社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「行動科学マネジメント」でみる仕事ができる人の法則
あの人は仕事ができるな、と思うことはないだろうか。自分と「できる人間」の差異はどこにあるのだろうか。ここでは、「行動科学マネジメント」という視点から考えてみたい。
ある行動の直後に賞賛されたり報酬をもらえたりすると、その行動を自ら繰り返すようになり、次第に定着・習慣化していく。これは行動分析学の実験データから明らかにされた法則だ。この法則に則って提唱されているものが「行動科学マネジメント」である。
実際の場面を考えてみよう。たとえば、取引先にアポイントメントをとる場合を想定し、行動を分解してみる。
1、取引先の担当者の名前と部署を確認する。
2、相手に確認したいことについて、書き出しておく。
3、聞き漏らしがないよう、「手元にメモとペンを用意」する。
4、電話をかけたら、まずはこちらの会社名を告げ、名乗り、担当者につないでもらい、「いま、お時間よろしいでしょうか」と確認する。
5、そのうえで訪問したい旨を告げ、日時の都合を伺う。相手が不在だったり対応できなかったりする場合は、再度連絡することを告げる。
細かく分けて考えれば、仕事の9割はこうした基本的行動の「繰り返し」だと気付く。重要なのは、「繰り返し」の部分でつまずいたり迷ったりする時間をつくらないこと。仕事ができる人は、そこが徹底しているという。どんな仕事であれ有効なのは、仕事のできる人のやり方を、先例のように「分解」してみることだ。「できる人間」は、この一連の流れが早い。つまり「定型化」が進んでいるのだ。
こうして9割の「いつもの仕事」の部分に時間と労力を割かずにすめば、その仕事特有の1割の部分について、じっくり時間をとることができるようになる。
行動を具体化し、「定型化」するために大事なことは、「目に見える行動」のみを抽出し、曖昧で抽象的な表現は使わないこと。
たとえば、「なるべく早く仕上げる」は「15分で仕上げる」に。「がんばってたくさん仕上げる」は「1日に5個仕上げる、もしくは12時までに2つ仕上げる」と決めることである。具体化すれば、誰にでも明確となり、すぐに行動に移せる。
以上、「行動科学マネジメント」のポイントとして、今回は「定型化」「チェックリスト化」「具体的な言語化」の3点を紹介した。この点をおさえるだけでも、仕事の効率は間違いなく上がっていくはずだ。
ある行動の直後に賞賛されたり報酬をもらえたりすると、その行動を自ら繰り返すようになり、次第に定着・習慣化していく。これは行動分析学の実験データから明らかにされた法則だ。この法則に則って提唱されているものが「行動科学マネジメント」である。
仕事ができる人は「定型化」が徹底している
たとえば、ある行動をしたら、スタンプやシールなどをもらえ、一定の数に達するとちょっとした品物や特権を与えられるという仕組みがあるとする。ポイントカードと同じ仕組みだが、これは確実に継続してポイントが貯まるため、その行動は習慣化しやすい。実際の場面を考えてみよう。たとえば、取引先にアポイントメントをとる場合を想定し、行動を分解してみる。
1、取引先の担当者の名前と部署を確認する。
2、相手に確認したいことについて、書き出しておく。
3、聞き漏らしがないよう、「手元にメモとペンを用意」する。
4、電話をかけたら、まずはこちらの会社名を告げ、名乗り、担当者につないでもらい、「いま、お時間よろしいでしょうか」と確認する。
5、そのうえで訪問したい旨を告げ、日時の都合を伺う。相手が不在だったり対応できなかったりする場合は、再度連絡することを告げる。
細かく分けて考えれば、仕事の9割はこうした基本的行動の「繰り返し」だと気付く。重要なのは、「繰り返し」の部分でつまずいたり迷ったりする時間をつくらないこと。仕事ができる人は、そこが徹底しているという。どんな仕事であれ有効なのは、仕事のできる人のやり方を、先例のように「分解」してみることだ。「できる人間」は、この一連の流れが早い。つまり「定型化」が進んでいるのだ。
「チェックリスト化」と「具体的な言語化」
「定型化」したことを定着させるには、「チェックリスト」を作ることが有効である。常に「チェックリスト」に沿って仕事を進めれば、作業時間は短縮できる。また、「チェックリスト」をクリアすると、そのひとつひとつが自分への報酬となる。これは先に挙げたポイントが貯まる仕組みや、ロールプレイングゲームでダンジョンをクリアする感覚にも似ている。単なる反復なのだが、チェックするたびに達成感が生まれ、次に進むための原動力となる。こうして9割の「いつもの仕事」の部分に時間と労力を割かずにすめば、その仕事特有の1割の部分について、じっくり時間をとることができるようになる。
行動を具体化し、「定型化」するために大事なことは、「目に見える行動」のみを抽出し、曖昧で抽象的な表現は使わないこと。
たとえば、「なるべく早く仕上げる」は「15分で仕上げる」に。「がんばってたくさん仕上げる」は「1日に5個仕上げる、もしくは12時までに2つ仕上げる」と決めることである。具体化すれば、誰にでも明確となり、すぐに行動に移せる。
以上、「行動科学マネジメント」のポイントとして、今回は「定型化」「チェックリスト化」「具体的な言語化」の3点を紹介した。この点をおさえるだけでも、仕事の効率は間違いなく上がっていくはずだ。
<参考サイト>
・日本経営合理化協会:経営コラム「行動科学マネジメント」
http://jmcasemi.jp/column/article.php?article=266
・Lifehacker:一流ほど手を抜いている? 仕事を「定型化」してムダを省くコツ
http://www.lifehacker.jp/2015/08/150810book_to_read.html
・日本経営合理化協会:経営コラム「行動科学マネジメント」
http://jmcasemi.jp/column/article.php?article=266
・Lifehacker:一流ほど手を抜いている? 仕事を「定型化」してムダを省くコツ
http://www.lifehacker.jp/2015/08/150810book_to_read.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界では「創造性がどれくらい大事か」という問題意識が今、急激に高まっている。創造性とは全ての人にあり、偏差値などでは絶対に計れない、まさに無限軸の創造性のこと。そうした創造性を育む学びが「STEAM教育」である。最終...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/09/18
なぜ日本の所得水準は低いのに預金残高は大きいのか
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(2)政府債務と預金残高の背景
国際的に見て、政府の債務残高が大きい日本。その背景には、バブル崩壊後の財政赤字を取り戻せていないことがあった。その一方で、預金残高も高い日本。所得が低いのに預金が多い日本の謎を解説する。(全4話中第2話)
※...
※...
収録日:2025/07/10
追加日:2025/09/17
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
人が成長していくために重要な経験学習。その学習サイクルを適切に回していくためには、「経験から学ぶ力」が必要になる。ではそこにはどのような要素があるのか。ストレッチ、リフレクション、エンジョイメントという3要素と、...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/17
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
日本の陸軍は第二次世界大戦を「100年戦争」であると見なした。勝てる見込みは少なかったにもかかわらず、天皇と国民の一体性という精神主義によって、総力戦になだれこんでいった。石原莞爾が満州事変を起こした時に描いたスト...
収録日:2020/02/26
追加日:2020/08/04
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
日本の政治史を見る上で地理的条件は外せない。「島国」という、外圧から離れて安心をもたらす環境と、「山がち」という大きな権力が生まれにくく拡張しにくい風土である。特に日本の国土は韓国やバルカン半島よりも高い割合の...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/15