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外国人に人気な「和菓子」5選
もはや当たり前に世界に浸透している日本の食文化。最近は日本食に加え、日本のスイーツである和菓子にも注目が集まりつつあります。
公益財団法人日本豆類協会は、アメリカ、中国、インドネシアなど7か国の在日外国人を対象に、大福、どら焼き、まんじゅうなど11種類の和菓子(あんこ類)を食べたことがあるか、好き嫌いはあるかなどを調査(2018年3月)。今回はこの調査報告をもとに、外国人に人気の和菓子を5つピックアップ。それぞれの和菓子のどんな部分が外国人に好まれるのかを調べてみました。
同協会の、アジア圏からの訪日外国人(中国、香港、台湾など)を対象とした調査でも「どら焼き」への好感は高いようで、「好き」と回答した人は55.4%と半数以上。「普通(37.2%)」と答えた人を合わせると、こちらも9割を越える結果となりました。
彼らがどら焼きを好む理由としては「味や食感のバランスがいいこと」が最多となり、国別の調査では韓国は「甘さがちょうどいいこと」、中国は「餡のつぶつぶした食感」を最も多く挙げていました。
なぜ、どら焼きはこれほど大多数の外国人に受け容れられているのでしょうか。実はそれは、アニメ「ドラえもん」が世界各国で放映されている影響だといわれています。
和菓子(WAGASHI)という言葉は知らなくとも「ドラえもんの大好物の『どら焼き』の名は知っている」「日本に行ったら是非食べてみたい!」という人が多いのです。
外国人に広く認知されているどら焼きは、日本を代表する和菓子になっているのですね!
たい焼きを好む理由として最も多かったのが「味や食感のバランスがいいこと」。また「生地の食感」「見た目の良さ」が11種類の和菓子全体の割合より高くなっており、味もさることながら、可愛らしい魚の形とその生地の食感が特に好まれているようです。
外国人のたい焼きに関する口コミには「中までアツアツでおいしい」「安くてボリュームたっぷり」といった意見が。なんとアメリカでは、中身があんこではなく生クリームやアイスクリーム、ポテトやチキンを入れた、現地らしいオリジナリティあふれるたい焼きが売られているのだとか。まさしく“ホットな”話題のスイーツなのですね。
大福を好む理由としては「味や食感のバランスがいいこと」が57.9%、「生地の食感」が35.1%。大福に関する外国人の口コミを見ていても、「モチモチした食感が大好き」「もちの甘みと柔らかな食感がいい」など、特に生地に対する好意的な意見が目立っていました。
甘いあんこにモチモチ生地という、他にはない独特の組み合わせが、外国人を魅了しているのかもしれません。
あんぱんが「好き」と答えた人は全体の83.7%、好きな理由で最も割合を占めたのは「あんの風味」で、次いで「味や食感のバランスがいいこと」が続きました。
あんぱんを好む外国人の中には「食べた時に衝撃を受けた」「まさに日本人ならではの発想!」など、和洋折衷の風味に驚く意見が多数。まさに、日本が誇るべき発明品といえますね。
海苔せんべいや厚焼きせんべいなど、専門店で売っているような昔ながらのせんべいはもちろん、「柿の種」「かっぱえびせん」「ハッピーターン」「ばかうけ」といった日本でおなじみのせんべい菓子も大人気。海外のスーパーでも見かけることが増えています。
あんこなどの甘い和菓子と比べ「砂糖を使っていないからヘルシー」「醤油味が香ばしくて食べやすい」「食感が軽くて好き」といった、米菓ならではの特徴を絶賛する意見が目立ちました。
日本豆類協会は、和菓子が「嫌い」と回答した在日外国人にその理由を聞いたところ「甘すぎる」が38.8%で最多。続いて「味や食感のバランスが悪い(25.0%)」「あんのにおい(風味)(18.0%)」「あんの食感(16.0%)」という結果になったといいます。
特にアメリカを含む欧米圏では、あんの食感や風味を苦手とする人が多い傾向にあり、タイやマレーシアといったアジア圏では「甘すぎる」が、嫌いな理由の最多を占めたそうです。
確かにあんこに対して苦手意識を持つ外国人は意外と多いようで「あんこの甘さに慣れない」「こしあんの食感がどうしても無理」という口コミが散見されます。実は豆を甘く煮つめる、つぶしてなめらかにするという調理法は、日本独自のもの。外国人にとって「甘くねっとりした豆」は、これまでにないチャレンジングな食べ物の位置づけなのでしょう。
苦手な人もいるいっぽう、多くの外国人を虜にしている和菓子。今後の海外進出が期待されますが、生菓子特有の繊細な風味を保ちつつ輸出するためには課題も多く、まだまだこれからといったところ。
しかし、アメリカのポテトたい焼きのように、現地好みにアレンジされたことで受け容れられた例があるのも確か。海外で流行ったオリジナル和菓子が逆輸入され、今度は日本で大人気に……なんて未来が、もしかしたら来るのかもしれませんね。
公益財団法人日本豆類協会は、アメリカ、中国、インドネシアなど7か国の在日外国人を対象に、大福、どら焼き、まんじゅうなど11種類の和菓子(あんこ類)を食べたことがあるか、好き嫌いはあるかなどを調査(2018年3月)。今回はこの調査報告をもとに、外国人に人気の和菓子を5つピックアップ。それぞれの和菓子のどんな部分が外国人に好まれるのかを調べてみました。
外国人に人気の和菓子 その1「どら焼き」
日本豆類協会の調査の中で、最も「食べたことがある」和菓子の割合が高かった和菓子が「どら焼き(83.3%)」でした。好き嫌いの割合では「好き」と答えた人が91.3%となっています。同協会の、アジア圏からの訪日外国人(中国、香港、台湾など)を対象とした調査でも「どら焼き」への好感は高いようで、「好き」と回答した人は55.4%と半数以上。「普通(37.2%)」と答えた人を合わせると、こちらも9割を越える結果となりました。
彼らがどら焼きを好む理由としては「味や食感のバランスがいいこと」が最多となり、国別の調査では韓国は「甘さがちょうどいいこと」、中国は「餡のつぶつぶした食感」を最も多く挙げていました。
なぜ、どら焼きはこれほど大多数の外国人に受け容れられているのでしょうか。実はそれは、アニメ「ドラえもん」が世界各国で放映されている影響だといわれています。
和菓子(WAGASHI)という言葉は知らなくとも「ドラえもんの大好物の『どら焼き』の名は知っている」「日本に行ったら是非食べてみたい!」という人が多いのです。
外国人に広く認知されているどら焼きは、日本を代表する和菓子になっているのですね!
外国人に人気の和菓子 その2「たい焼き」
11種類の和菓子のうち、在日外国人が最も「好き」と答えた割合が高かったのが「たい焼き(95.3%)」でした。「食べたことがある」と答えた割合も、どら焼きに続き2位の81.6%で、在日外国人にとって非常に馴染み深い和菓子であることがうかがえる結果となっています。たい焼きを好む理由として最も多かったのが「味や食感のバランスがいいこと」。また「生地の食感」「見た目の良さ」が11種類の和菓子全体の割合より高くなっており、味もさることながら、可愛らしい魚の形とその生地の食感が特に好まれているようです。
外国人のたい焼きに関する口コミには「中までアツアツでおいしい」「安くてボリュームたっぷり」といった意見が。なんとアメリカでは、中身があんこではなく生クリームやアイスクリーム、ポテトやチキンを入れた、現地らしいオリジナリティあふれるたい焼きが売られているのだとか。まさしく“ホットな”話題のスイーツなのですね。
外国人に人気の和菓子 その3「大福」
同調査でどら焼き、たい焼きとともに人気を集めたのが「大福」です。在日外国人が「食べたことがある」と答えた人は75.6%で第3位。大福が「好き」と答えた人は94.4%で、たい焼きに続く好きな和菓子第2位となっています。大福を好む理由としては「味や食感のバランスがいいこと」が57.9%、「生地の食感」が35.1%。大福に関する外国人の口コミを見ていても、「モチモチした食感が大好き」「もちの甘みと柔らかな食感がいい」など、特に生地に対する好意的な意見が目立っていました。
甘いあんこにモチモチ生地という、他にはない独特の組み合わせが、外国人を魅了しているのかもしれません。
外国人に人気の和菓子 その4「あんぱん」
どら焼き、たい焼き、大福の3トップに続いて知名度の高い和菓子にランクインしたのが「あんぱん」でした。在日外国人の71.4%が「食べたことがある」と回答しており、海外のベーカリーショップでは、すでにごくスタンダードな商品として並べられるほど浸透しています。あんぱんが「好き」と答えた人は全体の83.7%、好きな理由で最も割合を占めたのは「あんの風味」で、次いで「味や食感のバランスがいいこと」が続きました。
あんぱんを好む外国人の中には「食べた時に衝撃を受けた」「まさに日本人ならではの発想!」など、和洋折衷の風味に驚く意見が多数。まさに、日本が誇るべき発明品といえますね。
外国人に人気の和菓子 その5「せんべい(米菓)」
ここで同調査から離れて、甘くない和菓子にも注目しましょう。せんべいやあられ、おかきといったお米のお菓子は外国人へのお土産の定番となっており、大変人気があります。海苔せんべいや厚焼きせんべいなど、専門店で売っているような昔ながらのせんべいはもちろん、「柿の種」「かっぱえびせん」「ハッピーターン」「ばかうけ」といった日本でおなじみのせんべい菓子も大人気。海外のスーパーでも見かけることが増えています。
あんこなどの甘い和菓子と比べ「砂糖を使っていないからヘルシー」「醤油味が香ばしくて食べやすい」「食感が軽くて好き」といった、米菓ならではの特徴を絶賛する意見が目立ちました。
実は「あんこ」が苦手な外国人も多数
概ね外国人に受け容れられているあんこの和菓子ですが、反対に「和菓子が嫌い」「あんこが苦手」と言う人もいます。日本豆類協会は、和菓子が「嫌い」と回答した在日外国人にその理由を聞いたところ「甘すぎる」が38.8%で最多。続いて「味や食感のバランスが悪い(25.0%)」「あんのにおい(風味)(18.0%)」「あんの食感(16.0%)」という結果になったといいます。
特にアメリカを含む欧米圏では、あんの食感や風味を苦手とする人が多い傾向にあり、タイやマレーシアといったアジア圏では「甘すぎる」が、嫌いな理由の最多を占めたそうです。
確かにあんこに対して苦手意識を持つ外国人は意外と多いようで「あんこの甘さに慣れない」「こしあんの食感がどうしても無理」という口コミが散見されます。実は豆を甘く煮つめる、つぶしてなめらかにするという調理法は、日本独自のもの。外国人にとって「甘くねっとりした豆」は、これまでにないチャレンジングな食べ物の位置づけなのでしょう。
苦手な人もいるいっぽう、多くの外国人を虜にしている和菓子。今後の海外進出が期待されますが、生菓子特有の繊細な風味を保ちつつ輸出するためには課題も多く、まだまだこれからといったところ。
しかし、アメリカのポテトたい焼きのように、現地好みにアレンジされたことで受け容れられた例があるのも確か。海外で流行ったオリジナル和菓子が逆輸入され、今度は日本で大人気に……なんて未来が、もしかしたら来るのかもしれませんね。
<参考サイト>
・公益財団法人日本豆類協会 雑豆市場実態調査(平成30年3月)
豆類生産流通消費事情及び将来展望
https://www.mame.or.jp/Portals/0/resources/research/houkoku/h30_future.pdf
・世界が認める和菓子だけど外国人に嫌われているNo.1は?外国人に聞いてみた!(LIVE JAPAN)
https://livejapan.com/ja/in-tokyo/in-pref-tokyo/in-tokyo_train_station/article-a0000968/
・公益財団法人日本豆類協会 雑豆市場実態調査(平成30年3月)
豆類生産流通消費事情及び将来展望
https://www.mame.or.jp/Portals/0/resources/research/houkoku/h30_future.pdf
・世界が認める和菓子だけど外国人に嫌われているNo.1は?外国人に聞いてみた!(LIVE JAPAN)
https://livejapan.com/ja/in-tokyo/in-pref-tokyo/in-tokyo_train_station/article-a0000968/
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