキング2022 関東 総合ランキング│SUUMO
https://suumo.jp/edit/sumi_machi/2022/kanto/
・本当に住みやすい街大賞2022 in 関東ランキング | アルヒ株式会社
https://www.aruhi-corp.co.jp/cp/town_ranking/kanto/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,200本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

映画『君たちはどう生きるか』とつながる山上憶良の答え

映画『君たちはどう生きるか』とつながる山上憶良の答え

山上憶良「沈痾自哀文」と東洋的死生観(3)「沈痾自哀文」現代語訳を読む

宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』の一つの大きなテーマは、自分が恵まれていることにどう気づくかではないかと上野氏はいう。これは戦後日本のあり方、目指すべきものへの痛烈な問いかけではないだろうか。このことに...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/07/26
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)
2

集中のスイッチを入れる方法は意識からと身体からの2通り

集中のスイッチを入れる方法は意識からと身体からの2通り

本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる

アスリートたちは本番で力を発揮するために、「準備」と「本番」の2つのフェーズに分けて物事を考えている。「準備」段階ですべきは、本番の状況を細部にわたってシミュレーションしておくこと。そして、本番で「意識が散漫にな...
収録日:2020/09/16
追加日:2021/01/19
為末大
Deportare Partners代表
3

こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は

こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は

「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像

「こりごりだ」「アイ・ラブ・トランプ」…いったいどちらが本当のトランプ評なのか。前大統領のトランプ氏は、過激な発言で物議を醸すことも多かったが、その人柄はどのようなものだったのだろうか。2024年11月アメリカ大統領選...
収録日:2024/04/23
追加日:2024/07/24
杉山晋輔
元日本国駐アメリカ合衆国特命全権大使
4

ポツダム宣言受諾が遅れた理由と昭和天皇の「御聖断」

ポツダム宣言受諾が遅れた理由と昭和天皇の「御聖断」

敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(10)ポツダム宣言受諾への道のり

公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏による島田塾特別講演シリーズ。紆余曲折の末、ついに発表されたポツダム宣言とその正式受諾に至るまでの道のりを知る。陸海軍の猛反発にあいながら本土決戦前の降伏を実現したポツ...
収録日:2016/07/08
追加日:2017/08/02
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

地政学を理解する上で大事な「3つの柱」とは

地政学を理解する上で大事な「3つの柱」とは

地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か

国際政治を地理の観点からひも解く「地政学」という学問。近年、耳にすることも多くなった分野だが、どのような手法や意義を持った学問であるかを学ぶ機会は少ない。その基礎から学ぶことのできる今回のシリーズ。まず第1話では...
収録日:2024/03/27
追加日:2024/04/30
小原雅博
東京大学名誉教授